提案力を上げたい人必見。今すぐできる提案力アップの方法とは
提案。それは世の中にとって価値となるものを生み出す作業だと思っています。我々コンサルティング寄りの仕事をしている立場としては、この提案こそが生命線であると思っています。
しかしながら、この提案するというスキルは、ビジネスキャリアに応じて身につくという単純なものではないことが厄介な代物たる所以なのです。
というのも、提案力を上げるためには、様々なスキルセットが必要だと個人的には思っているからです。そして、スキルだけでは提案力は上がらない。だから、キャリアを重ねても出来ない人は出来ません。
結論を先に述べますが、
提案力とは:想いとスキルの両輪であるべき
提案力とは:与件8割、後2割の法則
と、表すことが出来ます。この提案力について見ていきましょう。
今回の記事は以下の人をターゲットにして書いてきます。
・社会人1年生
・提案書がうまくかけない人
・提案がなにかイマイチ分かっていない人
この記事を読み終わった後の状態目標
・提案を難しく考えすぎていたことに気づけている状態
・提案をしたくてムズムズしてくる状態
・もっと勉強しないとまずいと思える状態
それでは、提案力を高めるためにどのようなスキルやマインドセットが必要なのかについて解説していきます。
提案とは想いをのせるコト
提案をするときに皆さんはどのようなことを考えていますか?
お客様に認められること?期待を裏切らないこと?はたまた、上司にお墨付きをもらえること?提案の仕事はしんどいから、早く終わらせたいと思ってる?
私はこんなことを考えています。
・どうやったらお客様の仕事がスムーズにうまくいくようになるかな?
・お客様が気づけていない課題はないかな?
・一言でこの提案を印象づけるとしたら、どんな言葉に収斂されるかな?
などなど・・・
想いがない提案なんていらないと私は思っています。お客様のことを徹底的に考え、我々しかパートナーはいないと思ってもらえる提案をするためには、徹底的に想いを作っていく必要があると思います。
これは、いわばスタンスとも言っていいでしょう。
このスタンスがない人が意外と多い気がします。このスタンスは1年目だろうが10年目だろうが関係なく、今から作ることが出来ますよね?
小手先のテクニックで提案をしようと思っている以上は絶対にうまくいきません。
もし、そう思っている方がいれば、今すぐにスタンス重視型に切り替えてください。
提案は気持ちがのっていなないとだめです。
理由は簡単。人を動かすことが必要だからです。人を動かすには小手先テクニックの提案だけでは動きません。人の想いがあってこそです。
与件がない提案はありえない
スタンスが大切ということが理解できた上で、ここからはスキルについてお話をします。
提案を行う上では、与件というものが必ずあります。
与件とは、お客様から頂いた課題やお客様のおかれている状況や背景をまとめ、なぜこの提案が必要なのかを書いたものです。
この与件の置き方で、提案の8割は決まっていると私は思っています。
その理由について書いていきます。
与件には2つの視点があります。
1. お客様視点
2. 提案する側の視点
ダメな提案書には2番目の視点が有りません。
お客様の視点でしか与件がまとめられていないのです。
以下の例を見てみましょう。
『与件』
・貴社は首都圏を中心に外食チェーンを3ブランド展開しており、店舗数は120店舗存在(2020年末時点)
・3ブランドあるチェーン店ブランドは、和食、中華、イタリアンで、いずれもファミリー層を狙っている。
・貴社外食店舗は近年の急激なデリバリー市場の伸長に影響され、売上が減少している。
・デリバリー市場に対抗して新しい店舗づくりやメニューを考案する必要があるとお考えである。
・店舗づくりやメニュー案について弊社に相談を頂いており、ご提案に至る。
と、まぁ架空の設定を作ってみました。
これで皆さんはどんな提案が出来ますか?
私はこの与件を見て、ちょっと待て!ツッコミどころ満載やん!と思います。
皆さんもツッコミポイントを考えてみてください。
この与件は全てお客様目線で語られたことをまとめただけに過ぎません。
本当にそうなの?と言いたくなる部分は有りませんか?
そもそもが間違ってない?と思う部分は有りませんか?
誰もが自分のことを一番わかりたいと思っているのでしょうが、自分のことが一番わからないはずです。そして、それは企業でも往々にして起きるのです。
そこに、我々が介在する価値が産まれます。
そう。気づかせてあげるんです。
上記の例でいうと、
・そもそも和・中・洋でなんで全部同じターゲティングにしてるんですか?
→理由が明確に存在し、お客様を食い合っていない(カニバらない)状態なら問題ないですが。調べてますか?
・本当に売上が下がったのは、デリバリー市場の伸長によるものですか?
→同一商圏にある、競合の売上も下がって、市場全体として外食が厳しい状態ですか?あなたのチェーン店に問題があるんじゃないんですか?
・本当に打つべく施策は新メニューの考案や店舗改装ですか?
→ステップがあるはずです。本当にターゲティングを間違っていないのか、ターゲットが求める価値を分かっているのか、時代を読めているのか、それらが分かってからじゃないと、メニュー案なんて考えられないですよね?
これらの気づきを与件としてお伝えできなければ、良い提案なんて出来るはずがないんです。提案の礎ともなるとても大切な部分となります。
理想の状態は?
与件とも関係してきますが、お客様の目指す最終的なゴールはどこにあるのかを明確にしましょう。もちろんお客様の与件だけでは決めることが出来ないので、理想的な状態もこちらからの与件提案の内容次第で変動します。
しかし、そのお客様のミッションや組織が目指している方向性をヒアリングを通じて徹底的に理解しておけば、大きく外すことはなくなります。
そのため、お客様の状態やお考えを日々の業務から理解するように心がけておくことがとても重要となります。
理想状態と与件(現状)のギャップを埋める
ここまでくれば、提案に必要な前提条件が揃ったので、後は我々自社の持つ力を最大限に活かしてお客様の課題を解決するだけです。
ここでいう、課題とは、
・理想状態 ー 与件(現状)= 課題
という式で表すことが出来ます。
課題は与件の設定で変わることが上記の式で分かると思います。
課題に対して提案を行うわけですから、いかに与件が大切か分かっていただけると思います。
そして、この課題を解決していく道のりを示していくことが提案作業の残りのステップとなります。ここまでくれば、正直誰でも提案書は書けます。
残りの2割部分ですね。
課題が複数ある時はスコープを絞る
課題が複数にまたがってしまい、一度のプロジェクトでは解決が見込めないときは、優先度を示し、STEPを見せた提案をします。
このスコープを絞る作業を行うためにも、課題を俯瞰して見ることの出来る全体イメージ図などがあるとわかりやすくなると思います。
このプロジェクトは全体ではこんなイメージで進むんだけど、今回提案をしているのは主にココ!についてというのが伝わる全体図です。
これがあるのと無いのとでは、クライアントの理解度が全く変わります。
作ったことがなかった人は是非作ってみてください。
まとめ:提案はスタンスとスキルの両輪で
提案することは想いをのせることと、スキルの両輪でなければなりません。
与件整理がいくらきれいにまとまっていても、想いが無い提案では人は動きません。それは伝わります。だから、提案をするときには、一言でこんな想いで提案をしていると語れるレベルまでになるべきです。そして、お客様に言われたことをそのまま、まとめるのではなく、自分たちの目線で見たお客様の状態をしっかりと伝えられるようになりましょう。そうすることで与件がブラッシュアップされ、良い課題を導き出すことが出来ます。
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