2020年中国では、どんなアプリが流行ったの?(購入系アプリ)
中国人の携帯にはどんなアプリが入ってるんだろう。中国のマーケティングに携わる人ならば一度は興味を抱いたことがあるはずです。中国ではアプリがあれば生活上の問題はほぼ解決できるほど、アプリの果たす役割は重要です。アプリ=ニーズという捉え方もできると思います。本記事では、2020年に流行った購入系アプリを見ていくことにしましょう。
2020年に流行った購入系アプリ
まずは「購入系」アプリから見ていくことにしましょう。
余談ですが、購入系アプリは「赤色」がとても多いですね。
さて、注意していただきたい点としては、これらはあくまでも今年ダウンロードされたものであり、累計ダウンロード数に基づく順位でないことはご留意ください。例えば、「天猫」はポピュラーな購入系アプリですが、ここには含まれていません。
今年最も勢いがあったのは、拼多多(Pinduoduo)です。
拼多多は2015年10月にリリースされたアプリです。
2018年にはアクティブユーザーが4億人近くまで達し、破竹の勢いで成長しています。現在、京東(Jindong)を抜いて中国第2位の電子商取引(EC)のアプリとなっています。
拼多多の特徴は、ソーシャルECとも呼ばれる分野にあります。
購入を行うだけのECプラットフォームではなく、SNS(WeChatやQQ)と連携し、共同購入者を募ることができます。
拼多多での単品購入は割高な価格設定となっています。しかし、決められた数量を購入すると割安で商品を購入することが可能です。そのため、消費者はそのメリットを享受すべく、SNSを通じて共同購入者を募ることになります。
共同購入者を探す過程で、その商品が欲しい消費者はSNSを通じて発信を行う必要があるので、言い換えればそれらの消費者は広告塔の役割を持つことになります。
日本人には馴染みを感じにくい特徴だと思いますが、あまり裕福でない消費者が多い国や地域では割安で商品を購入できることは重要です。
そのため、このアプリのターゲットは必然的に3級~4級都市に住んでいる人たちとなります。上海、北京、広州、深圳は一級都市なので、かなり経済的に格差がある人達がターゲットとなります。
2位と3位に位置している手机淘宝(shoujitaobao)、淘宝特价版(Taobaotejiaban)についても安い金額で購入できるプラットフォームなので、3級都市以下のダウンロード者が増えているという傾向を表していると推測できます。
9位にナイキのスニーカー購入用のアプリが入っていることも注目ですね。
日本でもスニーカーはブームになっていますが、中国でもスニーカー熱は熱いです。私も中国に来て2年半経つ中で、足元のおしゃれに対する意識は高まっているように感じます。
EC系アプリのまとめ
中国のEC市場は伸長傾向にあります。その理由として、これまであまり注目されてこなかった3級都市以下における、インターネット利用者の増加に伴うEC利用者の増加が挙げられます。「天猫」や「京東」とは異なるターゲットに特化したECアプリが2020年に上位に来たことから、今後さらにEC市場は伸びていくことが予測できますね。