段階的なトレーニング
段階的なトレーニングの導入。コーチの中で見極めが大事なのが、対象者がどのレベルにあり、そのチームのレベルがどこにあるかである。現状の力を見極められないとあとで大きな痛手を負う事になる。初期設定によるズレがあとで大きなズレになるからである。そのような意味では良いコーチとは現状把握をする能力に長けていると思うし、理想と現実のギャップをしっかり認識していることである。理想のラグビーを持つことはコーチは大切だが、そこにいる戦力や環境が異なればその理想はできないことがあるので、変える必要がある。全ての要素を分析した上で、最高のチームを作る必要がある。とあるコーチの言葉だが、良いコーチは育成力のあるコーチであると。強いチームのコーチが弱いチームに行くと環境や選手の能力に違いが出て、勝てなくなることがしばしばある。その反対ももちろんあるだろうが、後者の方は育成力と戦術の引き出しが多いと感じている。弱いチームが強いチームに勝つためには戦術を駆使しなければ勝つことは難しいのでそこに長けていると思う。
そして最近よく周りのコーチから聞くのは、あのコーチはコーチなのか解説者なのか。知識は持っていることに越したことはないがただ知っているだけでは勝つことはできない。知識から知恵への変換が必要である。いかにその知識を現場で経験する形にしているかである。私も頭の中でたくさんのプレーやサインプレーが浮かんでくる。その時は抜けるイメージがあっても現場で実際に行うと全く思い通りにことは進まない。そのプレーには他の要素も絡んでくることもあるし、全ては相手がいることだから。机上では確かに抜けるプレーでも抜けないことがあり、改めて気づかされることがある。なのでトレーニングを段階的に選手に落とし込む必要がある。現実的なグラウンドでそれを試して選手が納得しなければそれは机上の空論である。少なくともその理想と現実のギャップを理解し、大阪府の決勝まで行くことはできた。そこから先は改めて何かが足りないのだが、その足りないことは試合後にしか気づけなかったのでつくづく経験というものは大事だと思う。勝てるコーチは理想と現実のギャップを埋めることがうまいし、自分の理想に近づけるためのトレーニングを知っている。どのような考えのもとトレーニングメニューを構築していたかを書きたいと思う。
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