![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156432633/rectangle_large_type_2_6287984e0ab55478725ba836c52045fb.png?width=1200)
国際医療福祉大学薬学部建設への補助について
先日、オンライン市政報告会で触れられなかった9月議会の振り返りのうち、議案第28号 令和6年度成田市一般会計補正予算(第4号)についてご説明します。
この議案の主な争点は成田市が誘致した国際医療福祉大学薬学部の校舎建設にかかる建設費への補助についてでした。今年度については2億円の補助が計上されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727826987-FWN5Y2APSlLwXZBtMc8Oi1sI.png?width=1200)
そして来年度から2年間で19億円の債務負担行為(予算は単一年度で完結するのが原則ですが、1つの事業や事務が単年度で終了せずに後の年度においても「負担=支出」をしなければならない場合には、あらかじめ後の年度の債務を約束することを予算で決めておきます。これを債務負担行為といいます(群馬県のHPより)の設定がありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727827100-GxshJLNizt6y1XCr7pS0kEZB.png?width=1200)
会派としては春先からこの議案が提案されることを察知し、数度にわたる勉強会を開催するなど国家戦略特区の枠組みの中でどうこの議案を位置付けるかを中心に調査研究をしてきました。総務常任委員会に議案が付託されることは想定されていましたので私も過去の議事録を見るなどどう対応するか考えておりました。
ここで9月12日に開催された総務常任委員会の主な議論(国家戦略特区関連)を掲載しておきます。委員会ではこの補助によって成田市の今後の財政への影響も質問しましたがここでは割愛します。
薬学部誘致の将来性について、医療関連産業の誘致に向けた具体的な方策はあるのか。また、市としての今後の進め方を伺いたい。
医療関連産業の誘致については、国際医療福祉大学医学部、成田薬学部及び附属病院を柱として、大学と連携して進めていくものとなりますが、民間活力を引き出す施策が必要と考えております。具体的には、本年度から国道295号沿道における新たな開発許可基準の追加を行ったほか、地域未来投資促進法に基づく本市の基本計画に医療関連分野を新たに位置付けるなど、新たな医療関連企業の進出を見据えた環境整備を図っております。また、企業進出の受け皿としての基盤整備としましては、東和田南部土地区画整理事業において、新たな産業用地の確保に向けた取組を進めているところです。さらには、成田薬学部の開設をきっかけに、県内の医薬品関連企業である岩渕薬品株式会社との新たなつながりが生まれ、先月には、「医療・福祉の充実したまちづくり」に向けて、健康、福祉、防災などの分野における包括連携協定を締結したところであります。今後も、関係部署間の連携を図りながら、医療関連産業の誘致に向けた施策の充実及び基盤整備を進めてまいりたいと考えております。
成田市は国家戦略特区事業の位置付けを国際医療福祉大学を核にした医療産業の集積を考えています。特に薬学部は薬剤師を育てることを主眼にしていますが、大学と共同で進める医薬研究の拠点、創薬や物流拠点として活用する医薬品メーカーの集積をすることで将来的な税収増を目指しています。この狙いは間違ってないと考えています。
補助上限額が最終的に21億円となった経緯は。
畑ケ田校舎の設置に係る支援については、大学からは、事業費の1/2に当たる27億円を超える補助の要望を受けているものであります。本市としましては、これまでの学部の開設に伴う支援の考え方に基づき、上限額を設けることとし、その額については、成田看護学部・保健医療学部の補助実績に準じて、事業費の約43%を目安に検討してまいりましたが、6月定例会などでの議員の皆様からのご意見を踏まえ、更に精査を進め、これまでの医学部や成田看護学部・保健医療学部の補助実績とのバランスを考慮し、事業費の約38%にあたる21億円を補助の上限額として設定したものであります。
答弁にもあるように6月定例会では報告事項としてこの件が取り上げられました。さまざまな議論がありましたが、大学側からの「建設費の半額」はさすがに過大ですし、そもそも支出の根拠に乏しいと考えていました。結果、執行部は過去の補助率を参考にしたこと、議会側からのさらなる減額の要請に答えこの金額を計上することになりました。大学側としては一部当てが外れた部分があったかもしれませんが貴重な市税を投入するわけなのでこの流れは当然かと思います。
会派の勉強会などでたびたび話題になったのは「国際医療福祉大学への補助はこれで最後なのだろうか?」ということでした。限られた財源の中で多額支出をすることが将来にわたって続くことは市民の理解が得られません。秋山議員からは執行部に対してその確認がありました。
これまでの大学誘致事業としての補助金の考え方について確認したい。成田薬学部への支援で終了となるのか伺いたい。(秋山議員)
大学からは、成田薬学部の新設によって、国際医療学園都市構想で想定していた教育課程の設置は完成すると伺っており、本市としましても、これまで大学誘致事業の一環として行ってきた、成田キャンパスでの新たな学部及び校舎の設置への支援については、今回の畑ケ田校舎の設置が1つの区切りであって、今後はないものと考えております。
上記の答弁から懸念していた国際医療福祉大学への補助はこれがラストいう言質が得られました。
総務常任委員会ではかなりの時間を費やしこの議論をしました(それぞれの議論は各議員さんからの情報発信や後日公開される議事録でご確認ください)。採決の結果は賛成4(中島けいすけ、秋山委員、上田委員、細貝委員)反対3(荒川委員、星野委員、海保委員)の1票差で可決されました。
個人的には成田市は多額の補助金を投入しましたが、43年ぶりとなる医学部の開設や成田病院の開業により地域医療の質が明らかに向上したことからこの医療法人グループを誘致したことは(現時点では)成功だったと考えています。このレベルの医療法人を一から誘致することを考えると国家戦略特区という枠組みでしか実現し得ない壮大な事業だからです(たまたまタイミングも良かったということもありますが・・・)。あとは成田市がこの財産をどう活用して新たなまちづくりをしていくかが問われてくると思っています。むしろこらからの方が大事なんです。
なお9月26日の本会議では本議案に対して賛成は20、反対は荒川議員、鵜沢議員、会津議員、星野議員ほかリベラル成田の3名、棄権は小高議員(議長除く、欠席1)でした。
かなり雑駁な感じですが本議案については大体こんな感じです、あとは個別に問い合わせていだければお答えしますので気になる方はご連絡ください。