【ナカノスタイリングタント】 リニューアルへの想い
初noteなので、まずは自己紹介。
中野製薬の中野敬士です。
当社はサロン様向け、リテール向けの頭髪化粧品の販売を行っている会社です。また自社工場も保有しているので、様々なクライアント様からの依頼で商品を製造・ご納品するODM/OEMも行っております。
私は現在マーケティングの責任者をしており、商品開発・商品デザイン・ブランドコミュニケーション・PRなどの領域を担当しています。
2018年まで在籍した前職のコーセーではマーケ部門にいて、スキンケア~メイクまでブランドの戦略立案をしていました。
人に語れるほど深い経験のない私ですが、今回のリニューアルには並々ならぬ想いがあり、その想いを一人でも多くの人々に知っていただきたくて今回noteデビューとなりました。
ナカノスタイリングタント リニューアル
当社の主力スタイリングブランドであるナカノスタイリングタントをリニューアルしました!!
【購入いただける場所】
①全国のLOFT様店舗とLOFT様EC(一部店舗除く)
②AMAZON
タントリニューアルへの私個人と会社の強い想い、またプロジェクトを進行する中で得た学びを記事にしました。ブランドサイトには掲載されないメーカーのマーケ責任者の心の内をご覧いただければと思います。
"ナカノスタイリングとは?"
ナカノワックスをご存知ですか??
特に30代以降の男性は高い確率で頷いていただいているのかなと思います。
そうです。
あのビヨーーンって伸びるスタイリングワックスです。
1996年に発売したヘアワックスで、中野製薬株式会社という会社が製造販売しているため、ナカノワックスという愛称で呼ばれています。
発売当時はスタイリング剤といえばポマードとかムースの時代。ヘアワックスの束感が髪の毛に動きを与える質感が新しく、美容師様から熱烈な支持をうけ、男女問わずスタイリングの人気アイテムとなりました。
特にナカノワックスは糸を引くほどのファイバーによるノビの良さ、それに起因する使いやすさが強みです。
今はナカノスタイリングタントを主力スタイリングブランドと位置付けており、そんな当社のアイコンブランドが生まれ変わりました。
私の想い:ナカノワックスが家業を継ぐきっかけ?
私の青春はナカノワックスとともにありました。
2002年に中学に入学すると急に同級生から
"お前んとこのワックスくれよー"
と言われはじめました。
他のクラスのほぼ関わりのない人からも言われることもあり、腹が立った記憶もあります笑
それまでは家業が”美容メーカーで美容師様に関係する仕事”くらいの理解で
さほど関心があるわけでもありませんでした。
しかし中高6年間周囲からナカノワックスの評判や要望が次々と寄せられることで、家業の世の中への影響力を肌で感じると共に家業への関心度が増していきました。
それ以降もプライベートや仕事関係で新たにお会いする方からも
"あのナカノワックスの会社ですか!!"
と言っていただけることもしばしば。
ただここで危機感を感じるようになります。
みなさんの言葉の大半には続きがあるのです。
"昔使ってました!!"
