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Keita's talk その399 佐々木啓太的・組写真の基本
注)これは、街角写真家・佐々木啓太が続けている組写真の発想を解説したものです。全ての組写真に当てはまるものではありません。
*啓太的組写真の基本
最近は月例コンテストでも組写真が独立していることがある。組写真の決まりなど基本的にはないのかもしれない。
単写真という1枚の写真と違って複数の写真があればそれは組写真と言える。
しかし、それは、悪く言えば並べているだけ。そんなことを感じることがある。
佐々木啓太が組みをやるときの基本は3枚組。さらにそこに物語を感じるような流れを求める。
これは、物語を書くときの基本として習った 起・承・転・結 に準じている。
それなら4枚組?そうそう、起承転結から 承 か 転 を除いた。
起・承・結 もしくは 起・転・結 がその基準になる。
これを はじめ・つなぎ・おわり と表現する。
*啓太的・組写真の並べ方
並べ方の基本
物語には はじめ があって おわり がある。それをつなぐのが3枚組という発想。
そして、この考え方の3枚組は超難問。
それは4枚組のような遊びが一切ないから。3枚組は全ての写真に明確な役割がある。
で、その役割を狙って撮ってきた写真を3枚並べると最も残念な結果になる。
物語を感じる3枚組はなんとなく気になったものを撮って作った2枚に、それをまとめるための1枚を狙って撮って来ないと絶対にまとまらない。
まとまらないと書くといつも最後の1枚が おわり と勘違いされそうだが、それは他の2枚の組み合わせで決まる。
いわゆるテクニック的に覚えておいて役に立つのは写真の向きぐらい。はじめとおわりが内側に向いているのがその基本になる。
写真の向きと変化の説明
*被写体の見方が変わる
物語を感じる3枚組を始めると被写体探しのときの見方が変わる。
1枚写真を狙うときは、その1枚がいかに分かりやすくタイミングも良いか。そんな、かなり限られた条件を狙うことになる。この3枚組では少なくとも2枚は自由で、その2枚が決まってから初めて最後の1枚に必要な条件が決まる。
そこで被写体をそれまでとは違う視点から見る必要性がでてくる。
物語を感じる3枚組は簡単にいうと答えのない問いなので、禅問答のようになる。
これを作るときは絶対に単焦点レンズ1本でやったほうがいい。それは安易にズーミングに逃げた変化では物語は繋がらないから。もしくは物語が飛びすぎてしまう危険がある。
こんな発想をくれたのは、ユージン・スミスだった。氏のいう、フォトストーリーの考え方に大きな影響を受けてこのスタイルを始めた。
このスタイルはテクニックとして1つのパターンにあてはめるのが難しいのでわかりづらい。それでも自分なりの答えを見つけながら続けていると写真の楽しさは広がる。
それは、このスタイルが被写体の見方を変えてくれるから。そして、被写体の見方を変えることが物語を感じる組を作るキモになる。
*参考までに啓太的3枚組の例(A4用紙に並べたイメージ)
また、次回
カメラ:PENTAX K-1 Mark Ⅱ レンズ:smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited