度肝を抜かれた衝撃アクロバット〜男子チア物語第25話〜
2013年10月下旬。
明治大学女子チアリーディングチームJAGUARSに練習見学を終えて衝撃を受けた俺たちは、モチベーションが高まっていた。
いつものように大学の休憩時間で4人で集まっている時に、タカラが「早く練習がしたいな!」とポツリと漏らした。
チアを知ったばかりの俺以外の3人から、「練習がしたい」と前向きな言葉が出たのは初めてだった。
タカラの言葉に、俺ら3人も「そうだな!」と声をそろえた。
「そういえば!」
俺はふと、JAGUARSの練習見学の終わり際に、メグミさんが言っていたことを思い出した。
「毎週木曜に豊島体育館に行くといいよ。そこにはチアリーダーの人たちが集まっていて…」
俺は3人に呼びかけた。
「今度の木曜に豊島体育館に行ってみないか?メグミさんがこの前、言ってたじゃん。毎週木曜にチアリーダーが集まるって。あれ、どういうことか気にならんかったか?」
「気になった!!!行くか」
3人はうなずいた。
「でも…ごめん!俺次の木曜は行けないや」
カズキが申し訳なさそうに言うと、それに続いてショウヤも「俺もだ!ごめん」と下を向いた。
「タカラは?」と俺が呼びかけると、「俺は行けるぜい」と笑顔。
こうして俺とタカラは次の木曜に豊島体育館へと行くことにした。
数日後。
授業後の夕方に俺とタカラは最寄り駅の千川駅に集合し、現地へと向かった。
「楽しみだな!タカラ」
「そうだな!バク転、バク宙してーぜー!」
そんな話をしながら歩いていると、すぐに豊島体育館に到着した。
入り口で利用料を払い、恐る恐る体育館へと入った。
目の前に広がった光景は、予想外だった。
手前にはマットが何枚も敷かれ、何レーンも用意されている。
奥には、トランポリンが3台。
そして、皆が体操選手のように宙を舞い、回転技を繰り広げている。
「場違いだ…」
俺は、その光景を見て固まってしまった。
隣を見ると、タカラも固まっていた。
「これ、どうしよっか…」
「入るのきついな…。とりあえず、上で見ようか。今日は見学、ということで」
俺たちは2階の観覧席に移動して、そこから下を見下ろしていた。
この中に、SHOCKERSを始めとした多くのチアリーダーたちが潜んでいるのか。
そんなことを思いながら、俺たちはただただ見つめることしか出来なかった。
つづく
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第25話の登場人物 整理
ケイタ(俺)=筆者であり、主人公。愛知県・蒲郡市出身。豊橋東高校卒業。
カズキ=ケイタが大学に入ってから心を許した初めての友人。クラスメート。
ショウヤ=ケイタのクラスメート。千葉県出身で、趣味は歌うことと踊ること。温厚な性格。
タカラ=ケイタがアナウンスサークルで出会った仲間。体重は40キロ台でチーム1の軽量。アクロバットが大好き。
メグミさん=JAGUARSに所属する大学2年の女子学生。初めてケイタがJAGUARSで知り合いになった人。
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