
Keita's talk その416 続・佐々木啓太的・組写真の話
これはあくまでも佐々木啓太的な発想で、全ての組写真に当てはまるものではありません。
ちょっとしたきっかけで昔の写真を見返していた。
それは結局まとめきれずに終わったシリーズでもあった。
1枚1枚見ているとそれほど悪くない。勢いもあって良いと感じた
せっかくなので使うか?と、組むことにした。
作るのは、3枚組。
真ん中の写真が浮いている感じ。啓太の3枚組は左から右に見る
なんとなくバラバラ。タイトルをつけると必要な写真を決めやすくなる
いい感じで2枚までは並ぶが、どうしてもあと1枚がでてこない。何度も見返しながら、それを撮っていないことにいまさら気がついた。
上の2つの組みがしっくりこないのは最後の1枚が決まっていないから。
最後の1枚は、右の写真とは限らない真ん中のときもあれば、左の時もある。
その当時も3枚組はやっていた。というより佐々木啓太の写真の基本は組だと思って続けている。それでも後1枚を撮っていなかった。これがまとまらずに終わった一因なのだと改めて気づいた。
そのときはあと1枚を撮っていると思っていた。
今、見ると物足りない。
お気に入りの写真をどんなに集めて並べても3枚組にはならない。できたとしてもそれは並べているだけ。だから2枚まで。それをまとめて物語を感じる組にするためには最後の1枚が必要になる。
そして、その1枚は並べた2枚に合わせて狙わないといけない。狙っていなくても変化がなければ物語にはならない。
それが佐々木啓太が考える3枚組。やはり、昔は甘かった。
今の写真で組を作れば、それなりに出来る。すこしは進歩していると思えた。
最近とある川の周りで撮影した3枚組
試しに最後の1枚(右)を変えた
最後の1枚を変えるとシックリこないのは撮影時間の問題。上は日が落ちてから撮影している。下はまだ日があるうちだったので、最後の締めの雰囲気が弱くなっている。それがシックリこない原因になっている。
表現の進歩は振り返って初めて気がつくものかもしれない。
1枚の強さを求めるのであれば、若さのような勢いも大切になる。まとめるためには自分自身と向き合いながら様々な可能性を引き出す必要がある。
それが、変化。
その変化は意識して作るもの。そして、初めから意識していると広がりにかける組になる。そのときの出会いを大切にするためには気になるものをどんどん撮る情熱も必要になる。そんな矛盾も組を難しく感じさせるのだと思う。
情熱と冷静の間。それが組写真なのかも。
そして、そんな組写真のことを伝えるのはちょっと骨が折れる。なぜならそれがテクニックに置き換えづらいから。テクニックという形にはめてしまうと3枚組から広がる物語が弱くなる。
大切なのは挑戦し続けること。こんなオレも今だに挑戦者だと思っている。
また、次回。
Keita's talk その399 佐々木啓太的・組写真の基本