日本人感覚の中国マーケティングは危険だらけ
海外は日本とは違うんだから、そんなの当たり前だよ。と言われてしまいそうですね。しかし、分かっていても「日本人にとっても当たり前」感覚の呪縛はとても強いものがあります。中国でのアンケート調査が難しい所以でもあります。本日は、日本人の認識と異なる部分にフォーカスしてお話をしたいと思います。
スカルプシャンプーが通じない
嘘でしょ。と思われるかもしれません。先日とあるアンケート調査の設計時にこんなことがおきました。
設問は今使っている洗髪剤について問う内容でした。
選択肢は以下の通りです。
1. シャンプー
2. コンディショナー
3. リンス
4.スカルプケア関連用品
ここで問題は起きました。調査票を設計する中国人担当者にスカルプケア関連商品というのが理解されないんです。何度も説明しました。
頭皮をケアすることに特化した商品で、例えばこんな商品が出ていて・・・と。しかし、なかなか理解されないんです。
設計者の言い分はこうでした。
「シャンプーするときにも頭皮を洗うじゃん。スカルプケア商品にシャンプーも含まれてしまわない?」
たしかに・・・。でも、違うやつじゃん。スカルプケア商品は頭皮ケアに特化していて・・・。
こんな会話は中国でマーケティングをしているとよく出くわします。
日本人にとって、スカルプケアというのは馴染みがある言葉のため疑ってもみませんよね。中国ではまだまだスカルプケアに特化した商品が浸透していないので、こんなことが起きてしまいます。この誤解がある状態でアンケートを実施すれば結果をそのまま信頼することはできません。
ヨーグルトを飲む?
他にも、ヨーグルトは飲むモノらしいんです。飲むヨーグルトは飲みます。しかし、中国人は固形ヨーグルトも飲むんです。
もちろん凝固の程度によりますが、中国人はストローを刺して、固形ヨーグルトも飲んでしまいます。※スプーンで食べることももちろんありますが、ストローをさして飲むことは至って普通のことです。
野菜と聞いてイメージするもの
中国では、野菜は炒めて食べることが基本的な食べ方です。
生野菜を食べることは少ないです。基本的には調理がされているのです。
洋食が比較的浸透している都会では、サラダを食べる若者も増えていますが、コンビニの棚を見てもサラダコーナーはごく僅かです。
野菜ジュースを飲んでいる人もほとんど見かけることはないです。朝は牛乳かヨーグルト、それ以外はお茶かコーヒーの人が多い気がします。
容器にもこだわる
中国人は食品と触れる容器にもこだわりを持つ人が多いです。
例えば、プラスチック容器よりガラス容器の方を好みます。
プラスチックからは何らかの悪い物質が滲み出ている印象を持つようです。
ガラス容器からプラスチック容器に変更する際には、単に商品の重たさや廃棄の利便性だけではなく、このような健康面にも注目する必要があるのです。
ちなみにラップについても、成分を気にするのが中国人です。
電子レンジに入れると、変な成分が溶け出すことを恐れています。
まとめ
中国でのマーケティングはここまでお話したように、日本人感覚でやってしまうと認識の壁に必ずぶつかることになるでしょう。中国でマーケティングを行う場合は必ず、中国人にアドバイスを貰える環境でお仕事をされることをおすすめします。日本人だけで中国調査やマーケティングを考えることは間違った方向で進む可能性があるため、危険です。