ドイツサッカー、Regionalliga最大の集客数を誇る、Rot-Weiß Essen。
ドイツサッカーは、トップリーグ「Bundesliga」から順に、2.Bundesliga、3.Ligaまでが全国リーグとなり、4部にあたるRegionalligaからは地域リーグとなり、West(西)、Nord(北)、Nord Ost(北東)、Südwest(南西)、Bayern(バイエルン)と5リーグ制となる。
19/20シーズンの3.Liga昇格枠は4つで、Bayern、Nord、Südwestの優勝チームが直接昇格、残るひとつはWest、Nord Ostの優勝チームによるプレーオフ(Home & Away)を行い、その勝利チームが昇格する。
そのRegionalligaにおいて注目しているクラブ、Rot-Weiß Essenを取り上げる。
1907年に前身のSV Vogelheimが創設され、1923年に現在のクラブ名になったRot-Weiß Essenは、1952~53シーズンにDFBポカールを、1955年には各地域の優勝チームと2位チームの9チームによる「German football championship」を制したことがあり、1963年に発足された全国リーグ、Bundesligaには66~67シーズンに初昇格するも、トップリーグ定着とはいかず、70年代後期から2007年まで、2.Bundesligaや地域リーグに主に在籍し、その後は地域リーグに定着してしまっている。
また、財政問題から三度(1984年、91年、94年)、2.Bundesligaから追放されたこともある。
地域リーグに定着して以降、リーグ順位は中位に甘んじているEssenだが、平均観客数は5000人以上は常に維持しており、今季前期はここまで18試合12勝2分4敗の4位につけ、ホームゲーム8試合(1試合が順延)の平均は10660人と好調だ。
懸念材料はやはり、トップチームの結果だ。昨季開幕6戦を5勝1敗として上位につけていたが、その直後に2分5敗を扮してしまい、それまで8000人以上は訪れていたのが一気に5000人台にまで落ち込んでしまった。
・2012年に2万人収容の新スタジアムが完成
2011年4月に着工し、2012年8月に完成したStadion Essenの総工費は6400万ユーロ。Essen市が所有者とはいえ、地域リーグを戦うサッカークラブが2万人収容の球技専用スタジアムで試合をするのは、専スタを所有していないJクラブから見れば、贅沢と言えるだろう。RW Essenとしての課題は今季このまま優勝争いを維持し、一万人の平均観客動員を確保できるか。一方スタジアムは、3万5000人収容の拡張工事も予定されており、3.Ligaへの適応も問題ないとのこと。
https://www.stadion-essen.de/stadion/architektur/
音楽イベントはもちろん、女子サッカーチームのSGS Essen、年代別サッカー代表の試合もこのスタジアムで開催されており、使用用途は充分確保できているようだ。
簡単に調べられる数字だけを列挙してRW Essenの実情をまとめてみた。
スタジアムやユース年代が使用するアカデミー施設をはじめ、ハード面は整っているが、まずはいま戦うRegionalliga Westを優勝し、Nord Ostの優勝チームとのプレーオフを制してやっと昇格を果たせる。
Jリーグへ昇格を果たしたFC今治をはじめ、Jリーグを目指すJFLクラブを応援する方々へ、境遇が同じこのRW Essenを注視して見てはいかがだろうか。
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