見出し画像

地方中小企業が抱える経理業務の課題とBPOサービスの必要性

こんにちは、KEIRY代表の池田です。
地方の中小企業において、人材不足は経営の大きなリスクとなっています。特に経理業務はその重要性から、担当者の退職や長期不在が業務全体に与える影響が大きく、リスク管理の観点からも見逃せない課題です。本記事では、経理業務の現状と課題をエビデンスとともに解説し、リスクヘッジのための解決策として経理BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の意義を紹介します。


1. 地方中小企業の経理業務が抱えるリスク

俗人化によるリスク

  • 1人に依存する体制の問題
    中小企業では、経理業務が1~2人の担当者に完全に依存しているケースが多く見られます。このような「俗人化」により、担当者が退職、病欠、育児休暇などで不在になると、他の業務担当者がカバーせざるを得なくなり、生産性が低下します。

  • データによる裏付け
    帝国データバンクの調査(2023年)によると、地方中小企業の約60%が慢性的な人手不足を感じており、特にバックオフィス業務は人員配置が不十分であるとの結果が出ています。また、同調査では「専門職の退職による業務停滞」を懸念する企業が約40%に上ることも明らかになっています。

効率性の欠如

  • 経理業務に割かれる時間 経理業務は間接業務であり、直接的な売上増加にはつながりません。中小企業庁の報告によると、小規模事業者の経営者が事務作業に費やす時間は1週間あたり平均20時間に及び、これは本業に割くべきリソースの大幅な浪費を示しています。


2. 経理業務こそリスクヘッジとコスト削減が求められる理由

2-1. 経理業務が俗人化しやすい理由

  • 専門性の高さ
    経理業務は、財務諸表作成や税務処理など、専門的な知識やスキルが求められるため、担当者が限られる傾向にあります。地方中小企業では、経理担当者が「1人で何でもこなす」状況が一般的であり、これが俗人化の大きな原因です。

  • 属人的な運用プロセス
    担当者が自身のやり方で処理を行い、文書化やマニュアル化が不十分なケースが多いです。これにより、担当者が抜けた際に業務が引き継げない状況が生じます。

  • システム依存と担当者のスキル格差
    多くの中小企業では、専用の会計ソフトを使用していますが、これを操作できるのが特定の担当者に限られている場合があります。このようなスキル格差が業務の停滞を招く要因となります。


2-2. 経理業務が引き起こす経営リスク

  • 退職や不在時の業務停止リスク
    例えば、経理担当者が急な退職をした場合、企業が適切な給与支払い、請求書発行、税務申告をタイムリーに行えない状況に陥る可能性があります。このリスクは事業運営に致命的な影響を与えかねません。

  • 法令違反のリスク
    税務や社会保険に関する法令が頻繁に改正される中、最新の基準に対応できていない場合、申告ミスや支払い遅延が発生し、罰則や信用失墜につながる恐れがあります。

  • 財務データの透明性不足
    経理データが担当者の属人的な管理に依存している場合、経営者がリアルタイムの財務状況を正確に把握できないことがあります。この情報不足が経営判断の遅れや誤りを引き起こす要因になります。


2-3. コスト削減の意義

  • 経理担当者1名分の人件費
    一般的に、経理担当者1名の人件費(給与、賞与、社会保険料)だけで年間400万~600万円程度が必要とされます。この費用は特に地方の中小企業にとって重い負担となります。

  • 間接業務のアウトソーシング効果
    経理業務の一部をBPO業者に委託することで、固定費を削減しながら柔軟な業務体制を構築可能です。例えば、請求書発行や記帳代行など特定の業務を外注するだけで、社内の作業負担を大幅に軽減できます。

  • ITシステム導入の補完
    中小企業では、最新の会計ソフトやクラウド会計システムを導入するケースが増えていますが、導入後の運用負荷が大きいことが課題です。BPO業者を利用すれば、システム運用を任せることで運用コストを抑えられます。


2-4. リスクヘッジとしての経理BPO

  • 「予防」のための外注
    経理BPOは、問題が発生してからの対処ではなく、リスクを未然に防ぐための予防策です。担当者退職の影響を最小化し、業務の停滞を回避できます。

  • 外部の専門知識を活用
    法令改正や税務に精通した専門家が業務を担うため、法令遵守の確実性が高まります。これにより、法的リスクを軽減し、コンプライアンス強化を実現できます。

  • 柔軟なスケール対応
    事業規模が拡大する際も、BPO業者は柔軟に対応可能です。例えば、繁忙期に一時的に業務量が増加しても、必要に応じてサービスを拡張できます。


2-5. コスト削減とリスク軽減を両立する具体例

  • コスト削減の実例
    BPO導入後、年間300万円以上の固定費削減に成功した中小企業の事例があります。これにより、削減した費用をマーケティングや商品開発に再投資し、売上向上につなげたケースも報告されています。

  • リスク軽減の実例
    ある建設業の企業では、経理担当者の急な退職により税務申告の遅延リスクが発生しました。しかし、早期にBPOを導入することで、外部チームが業務を引き継ぎ、業務移行がスムーズに進んだ結果、社内の業務負担も軽減されました。

3. 経理BPOの導入がもたらすメリット

リスク分散

  • 業務の外部委託により、特定の個人への依存を解消。

  • 専門家チームによる業務遂行で品質の安定化を図れる。

コスト削減

  • 社員1名の経理業務を外注化することで、雇用コスト(給与、福利厚生、研修費)を最大30~50%削減可能との調査結果もあります。

業務効率化

  • 経理処理が効率化することで、経営者や社員が本来の業務に集中可能に。

  • タイムリーな財務データの提供により経営判断が迅速化。


4. 導入事例:地方中小企業の成功例

事例1:人手不足解消と業務効率化

ある地方の製造業A社では、経理担当者が1名のみで退職の際に業務が停滞するリスクを抱えていました。BPOを導入したことで、煩雑な処理業務を削減し、経理担当者を本業支援にシフト。結果として、月間20時間の業務削減と給与関連ミスゼロを実現しました。

事例2:コスト削減とコンプライアンス向上

地方小売業B社では、経理BPO導入後、年間で約25%の人件費削減に成功。また、専門家による業務監査が行われたことで税務リスクが低減し、経営の安心感が向上しました。


5. 経理BPO導入のポイント

  • 信頼性のあるパートナー選び
    実績豊富で、地方中小企業の業務特性を理解している業者を選ぶ。

  • セキュリティへの配慮
    顧客情報や財務データの管理体制が強固であることを確認。

  • 業務範囲の明確化
    自社が外注したい業務と、自社内で保有する業務を明確に区分。


6. まとめ

地方の中小企業は、慢性的な人手不足と業務の俗人化というリスクに直面しています。特に経理業務は、リスクを最小化しつつ効率化を図るため、経理BPOを導入する意義が大きい部門です。経理BPOを活用することで、コスト削減だけでなく、経営の安定性と成長性を高めることができます。今こそ、未来を見据えた戦略的な選択肢として、経理BPOの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

#経理
#BPO
#BPaaS
#KEIRY
#地方
#中小企業


いいなと思ったら応援しよう!