母親がアムウェイに入ってた話
過去の出来事だが、母親はアムウェイに入っていた。
それを聞いた時、勿論私はドン引きした。でも話を聞いていくうちに、「違う場面でも似たような心理だったら、アムウェイ的なものに入会するかもしれない」と考えたし、実際自分も似たようなシーンに遭遇した。
父親の仕事は転勤が必須だった。なんなら、私も東京に来るまで住居を転々としている。住居を転々とすると、(ネットが盛んでない時代だと)当然人間関係も刹那的なものになる。父親は職場というコミュニティがあったけど、母親にはそれがなかった。だから、彼女には友達が全く存在しなかったし、孤独だった。
元々母親は専門職の仕事をしていたが、育児でその仕事から離れることになった。また父親の仕事は夜遅くなることもあるので、母親が主に家事や育児を担当した。となると、母親が確保できる自由時間がほとんどない。
彼女は悩んだ結果、友達を作る意味でアムウェイに入会したいと父親に相談した。しかし父親は法律関係の仕事をしていたため、最初は反対した。だが上記の理由を聞いた上で、「絶対に周囲の人間を巻き込まない」という条件下で許された。実際母親は勧誘していない。その結果、友達が出来て楽しかったらしい。あと、これは母親の感想でしかないのだが、アムウェイのモノ自体は良いんだとか。今はアムウェイをやっていない。
人間は、コミュニティに満足できなかったら自然と違うコミュニティを探すものなんじゃないかな。自分も、孤独で「つながりだけを求めるためのコミュニティ(=シェルター)を探す」時期があった。宗教や、子供の塾や習い事、社会人の社交ダンスやジム、雀荘など... 今だったらオンラインサロンが、別のコミュニティというシェルターに近いのかもしれない。オンラインサロンに入れば、金はかかるけど友達はできる。言語化できない楽しさがある。
この話を聞いた時
・一応日本は先進国だけど生きていても生活に満足出来ない人間が多い
・孤独が簡単に生じやすい
といった事柄がこの国の根深い問題だと思った。というか、自己肯定感(≒満足感の充足法、孤独の解消法)の満たし方がそもそもわからない人間が多い。そして自分もそのうちの1人だが、そこから脱却しつつある。ただその脱却は偶然の産物だし、決して自分が努力したからとかではない。むしろ恵まれすぎていたぐらいだ。たまたまです。
2つの事柄を取り巻く状況は改善されてつつある。スマホの発達(特にサブスクや動画サイト)によって、個々が満足できる手段を見つけやすくなった。今の母親は、Netflixで毎日韓国ドラマを見ている。アムウェイよりもNetflixの方が楽しいからだ。昔だったら本当に厳しかったかもしれない。満足できる手段が見つかりにくかったから、サークルに入ったり宗教に入ったりするのかもしれない。私も曲がりなりに、目の前の学校の同期と仲良くしようと必死になった時期もあった。しかし、Twitterと出会ってから「自分が面白いと思える人間関係しか選ばない」というスタンスに変えた。
とにかく、みんな自分自身の存在を認めてほしいのだ。それが根深いのだ。
多分原因は、小学校の時運動神経が良い奴か容姿が良い奴がスクールカーストの上位を占めるという闇にあるという仮説があるのだが、教育に関してはそこまで詳しくないので一旦筆をとめます。