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コピーを書く 【 新入編集部員の日記 #12 】

皆さん、こんにちは! 経済セミナー編集部のSです。
しばらく日記を更新しておらず、すみません。今回のテーマは、「コピー」です。

雑誌制作の業務の1つに、記事や新刊書籍の見どころを短い文章で伝えるという仕事があります。

しかもただ内容を要約すればよいのではなく、読者にコンテンツの価値が伝わり、その記事や本が読みたくなるようなものにする必要があります。今回は、キャッチコピーやリード文・紹介文を書く中で気づいたこと・苦戦したこと・考えたことなどをまとめます。

前回の記事(#11)はこちら!

これまでの記事はこちらのマガジンからご覧いただけます!


■ コピーって何?

コピーとは、「特徴やセールスポイントを伝える導入句・短い文章」です。簡潔かつ印象に残るように商品の価値や中身の特徴を伝える必要があります。

『経済セミナー』の新刊書紹介コーナーを例に挙げて説明します。画像のAの部分はキャッチコピーです。経セミの新刊書紹介コーナーの場合は最大15文字程度です。

経セミ2023年12・2024年1月号の新刊書紹介

また、キャッチコピーよりも長い、リード文や紹介文もコピーの1つです(画像のBの部分です)。経セミ新刊書紹介コーナーの場合27文字×4~5行程度で書きます。経セミ特集記事の場合、本文に入る前にある文章(最大35文字程度/行×4行 )がリード文です(画像参照)。

特集記事のリード文の例


今回、私は経セミ12・1月号新刊書紹介コーナーのキャッチコピー・紹介文と特集記事のリード文を作るよう編集長から頼まれました。初めてだったのでとりあえず、過去に編集長が書いたものなどを読み、見よう見まねで作業に取り組み始めました。


■ リード文・紹介文を書くのはむずかしい

まずは、新刊書紹介の紹介文を書くことから始めました。他の版元様から出版された書籍を4冊選び、それぞれを130文字程度で紹介します。

紹介文を作る過程では、論文の要約(アブスト)を書く経験が思いのほか役に立ちました。その本の背景や文脈、その本の新しい貢献や特徴、どのような分析や考察が行われているかなどをまとめていくのは、論文の要約と同じ要領で進めることができました。

しかし、論文の要約と全く同じというわけにもいきません。

そもそも論文の要約に比べると文字数が限られていますし、本の良さを読者の印象に残る形で伝えなければいけないので、思い切って言葉を落としたり、違う表現に代替させたりする必要があります。宣伝向きの文章に仕上げるのは、結構苦戦しました…。

短い文章を書くことは一見楽にも感じますが、本の情報を最大限に伝えつつインプレッシブな表現で限られた文字数に収めるという点で、とても難しいということを学びました。

文字数に制限がないと説明的にだらだらと書くことができてしまいます。短い字数制限の中で、本当に重要な情報のみを取捨選択して伝えるこの作業はよいトレーニングになったと思います。

特集記事のリード文も同じように作成していきます。こちらも、論文を要約する要領で情報を整理しつつ、ただの要約にならないよう言葉を選びます。「記事のセールスポイントは何か?」、「何を学べるのか?」を常に念頭に置いて取り組みました。

やはり、改めて読み返すと自分の文章はまだ無駄が多いなと感じます。あれもこれも入れようとしたり、正確な表現にこだわりすぎたりするきらいがあるので、もっと切れ味のよい文章を書く力をつけたいと思いました。


■ キャッチコピーはもっとむずかしい

キャッチコピーを書くのはさらに難しく感じました。

リード文や紹介文は、X(Twitter)の1投稿程度には文字数があるので、まだ文章で説明をすることが可能です。しかし、キャッチコピーは最大15文字でまとめる必要があります。

この制約のもとでは、記述的・網羅的に説明することは諦めなければいけません。

例えば、画像にある『日本の金融システム――ポスト世界金融危機の新しい挑戦とリスク』のキャッチコピーは、「金融専門家の知見を集結」としました。こちらの書籍は、金融分野のあらゆるトピックを多数の先生方が分担して執筆している本です。そのため、具体的な内容を取り出してひとことに収めることは困難でした。

そこで、戦略を変え「この本は金融分野における各論のエキスパートの知見が詰まった専門書であり、直近の日本の金融研究の集大成である」という側面を強調し、フィンテック・ESGなどの具体的なトピックは紹介文で補足することにしました。

上記は一例ですが、15文字でこの本の良さを伝えよ、と言われたら結構難しいものだなと思います。


■ おわりに

仕事の性質上、原稿やゲラ、他の版元様の書籍などたくさんの文章を読んで内容をまとめる・調整することがたびたび要求されます。コピーの作成はそのほんの一部にすぎませんが、少しずつスキルアップしていけたらと思います。


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経済セミナー編集部
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