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障害者の彼を好きになった私はナイチンゲール症候群なのでしょうか?

先日、テレビ朝日で放送中のドラマ、ザ・トラベルナースを見ていたら「ナイチンゲール症候群」というのが出てきました。

元AKB48の野呂佳代さんが看護師役で出ているんですよね。
私、AKB時代のことはあまりよく知らないのですが、女優野呂佳代さんは大好きで、いつも元気を貰っています。


ザ・トラベルナース第3話は野呂さん演じる看護師の森口福美が中心の回。

看護師の福美さんがある男性患者さんに恋心を抱き世話を焼くシーンで岡田将生さん演じるトラベルナース、那須田歩がクールに言うのです。
「ナイチンゲール症候群ってやつじゃないですか?」
それに追い打ちをかけるように安達祐実演じる看護師金谷吉子さんがさらにクールに
「医療関係者が患者に恋愛感情を持つやつね。そんなのただの錯覚なのに。」


あぁ、これ
私も思っていたなぁ
彼のことを好きなのかもと思った時
そんな訳ないじゃない。
錯覚だよ。勘違いだよって。


ChatGPTによると

ナイチンゲール症候群(Nightingale Syndrome)は、患者が看護師や医師などの医療従事者に対して恋愛感情や依存的な感情を抱く現象を指します。また、逆に医療従事者が患者に対して強い感情を抱く場合も含まれます。この症候群の名前は、近代看護の創始者フローレンス・ナイチンゲールに由来していますが、ナイチンゲール自身がこの症候群に関与していたわけではありません。
ナイチンゲール症候群は、患者と医療従事者が緊密な関係を持つ環境で発生しやすく、特に患者が脆弱な状態にあるとき、医療従事者の献身や支えによって感情が深まることがあります。ただし、専門的な医療の場では、感情に流されず、客観性を保ちながらケアを行うことが重要とされています。この症候群の管理や対策には、適切な距離感の保持や倫理的な指導が求められます。

彼と出会ったのはお仕事の場でした。私は彼のリハビリを担当するセラピストだったのです。

その間特別に親密な関係だったわけではありませんし、プライベートな会話もほとんどしたことはありませんでした。

担当していたのは2ヶ月足らずの短い期間でした。私が自己都合でその職場を辞めることになったからです。

私は彼に先生と呼ばれ、私は彼を○○さんと苗字で呼び、常にお互い敬語で話す。普通の利用者さんとセラピストという関係でした。


ただ、私にとって彼はとても気になる存在であったことは確かです。
というのは、彼のリハビリはなかなか上手く進んではいかなかったのです。

セラピストとしての経験年数20年越えの私が、彼のリハビリをどんな風に進めていったらよいかということに日々悩んでいました。

上手く進んでいかないと言いますか、私の思い通りにはいかなかったと言った方がいいのかもしれません。


「こんな運動をしてみましょう。」
「もっとこうしてみませんか?」

と、私が提案することはことごとく却下されていました。

例えば

残された機能を出来るだけ維持していく為にも運動は不可欠だと思うのに
「筋トレは疲れるだけで効果を感じないからやらない。」と言う彼。

1日のほとんどをベッドで過ごす彼に、少しでも起きている時間を作れるようにと提案してみるけれどこれも上手くいかない。


これからどんな方向でリハビリを進めて行こうか?と話し合っていた時に彼がこんなことを言ったのです。

「寝たきりに見えるかもしれないけれど、自分はそうは思っていないし、今のままで十分幸せです。」


その言葉は私にとって結構衝撃的でした。
拒絶されたような思いとそんな言葉を言わせてしまった自分に不甲斐無さを感じました。

何やってんだよ 私。

お仕事上で出会った彼と私
このままでいいんだという彼と、もっと何か良い方法があるはずだと思う私。
最初はこんな風になかなか思いが噛み合わないまま進んで行くこととなるのです。


そこから恋愛関係に発展するなんて今考えても驚きです。

ただ一つ言えるのはもしも彼のリハビリがスムーズに進んでいたなら、その後二人は付き合うことはなかったかもしれません。

上手くいかなくて、何とかもっと良い方向に向かっていけないかなぁと日々考えていた。

そこに、特別な感情が無かったかといえば、あったのかもしれません。

それが、ナイチンゲール症候群なのかと言われれば、そうなのかもしれません。

でも、今思うのは、どっちでもいいかな?今が幸せであれば…


念のためにお伝えしておくと、私は彼と出会って2ヶ月足らずでその職場を辞めることになるのですが、お付き合いを始めたのはその後のお話。

辞めた理由も彼のこととは関係なく、当時の職場よりも今現在働いている職場で働きたいと思ったから。

こんな風に私たちは出会いました。
人生何が起こるかわからないですね。

お読み頂きありがとうございました。

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