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MONO GRAPHY 写真部「組写真の撮り方講座!羽田で夜スナップ50mmモノクロ編 撮影会の報告
天気に恵まれた撮影会
撮影日は天気に恵まれすぎてスタート時は暑いほどでした。
組写真をやるときに大切なのは狙いすぎないこと で、気になるものを気ままに撮ってテンションをあげて行きます。
この日、私が撮影したのは 600枚 でした。撮影時間は2時間半 で、雲の感じや風が心地よくテンションが上がりすぎた感じでしたが、3枚組を作るときは 300枚 というのを目安にしています。
2時間ぐらいでそれぐらい撮っているとかなりバリエーションがあるリズムだと思います。しかし、同じパターンになっている可能性もあるのでそこは注意点です(もちろん連射は禁止)。
組みで大切なのは何を感じたか
そんな 撮影枚数の話は途中の休憩時間 のとき、というのがいつものパターンです。
単焦点レンズ を使ったり、撮影設定を固定 することがよくあるのは、その日、その場所で 感じることを大切 にして欲しいからです。
組写真で大切なのは 何を感じたか で、それを残すと 個性が宿ります 。
これを らしさ と言います。
私の組写真講座は1枚写真のうまさを求める撮影テクニック講座とは少し趣が違います。
この日、撮影した写真を抜粋
撮影会でのファーストショット。これが何というわけでななく、意識したのは太陽を隠すことぐらい。太陽を隠すと空のトーンを再現しやすい。感じるためにはシャッターを切ることが大事
次は自転車。理由は 1日1自転車 だから(笑)
上の写真のコメントは冗談と本気が半分づつです。何を撮ろうか悩むなら 好きな被写体から始めると撮影のリズムが掴みやすい はずです。
薄い雲が広がっているのが気になったのでその雲を見せるためにアンダー気味を意識して撮影した
下町らしい掲示板が気になった。アングルはしゃがんだ状態、これは変化をつけるため
薄い雲が広がって太陽を少し隠してくれた
美しい光が気になった。このときも奥行きを意識してアングルは低め。モノクロは逆光を狙うとカッコよくなりやすい
路地裏で見つけた自転車。今度は街の雰囲気と一緒に撮った。あえて周りを入れる意識をしている
参加者の皆さんにも好評だった屋根と雲
撮影会ではときどき撮影したものを皆さんに見ていただきます。撮影後の確認前でちょっと残念な写真 のこともしばしばですが、そのときはその写真を使ってここがよくないと解説します。上の写真は撮ったときに手応えを感じていたパターン でした。
少し高いところからかつて漁業で栄えた羽田の街をイメージしながら
雲のトーンを残すために手前はシルエットにする。露出コントロールで目で見ているときとはかなり違う印象になる
素敵な輝きを放つトラックはモノクロ向きのトーンだと皆さんと一緒に撮影。手前のガードレールはいらなかった(笑)
その後、休憩を挟んで雲はさらによくなったので、テンションが上がりすぎてほぼ無言で撮影 していたときもありました。
そんなときはだいたい 組みがまとらない ことが多いです。
その理由はいつの間にか 1枚での完成度を追いかけている からです。
休憩後、いきなり参加者の皆さんを置いて自分一人だけ橋の向こう側に走って撮影。テンションが上がっているとそんなこともしばしばある(笑)
急いで撮影場所を移動した のは、被写体までの距離とレンズの関係 で、最初の場所からではアップになりすぎると予想したからでした 少し引いた感じで周りの雰囲気も入れるのが狙いでした。
これを ゆとり といいます。
雲を撮るときはそれを引き立たせる周りのアクセントを意識する
これをどうやってカッコ良く撮るか?そんなお題が参加者の方からだされて撮影した
ここからは堤防ごしの雲が続く。無言になっていたのはこの辺り(笑)
と、無言で撮影しながらも時折参加者の方には背面モニターでこん感じと写真を見てもらう
テンションが上がりすぎてほぼ同じようなパターンになっていることに気づいていない状態
テンションが上がりすぎて同じようなパターンになっていると 組 ではなく 集まり になります。そんな組み方もありますが、佐々木啓太の組みは 物語や流れを意識 します。
そして、絶対に 左から右に並べます 。
無言になっていたもうひとつの理由は この時間の光が刻々と変化する からです。
少し冷静になって組みを締める写真を意識しながら
組みを締める写真のポイント は その向き です。上の写真は画面右から左に向かって川の流れがあって、写真を見たときにその流れに沿って視線が右から左に動きます。
これを 左向き と言います。
この日のラストショット。これで締まるかな。と、思いながら写真の向きが決まっていなかった(笑)
左から右に並べる組みの最後は基本的に左向き の写真にしないと締まらないのですが、上の写真はちょっと向きが曖昧でした。
左向きにするためにはもう少し右側に動いたほうがよかったのですが、このときはいろいろあってここであきらめた感じです(笑)
撮影のリズムを良くするためには あきらめ が必要 なときもあります。
佐々木啓太の講座では ゆとり や 写真の向き ・ あきらめ という普通の講座ではあまり聞かないキーワードがよくでてきます。
自由に撮っても2枚までは並ぶ
撮影中に途中で挟んだような組みのお話しをするのは後半になってからで、それもちょっと締めを意識してくださいぐらいの話です。
これは 気になるものを自由に撮っているとだいたい2枚までは並ぶ からです。そして、不思議と 写真の力量に関係なく自由に撮っていた方が2枚まではたくさんできます。
ところが撮影テクニックに慣れていると1枚1枚が決まりすぎてまとめづらいことがあります。そんなときは 集まり としての組み を作ります。話すぎるとこの傾向が強くなります。
最後に2枚 を締める1枚 はその 2枚 を まとめるため に狙っていないといけない 。そんな難問が待ち受けているのですが、それはこれまで以上に理屈通りにはいかないものです。
強いてあげるポイントは 写真の向き です。
あとは それ以外の2枚で答えが変わり ます。
まとめるのは佐々木啓太の仕事
撮影会で撮影した写真は、講評会に 2L プリント で 10枚以上 持ってきていただきます。そのときにお願いしておくのは 決まっている写真 ばかりで 10枚 にしないでくださいということです。
上でも書いたように 決まっている写真ばかりでは流れが作りづらい のがその理由です。
組みを作るときは少しづつ絞り込む
ちなみに組みを作るときは少しづつ写真を絞っていきます。今回は 600枚 を ざっくり100枚ちょっと にして、それを コンタクトシートにプリント して、そこから3枚組を選び ました。
選んだ写真をプリントで並べてからは 少し時間をおいて3枚のバランスを確認 します。
時間が経つと3枚のバランスが悪く感じることがあるので、そのときは写真を入れ替えます。 今回使った写真は撮影の流れがわかるように撮影順で並べています。
実は 3枚組も2つ できます。
その作った 3枚組 は 講評会でお披露目 します。
最後に
組みづくりの基本は アナログと手間 をかけること です。
プリントを使うのは組み合わせの バランスはプリントで並べるのが一番わかりやすい からです。
手間をかけると、自分で撮った写真を見ながら自分自身を再発見 することができます。最初に自由に撮影するのも 自分らしさ をだしやすくするためです。
組写真は 上手さ より らしさ です。
ちなみに今回書いているようなことを一度にやろうとするとはじめのうちはパニックになると思います。組写真はスポーツと同じ で 理屈ではなく体が自然と動く ようになる 繰り返しが必要 な撮り方です。
また、次回
お供のカメラとレンズ
カメラ:キヤノン EOS 5D Mark Ⅲ レンズ:SIGMA Art50mm F1.4 DG HSM