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マレーシアに住むためのビザ【雇用パス】

日本を出て外国に移住を考える場合には、移住先の国のビザが必要です。
マレーシアに移住をする目的や、滞在する期間に応じて、取得するべきビザがいくつかあります。いくつかあるビザのうち、マレーシアで働くことを前提にしたビザをご紹介します。


【Employment Pass】雇用パス

Employment pass(EPと略されることがあります)はマレーシアの会社への就職や、外国企業のマレーシア支店の駐在員などとして就労する目的とする人に発行されるビザで、3つのカテゴリーがあります。カテゴリーは給与額や雇用期間に応じて区分されます。

  • Category I(カテゴリー1)

    • 最低月額給与:10,000リンギット以上

    • 雇用期間:最長5年まで

    • 家族帯同:可能

    • メイド雇用:可能

    • 更新:可能

  • Category II(カテゴリー2)

    • 最低月額給与:5,000〜9,999リンギット

    • 雇用期間:最長2年まで

    • 家族帯同:可能

    • メイド雇用:可能

    • 更新:可能

  • Category III(カテゴリー3)

    • 最低月額給与:3,000〜4,999リンギット

    • 雇用期間:1年以下

    • 家族帯同:不可

    • メイド雇用:不可

    • 更新:最大2回まで可能

カテゴリーIIIの雇用パスを申請しようとする会社は、最低月給5,000リンギットの要件免除を内務省へ申請し認可を受ける必要があります。日本人でこのカテゴリーのビザを持っている人にお会いしたことはありません。
現実的には、大体の人がカテゴリー1のビザを取得するようになるかと思います。

取得条件

  1. 学歴・職務経験:学歴や経歴によって条件が異なりますが、一定以上の条件を求められます。

    • 学士号(大卒/Bachelor's degree)以上:その関連する分野での3年以上の実務経験が求められます

    • 短期大学卒業資格(Diploma):その関連する分野での5年以上の実務経験が求められます

    • 技術系証書取得者:その関連する分野での7年以上の実務経験が求められます

  2. 雇用主の要件:就労しようとする会社の規模や形態により要件があります。

    • 最低払込資本金

      • 100%マレーシア資本:250,000リンギット以上

      • 外資30%以上の合弁企業:350,000リンギット以上

      • 100%外資企業:500,000リンギット以上

      • 外資51%以上の流通・レストランなどのサービス業:1,000,000リンギット以上

  3. 年齢制限:年齢の下限や上限は特に設定されていないようですが、就労する職に適した資格や経験が求められます。

  4. その他

    • 申請者のパスポートの残存有効期間が最低でも1年間以上必要です。

    • 雇用パスの更新時には、マレーシアでの就労の給与明細や個人所得税の納付証明が求められ、条件をクリアしている必要があります。

取得方法

  1. 会社側の登録

    • まず、受け入れする側の雇用主は、入国管理局の外国人サービス部門(Expatriate Service Division:ESD)にオンラインで会社の登録を行います。ESDアカウントを作成し、申請の準備を行います。

    • また、雇用しようとする人数に応じて雇用パス申請予定枠数の申請も行います。

  2. 雇用パス申請

    • 会社登録を完了しESDアカウントを作成後、ESDポータルを通じてオンラインで雇用パスの申請を行います。

    • ビザを取得しようとする人の情報として履歴書、学歴証明書や職務経験証明書など、必要な書類を登録して申請します。

  3. 雇用パスの承認と入国

    • 雇用パスの申請が承認されると、ビザ発給認可書(Visa Approval Letter:VAL)が発行されます。

    • 申請者はVALを持参してマレーシアに入国します。

  4. ビザ発給手続き(エンドースメント)

    • 入国後にESDサテライトセンター(ESC)や入国管理局で雇用パスの発給手続きを行います。

    • 手続き完了後、正式に雇用パスが発給され、ビザのステッカーがパスポートに貼付されます。

一般的に、一連の手続きは、就労しようとする会社の総務担当が手続してくれたり、会社によっては、ビザ取得専門のエージェントに依頼するなどして、受け入れ企業側が行なってくれると思います。

この記事では、執筆当時の一般的な情報をまとめています。
ビザ取得要件や取得方法は当然変わることがありますので、最新の情報については、就労しようとする会社などに確認して取得するようにしてください。

ビザはすぐに取れるものでもなく、月単位で時間がかかります。
来月からマレーシアで働こう!と思ってもそれなりに時間がかかりますので、転職や就職は少し余裕を持って検討するのがよろしいと思います。

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