教職大学院キンジローズvol.3「レポートさらけ出し」
大学院の「スクールリーダーシップの理論と実践」という授業で、短い論文を読んで要約する課題があります。
企業変革の失敗から学ぶことについて書いた論文です。
その中身はもちろん載せられませんが、私が書いたレポートなら問題ないでしょうから、「こんな課題が出るんですよ」って意味で載せておきます。
ちなみに、学校現場に重ねて読んでもめちゃめちゃ参考になるものでしたから、僕のレポートも読む価値ありです。(だから課題になってるんやけど)
↓↓↓では、本文どうぞ↓↓↓
変革を進める組織はたくさんあるが、成功と呼べる事例は少ない。変革の途中で頓挫してしまった多くの事例から、我々は学ばねばならない。ここでは、その理由の多くを占める八つの観点に触れる。
①変革の必要性が全体に浸透しない、または不十分なまま進行することは、最初にして最大の落とし穴と言える。組織の幹部の75%が本気で必要性を認識しなければ、いずれ計画にひずみが生じる。そうならないために、組織の現状や周囲の環境を明確にしておかねばならない。また変革を進めるリーダーは、必要性の浸透に尻込みするような者では務まらない。
②変革推進チームのリーダー並びにメンバーの構成をないがしろにしてはならない。既存の組織で名実ともに信頼の厚いメンバーで構成される必要がある。それでいて既存の階層意識を越えた活動ができなければならない。とりわけそのリーダーには、専門性はもちろんメンバーをまとめ認識を共有できる強力なリーダーシップが必要だ。
③変革には明確なビジョン、つまり未来像が必要である。実現に向けた方針や過程を理解していても、その先に何があるのかを簡潔に説明し、理解を得ることができないのであれば、周囲を巻き込むことは難しい。
④ビジョンを組織に浸透させるには、信頼に足る十分なコミュニケーションが不可欠だ。それは単発ではなく継続的に行っていく必要がある。そのために日常業務での会話や、軽視されがちな社内報・会議など、思いつく限りの手段を講じなければならない。また、変革を進める者には言葉に伴った行動も求められる。行動が最も説得力あふれる手段であることは強く認識しないといけない。
⑤変革の障害となるものとの対峙を避けてはならない。それは、変革に理解を示さない管理職かもしれないし、組織構造や個々人の固定観念かもしれない。それらは変革チームの持つエネルギーに対し大きな壁であることが多いが、目を背けてしまえば成功は遠のいてしまう。
⑥変革には、短期的な成果を「意図的に」得ることが必要である。短期的な成果は組織の息切れを防ぎ、変革プログラムそのものの信頼を高める効果を持つ。
⑦変革の成果が見え始めても、安心してはならない。成果と定着のあいだには数年単位の時間差があることを理解していなければ、簡単に元の木阿弥となる。
⑧成果が見えたとしても「変革の成果を持続させること」を計画できなければ、変革は失敗である。目の前に現れた成果と、変革との因果関係の理解を浸透させなければならない。そのためには④同様コミュニケーションが不可欠である。また、コッターはこの⑧の観点において②と同じタイトルをつけている。変革チームのリーダーシップについてだ。組織の幹部の顔触れが次世代へと移る際に、変革の息が潰えることを危惧しなければならない。
変革の成功のカギは、失敗を最小化することである。