シアトル9日目
3月3日(木)
天気は晴れ。と思いきや、昼から雨が降ってきた。
今日は、group work DAYだ。第一回目のインタビューは、シアトルの建築家の松原博さんだった。
彼の話は、とても興味深かった。
シアトルは、大きい都市に思われがちだが、たかだか60万人の小さな”市”である。
松原氏は、日本には”不便さ”が足りないと言う。日本中どこでも同じものが24時間買えたり、5分に1本の電車が正確に来たりと何かと便利すぎる。この便利さがクリエイティブな発想をなくし、思考停止を招いている根源だと言う。確かにそうだ。便利すぎるからこそ、いちいち考えることを止めてしまうことが無意識にある。だからこそ、公共交通機関で寝ることも容易にできるのであろう。
日本人は、シリコンバレーの取り組みやクリエイティブな発想法などを勉強するが、根源が享受している便利さであるとは、ほとんどの人が気づいていない問題だろう。
建築の面から見た街づくりに関しても面白かった。シアトルでは、家を新しく建ててはいけないという法律がある。また、家の高さにも制限がある。ある時、シアトル行政が人口の増加に伴い家の高さを引き上げようとしたが、住民が反対運動を起こして、高さを上げないようにした。なぜなら、街の景観や文化を第一に考える人が多いからだ。日本はどうだろうか。家は車同様、消費財でしかない。そのため、次々に壊し、更地に新たな家を建てる。すなわち新築物件が多い。また、新築に価値が置かれており、歴史が詰まっている民家は価値が下がる傾向が高い。地主も、その地域の文化や歴史、景観を機にすることなく、新築にしたりマンションを建てる。
日本人の自分勝手さは、シアトルの人たちより高いようだ。
午後からは、メンターの家でディナーを食べた。ディナーと言っても、豪華すぎるぐらい豪華だった。ハーブにつけ込むところから自分たちで行い、BBQステーキやワシントンの湖で取れた魚、サラダなど豪華で美味しいディナーだった。
メンターとご飯を食べながら週末の予定などを決めていると、夜が深くなってきた。
11時を回っていたこともあって、メンターの方がメンバー一人一人をホームステイ先まで送ってくれた。とても優しいメンターに出会えて感謝。
明日も感謝の1日にしたいな。