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Keita's talk その284 街角散歩 in 砧公園


 砧公園といえば世田谷美術館が有名ですが、戦時中は防空緑地、戦後は都営のゴルフ場として解放されていたそうです。防空緑地の考え方は現在の都市計画にも反映されているとか......。よく大阪に比べて東京は緑が多いという話を聞きますが、こんな防空緑地の発想も影響しているのでしょうかね。

 都営のゴルフ場というのは改めて驚きですが、公園内の起伏や植木の並びにその名残を感じることができます。撮影したのは今年の記録的な酷暑の雰囲気が残る暑い日差しを感じる一日。

 緑の多さは都内随一の公園のような気がします。それなら目黒の林試の森公園と言われそうですが、こちらの方がスケールが大きいような気がするのは気のせいでしょうか。

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樹齢が古く、太い木が目立つのもこの公園の特徴

 お土地柄、おしゃれなお子さんが多いような気がします。このご時世、公園に限らず見ず知らずのお子さんにレンズを向ける行為はかなり危険なので、できるだけ遠目で風景の一部になるように心がけています。

 それならば、親御さんにちゃんと許可をもらって、というのも、今の時代はないように思います。半世紀前であれば、公園で親御さんにお子さんの写真を撮らせてくださいといえば喜ばれることもありましたが、いつの頃からかカメラを持っているだけでも不信人物扱いになるような雰囲気を感じるようになりました。

 と、ネガティブな話をしても始まらないので、のんびり楽しく雰囲気を撮るようにしています。自分の子供ができたら子供写真復活なんて考えていた時もあったのですが、現実は一緒に遊ぶの大変で写真どころではなくなっています(笑)

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美術館に繋がる道がいい感じになっていた

 実はこの日の最大の目的は世田谷美術館で写真を観ること。お知り合いがフィルムモノクロのグループ展に参加されているといので、それを観るついでのような感じ(笑)。その入り口前は丁度光が弱められていて、しっとりした雰囲気になっていたので思わずレンズを向けた一枚。

 いい感じに撮れたと歩いていると、写真の右隅に人がいたことを発見。ちょっと植え込みに同化している感じでファインダーをのぞいているときは気づかなかったので、そのままスルー。後でちょっと残念な思いをすることになりました。


 と、言っても。ファインダーをのぞいた時に気づいていても自転車の人のタイミングや構図全体のバランスを考えれば撮っていたと思います。写真で大切なのは「諦めること」全てが揃うタイミングを狙うのも大事ですが、狙いすぎると一番必要なタイミングを逃すことがあるからです。諦めるというとイメージが悪いですが、タイミングを逃さないためには必要なことだと思っています。

 そんなことを繰り返していると全て揃うタイミングに出会うこともあります。そんな自分の叡智を超えた瞬間を「鬼の撮らす瞬間」と呼んでいます。鬼の撮らす瞬間の話は以前にも書いたかもしれないですが、元々は土門拳という超有名な写真家さんの言葉です。氏はポートレートを撮る時にこの言葉を使っていました。

 今回はちょっと余計なくだりが多くなってしまっていますが、たまにはそんな回があっても良い気がするので、てんこ盛りで続けます(笑)。

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レンズを向けたくなる基本が光なのはモノクロ屋の宿命(笑)

 写真展を拝見した後にすぐにカメラを構えたくなるのは良い刺激をいただいた証拠。これはかなり直球。写真の評価の仕方には色々あるでしょうし、言葉で表現することも大切だとは思いますが、お写真を拝見した後に自分も撮りたくなる。そんな評価基準を大事にしています。

 こんなことを書くと感想は?そんなことが気になる方も多いでしょうが、それはお酒でも飲みながらのんびり語り合うのが良いかと思います(笑)

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カラス.....そんなことを念じながら

 まぁ、鳥などが飛んでくれるとアイキャッチにも丁度良いのですが、この日はお預けだったみたいです。そんなときは雲と光だけでも良しとするのが、ストレスなく撮り続けられるポイント。って、ただの言い訳かな(笑)

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のどかな休日の雰囲気を狙って

 園内は程よいアップダウンもあってのんびりできるのが何より。そんな中で写真を撮っているというのはちょっと無粋ですが、堂々と構えて撮る。それだけは気をつけています。実は写真を撮っているときはこそこそした方が目立ちます。

 ちなみに撮って出しとよく言われる無調整の写真は基本的には自分の裸を晒しているようなものなので、とても恥ずかしい気分になります。と言ってもあまりガッツリいじるのはデジタルお絵かきになるので考えもの。上の写真も何もしていないように見えて実は調整済み、調整跡を残すのは、何もしない状態を晒す以上にモノクロ屋として恥ずかしいく感じます。

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とっても恥ずかしい裸の状態

 明るさあげただけでしょ。そんな感じに思われそうですが、フィルム時代の暗室プリントの覆い焼きや焼き込みに相当する作業をしています。アンダー気味に撮っているのはフィルム時代からの癖で、暗部の締まりを意識しているためです。

 現像方法にもよりますが、フィルム時代、暗部の締まりは撮影時の露出の影響が大きかったので、その癖はデジタルになっても残っています。フィルム時代から続けているのは黒の中の黒を再現すること。潰さずに締めて深みを出すというイメージ。
 
 デジタルはアンダーにしておけば後から救える。ちょっと前まではそんな話もあったので、それと混同されるのを避けるためにあまりこの話はしないようにしていたのですが、デジタルは後からなんとかなるという話も少なくなってきたのでそろそろ良いかも。

 調整の基本的な考え方はトーンのバランスを整えること。バランスを整えていくと立体感もでるようになります。この調整方法は講座で何度かお話ししたことがあるのですが、理解しづらいようです。基本はフィルムの暗室作業なので、テクニックより感覚的な話が多くなるのがその要因だと思っています。習うより慣れろというのがフィルム暗室の基本ですからね(笑)

 調整の約束は10分以内。本当は5分以内というのを基準にしています。それ以上手を入れなければいけない場合は大体撮影時にやるべきことができていないのだと考えています。撮影時にやるべきことは仕上げのイメージを持つことで、これに合わせた光を選んで露出を決めることです。

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ぽっかり浮かぶ雲が気になった

 キプションのままこの雲がどうしても気になったので、ちょっと移動しながらポジションを探した1枚。探した割には......。そんな感想をもたれる方もいるでしょうが、探したと言ってもほんの数秒です。それ以上場所を探しているとこの雲はいなくなってしまいます。

 
 昔、昔、読んだ「イリュージョン」という小説では神様になる訓練として雲を消す練習というのがありました。曇って実はすっと消えてしまうこともあるんです(笑)

 その小説では奇跡を起こすのは心の持ちようだというようなことが書かれています。自分が信じればたとえレンガの壁であっても通り抜けることができるのだとか.......その結果はそれはご自身で確認してください(笑)

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木漏れ日はいまだに露出に悩む天敵(笑)

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この〜木♪にはちょっと小さい(笑)

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やっぱり子供たちが遊んでいる姿は素敵

 この日は日差しが程よかったのか久しぶりにリラックスできたような感じで終了。と言ってもここで使った写真の撮影時間は小一時間。そんな時間がわかるのもデジタルの特権ですね(笑)


 では、また、次回


お供のカメラとレンズ:PENTAX K-1 Mark Ⅱ + HD PENTAX-D FA☆50mmF1.4 SDM AW
オリジナル Keita's talk その284 街角散歩 in 砧公園 2018年9月23日

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