皆さん当社への好意を伝えようとされているのですが、その言葉を話される時の笑顔を素直に喜ぶことはできませんでした。
世の中ではナカノワックスは過去にバズったモノになってるのでは、、、
実際一緒にプロジェクトをさせていただいている20歳前後の大学生に聞いてみても、認知者、使用経験者ともに想定以下の人数でした。
大きなマーケティング投資をせずとも、過去から小売店舗様の棚で販売され続けている状況から、リニューアル企画前の社内的な危機意識は低かったように思います。
売上などの数字は大きく変わらずとも、その中身や意味が変わっていることに気付かされました。マーケティングの人として失格だったと反省をしています。
自分の人生に影響を与えたナカノワックスが過去のものになることへの危機感、またこの使いやすさをZ世代を始めとした新たな時代に知ってもらえてない悔しさから、リニューアルプロジェクトをスタートさせました。
会社の想い:リテール事業への本格参入の糸口
会社的にもこのリニューアルは非常に大きな意味を持っています。
当社は理美容事業が中核ですが、2019年から理美容事業との相乗効果を目的にドラッグストアやバラエティストアを販路とするリテール事業にも積極的にマーケティング投資をすることを決定しました。
しかしその後コロナ禍に。外出自粛の影響からスタイリング剤に逆風となりました。その間も試行錯誤しながら様々な施策を講じますが、思ったような成果は簡単に上がりませんでした。
行動制限が緩和され人々が動きはじめた今、今回のリニューアルで改めてマーケティング投資を行い、リテール事業成長への第一歩にするというミッションが課せられています。
また、全ての企業活動は有機的につながっているという考えのもと、マーケティング投資を売上以外にも社内へ還元することを意識しなければなりません。
理美容よりも生活者接点を多く持てるリテール事業を通じてPR面の強化、そしてリクルートの強化にもつなげていく目的もあります。実際に当社に履歴書を送ってくださる方の多くはワックスを使用している(していた)というエピソードを記載いただいています。
”これでいいのかという不安”
個人、会社共にこれだけ想いのある重要なリニューアル。いざ社内でプロジェクトをスタートさせると、マーケティングの責任者として常にこれでいいのかという不安がありました。
(今もありますが、、、)
そもそもの顧客理解、商品デザイン、機能、コミュニケーション、販売チャネル、PRなどなど。マーケティング戦略という言葉で丸めてしまうのは雑ですが、改めて難しさを感じました。
(コーセーのマーケで色んな経験したぞ!って意気込んで入社した当時の自分が恥ずかしい笑)
だからこそ知見のある方に相談し、何度もディスカッションさせていただきました。今回のプロジェクトでご縁があったインフォバーンのジュンカムさんには感謝です!
(ご紹介いただいたコーセー小林さんにも感謝)
やはり社内だけでなく、社外に気軽に相談できる方がいるというのは心強いです。我々のステレオタイプを無視した様々なご意見をいただけるので、多くの気づきを得ることができました。
それでも結局なんだかんだ不安は残るので最後は”自分やチームメンバーがそれをやって楽しいか”を判断基準にしています。モノゴトの発信者が一番ワクワクしないと、受け手であるお客さんには絶対伝播しないというのは経験があったので。
”メンバーの底力と社内コミュニケーションの重要性を再認識”
リテールへのそれなりの規模のマーケティング投資は会社において初めてに近い経験でした。私も前職で経験があるとはいえ、領域はあくまでブランド戦略立案。方向性や考えを示して周囲に動いてもらうことが中心だったので、撮影の段取りや店頭販売台の制作実務などの、いわゆる考えを具現化する実務へのノウハウはありませんでした。
(前職の間にこの領域まで踏み込んで勉強しておけばと後悔しました笑)
そんな中チームメンバーは私が示す方向性を理解し、手探りながらも必死にプロジェクトを推進してくれました。私の説明不足もあってかアウトプットの方向性が異なることもありましたが、めげずに軌道修正してくれました。このプロジェクトを通してメンバーの意地とか熱量を垣間見れた気がします。普段から熱量が足りないと勝手に決めつけていたのは私だったようです。
(本音を言うと表面上は熱量とは無縁のクールな態度をとるから分かりにくい、、、笑)
当社として初めてのメディア向け発表会を実施
メンバーが四苦八苦しながらでしたが実現してくれました
プロジェクト責任者としての自分の行動を振り返ると、ブランドの方向性やリニューアル目的をチームに対して頻繁に私から示したことがよかったのではないかと思います。つまりカッコよく言うとパーパスを共有することでメンバーが能動的にアクションできる情報をインプットすることができたということでしょうか。もちろんメンバーからすると”口ばっか出して何を偉そうに!”と思うはずですが、、、
組織で成果を追求する以上、常にメンバーの力を120%出せるような物理的&心理的な環境整備が必要だし、そのためには社内のコミュニケーションの質を高めることがやはり重要だと再認識できました。(学びが当たり前のことですいません、、、)
最後に、、、
リニューアルにまつわる想いと学びをつらつらと記事化させていただきました。店頭で何気なく販売されているブランドも作り手は人であり、そのブランドの背景には必ずその人を中心にした喜怒哀楽のエピソードが存在します。そのエピソードを知ってもらうことでブランドの裏側に存在する人間味に触れていただきたいと思います。
この記事を読んでいただいた方がタントを目にされた時に、少しでもこのエピソードを思い出していただけると幸いです!
そして、タントの使いやすさ、是非体感ください!!