見出し画像

障害を負わなければ、出会うことのなかった二人

朝6時に起きて、朝ごはんと娘のお弁当を作る。
朝7時、彼からの「おはよう」のLINEに「おはよう」と答える。

8時過ぎ、「行ってきます」とLINEすると「行ってらっしゃい」の返事。時に「今日は大雨が降るみたいだから、運転気をつけてね。」などの言葉が添えられる。

18時「ただいま」「お帰りなさい」

19時半「今日はヘルパーのMさんが、鶏の塩麹焼き作ってくれて美味しかったよ。スイカもついていて豪華だった。」

「うちは娘のリクエストでカレーだよ。」とお互いに夕食の写真を撮って送り合う。

手が不自由な彼にとってスマホで写真を撮ると言うのは簡単なことではなくて、以前は写真を送るのは私だけでした。
「あなたも送ってよ。」とリクエストしたら、最初は「写真を撮るだけでも簡単じゃ無いんだよ。」と渋々だったけど、今は毎日のように送ってくれるようになりました。

夕食、片付けを終えて、Tver.でドラマでもみようかな〜とのんびりしている21時、
彼からは「そろそろ寝ようかなぁ」
えっ!もう寝るの?最初は驚きました。

でも今は当たり前の流れになり
「うん。おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」

そこから私はのんびり時間を過ごし、眠るのは23時から24時頃かな?

そうしてまた、翌日の7時が来て「おはよう」「おはよう」

こんな風にお互いの安否を確認しあって、心配や労いの言葉を掛け合う。

これが私たちの日常

今はまだ別々に生活している私たちは、3年後には一緒に暮らすことを目標にしています。

仕事帰りや週末に会いに行って、元気をもらって帰ってくる。

週5日フルタイムで働く私とベッド上で暮らす彼。
車椅子に乗るのも長時間は無理で、今まで一緒に出かけたのは近所のカフェと公園、コンビニ、ドラッグストアくらいかな?数百メートル圏内です。

大きな車椅子に乗っている彼は、車椅子ごと乗れるタクシーも少なくてそう簡単には出かけられないのです。

もしも彼がもっと自由に動けたら、どんな風だったかな?などど想像してしまうことは正直あります。

「障害を負って良かったことなんて一つも無いって思っていたけれど、今は一つだけ、みかづきに出逢えたことだね。」と言ってくれた彼。

彼は障害を負うことが無ければ地元に戻ってくることも無く、あちこち転勤してバリバリお仕事していたでしょう。
リハビリスタッフの私と出会うことなんて無かったと思います。

出逢えたことに、普通の毎日に感謝しながら二人の形を見つけていけたらいいなと思っています。

お読みいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?