自分の勤める病院を見上げたことがあるか?
こんにちは evidence(客観的根拠)よりexperience(経験)
Dr.Kです
私はevidenceよりexperienceを重視しています
患者さんへの対応は通り一辺倒な処方や診察ではなく
常にオーダーメイドが基本だと考えています
なので、というとおかしいですが、
診察もせずに話だけで満足して帰っていく方も多いです
👆なんかこうやって書くと胡散臭い医者みたいですが(^^ )
「あ、今日、胸の音も聞いてないですね」
『なんか先生と話してたらスッキリしたからもういいよ』
『いつものくすりちょうだいね』と
その感じ。結構好きです。
なぜか笑顔になるし。
患者さん本人の日常の話とか聞けたりもするので
診療には案外役に立っている と思う。。
私の特技のひとつに
初診患者さんの顔を見ると
なんとなく、今日なにしにきたかわかるんですよ
(再診患者さんは遠目でもわかります)
当然、問診票には
『自宅で血圧を測ったら高かったので受診しました』
とか書いてるんですけど
待合室から診察室まで歩いてくる姿や
診察室に入って、椅子に座るまでの仕草を見てると
分かるんですよね
あ、この人、
血圧高い!って病院来たけど、血圧の薬飲むつもりなさそう
とか
ん?前に薬のんでたけどやめたのか?
とか
とりあえず周りに言われたから来ました
とか
ま、この辺はだれでも分かるかもしれないし
数秒早く知ったところで、
診察室入ってから聞けば
結果にはなんも変わらんし
あんまり意味のない技法ですが、、、
実は重要なんですよね。
患者さんって
初診だと、聞いても答えてくれなかったりとか
思ってること全部言ってくれないので
実際、
高血圧の薬を処方されたけど、飲んでいなくて
処方されたクリニックにまた行くのは忍びないから
違うクリニックに行き、
そこで、飲んでないことに怒られ、
またそこに行けず。。。
って人結構いますからね。
これ
高血圧の薬を飲んだら一生飲まないといけない
という医療業界の中で一番有名な迷信に振り回されている典型的な人
けっこういます
こういう人、顔見ればわかるので(^^ )
『もしかして!一生のまないといけないとか思ってる??』
って言うと、大体当たります
ちゃんと説明すればわかってもらえます
これで、1人の迷える子羊を救えた瞬間
ちょっと推察して、
診察方法ちょいとかえて
ちゃんと説明すれば
みんなわかってくれます
でも、全員にこれしちゃうと
時間がいくらあっても足りないのよね。
だから推察力が必要なのよね。
推察するためにはいろんな人を見ないといけないのよ
その人の気持ちにならないとダメなのよ
でも、相手の気持ちなんて絶対わからないから
僕はあなたじゃないんで、あなたの気持ちは全くわかりません
ん?
さっきと矛盾している話ですが、
わからないけど、わかるんです。
僕はわかるんです
わからないけど、わからないとダメなんです
ずいぶん前の話。
まだ、研修医終わって数年くらい
大阪の大きい病院に勤めてた時
がん患者さんの主治医とかもつようになって
天狗になってた時
いつものように仕事終わって後輩とたらふく飲んだあと
ふらふら歩いていたら
道間違えて、なぜか勤めてる病院の入り口に立ってたんですよ
後輩と二人で
そして二人でなんとなく病院見上げたら
めちゃめちゃでかくて
一番上まで見ようと思っても
酔ってるから、フラフラして見れないし
それでも見ようとして
二人で支えながら見たんですよ
『でかいよね~』とかニヤニヤしながら
でも
なんか突然
アカン。
こりゃ、やばいぞ
って思って
患者は毎日これ見て入り口から入るんよね
こんなとこで俺ら働いてるんよね
めちゃめちゃでかいやないか
俺ら、裏の従業員専用入り口からはいってたから気づかんかったけど
患者はこの入り口から毎日はいってくるんやで
地元のかかりつけ医に書いてもらった小さな紹介状を持って
電車に乗って、夫婦で地図見ながら病院探して
ようやく、この入り口見つけて
そして、見上げて
この病院ならなんとかしてくれる
そんな気持ちで
外来の待合でじっと待って
名前が呼ばれて
外来に入ったら
なんかえらそうな先生がいて
『ふむふむ、これは手術が必要だね』
とか言われて
『じゃ、いまから担当医を呼ぶから』
で
じゃじゃ~んって
俺登場!なわけですよ。
俺はというと
朝から、受け持ちの回診したり、カルテ書いたりして、
OPEなかったら医局でぼけ~っとしてて
そこに、突然、PHSが鳴るわけ
『Dr.Kか いまから入院はいるから主治医よろしく』
ひょえー
俺すか?
結構受け持ち多いすよ
ま、いま医局で休んでましたけど。。。
とか思いながら、階段おりて外来に行って
じゃじゃ~ん
なわけですよ
そんなやつに患者の気持ちなんかわかるわけないんですよね
相手の気持ちになる前に、
相手がどんな気持ちで病院に来てるかを知らないと
なんもできないな
と、思ったんですよ
フラフラになって病院見上げながら
なので、この話
僕が指導した研修医200人以上に話しています
相手の気持ちになれないときは、
一回外出て、見上げてこいって。
ちょこっとだけ、近づけるかもって。
本日の『病院では教えてくれないこと』は
もうシーズン終わっちゃいましたが
インフルエンザワクチン注射の痛くない打ち方(打たれ方)
いろいろ試しましたが
一番痛くないのは
3分くらいかけて打つ
とういう浮世離れした方法
実際にしたことありますけど
効果はあるみたいですね
でも
たかが0.5ccの液を3分かけて打つので
打つ側はたまったもんじゃないし
打たれる側もなんか気まずそうです
現実的ではないですね
一番現実的なのは
打つ場所:二の腕の外側の真ん中よりやや裏側の柔らかいところ
ここを保冷剤でキンキンに冷やしといて
痛いくらい冷えたところに
一瞬で打つ!
マジ痛くないっす
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