統計学で考えるフォロワー増加と成長:200日連続投稿の経験から
先日、noteでの200日連続投稿を達成しました。
この間、毎日投稿を続けることで、多くのことを学びました。
文章力の向上や考えの整理ができただけでなく、読者の皆さんから「スキ」やコメントをいただくことで、自分の投稿が誰かの役に立っていることを実感できました。
この成長の過程は「小さな目標を積み重ねることで大きな成果につながる」という一例だと思います。
連続投稿を続けるのは決して簡単なことではありません。
日常の忙しさや、ネタ切れの不安に直面することもありますが、noteでの交流がモチベーションになり、継続する力となりました。
フォロワーの数が徐々に増えていくのを目の当たりにすると、投稿を続けてきて本当に良かったと感じます。
しかし、ここで一つ重要な視点があります。
それは「無理なフォロワー増加には限界があるのでは?」という点です。
統計学や確率論の観点から見ると、フォロワーの急激な増加を目指すアプローチには持続性の問題が生じます。
私はビジネススクールで、ファイナンスや行動経済学を学んできました。
そこで、今回はその知識をもとに、無理な成長を目指すことが、どのようなプロセスで破綻するか説明していきます。
記事を書こうと思った理由
まずは、この記事をなぜ書くに至ったかをお伝えします。
noteにて海尾守さんの記事を読み、フォロワーを増やすための手法について考えさせられたからです。
日々投稿を続けてきた中で、質の高いコンテンツを提供し続けることの難しさと大切さを感じ、今回の記事を書くきっかけとなりました。
ぜひ、海男守さんの記事をご覧ください。
この記事では、フォロワーを増やすために、大量のフォローをすることや、コメントする手法について懐疑的な考えを示しています。
このような方法は持続的でなく、むしろ逆効果になることが多いのではないか、と述べていらっしゃいます。
海尾さんは、真のエンゲージメントや信頼関係こそ、長続きするフォロワーを増やすために重要であると強調しています。
また、感情面への悪影響にも言及し、このような手法は精神的な負担を生む可能性があると警告しています。
私のブログ運営の考えも海尾守さんと類似しています。
統計学の視点から考察する
この問題を統計学的に説明するためには、「フォロワー獲得」という行動が、一定の確率で成功する「試行」であると考えると計算できます。
これを、統計学の一部である確率論の「二項分布」や「ポアソン過程」で考えてみます。
フォロワーを増やす活動は、はじめは順調に増えていくかもしれませんが、最終的にはターゲット層(フォロワー予備軍)は有限であるため、フォロワーの増加ペースは必ず低下します。
これを二項分布やポアソン過程を使ってモデル化すると、「フォロワー予備軍が尽きる」現象や、「特定の時間帯で増えるが、全体的な増加数が停滞する」現象が統計的に理解できます。
二項分布とは
二項分布は、成功か失敗の2つの結果しかない試行が複数回行われたときに、成功の回数がどう分布するかを表すものです。
あなたが1回の投稿や行動でフォロワーを獲得できる確率を p とします(例えば p=0.1p = 0.1p=0.1 つまり10%の確率)。
1日に n 回のアクションを行ったとすると、1日の間に何回フォロワーを獲得できるかが二項分布で表されます。
二項分布の式は次のようになります。
P(X=k) はフォロワーが k 人増える確率
n は試行回数(アクションの回数)
p は1回のアクションでフォロワーを獲得できる確率
k は成功(フォロワー獲得)の回数
例えば、1日10回アクションして、各アクションの成功確率が10%( p=0.1p = 0.1p=0.1 )の場合、1日で2人のフォロワーを得る確率がどれくらいかをこの式で計算することができます。
1日10回のアクションを行い、各アクションでフォロワーを得る確率が10%の場合、1日で2人のフォロワーを得る確率は約 19.37% です。
二項分布の特徴
試行回数が増えると、フォロワーを獲得する確率は安定します。最初は成功確率が低くても、試行回数を重ねればフォロワーが増える可能性が高まります。
短期間では運によって結果が左右されることが多いですが、試行回数が増えるにつれて、フォロワー獲得の成功率は平均的な値に安定していくということです。
ただし、無限に試行できるわけではなく、ターゲットとなる母集団が有限なら、どこかで限界が来ます。
もし、フォロワーを急激に増やそうとすると、短期間でターゲットとなる読者層が飽和状態に達し、次第に新しいフォロワーを獲得するのが難しくなります。
これは、限られたターゲット母集団が急速に消費されてしまうためです。
フォロワー増加は「限界収益の減少法則」に似ています。
最初は少ない労力で多くのフォロワーを獲得できるかもしれませんが、時間が経つにつれ、同じ労力ではフォロワーが増えにくくなります。
ポアソン分布とポアソン過程
フォロワーの増加は「ポアソン分布」と「ポアソン過程」でも説明できます。
ポアソン分布は、「特定の期間にどれだけフォロワーが増えるかを予測するもの」です。
ポアソン過程は「そのフォロワー増加が時間をかけてどう発生するか、の説明」です。
ポアソン過程は、一定の時間内に発生するランダムなイベント(例えば、フォロワーが増える瞬間)の頻度を表す確率モデルです。
「短い時間で起こる稀な出来事」をモデル化するのに使われます。
1日あたりに増えるフォロワーの平均数を λ とします。
ある特定の時間(例えば1日)にフォロワーがどれくらい増えるかを予測するのに、ポアソン分布が使えます。
ポアソン分布の式は次のようになります。
P(X=k) は k 人のフォロワーが増える確率
λ は1日に増えるフォロワーの平均数
k は実際に増えたフォロワー数
例えば、1日で平均3人のフォロワーが増える場合を考えてみましょう。
ポアソン分布を使って計算すれば、1日に5人のフォロワーが増える確率は約10%です。
このように、フォロワー増加の確率を予測すれば、無理なくどの程度の成長を期待できるかが分かります。
ポアソン過程の特徴
ポアソン過程では、時間が進むにつれてイベント(フォロワーの増加)がランダムに発生する様子をモデル化します。
このモデルでは、1日の間にフォロワーが増える瞬間は予測不可能であり、フォロワー増加が一様に発生するのではなく、集中することがあります(例えば、あるタイミングで急に増える)。
ポアソン分布によって、ある一定の期間で「どれだけのフォロワーが増えるか?」を予測することは可能です。
しかし、急激なフォロワー増加を目指すと、算式上の λ が過剰に大きくなると限界に達し、フォロワー予備軍が枯渇し、獲得確率が急激に低下します。
これは二項分布と同じ現象です。
フォロワー増加の限界
二項分布は、ある一定の試行(例えば、投稿やアクション)での成功率を知りたいときに役立ちます。
つまり、計画的なフォロワー獲得活動がある場合に適しています。
ポアソン過程は、ランダムに起こるフォロワー増加のような、予測不能な現象をモデル化するのに使われます。
例えば、何もしないのに突然フォロワーが増えるような現象を捉えたいときに有効です。
二つの理論から導かれる結論は、「無理にフォロワーを増やそうとする戦略は持続的な成長には繋がらない」ということです。
持続可能な成長を目指すためには、フォロワーを急激に増やすのではなく、時間をかけて地道に増やしていくことが統計学的には重要です。
持続的な成長のために必要なこと
フォロワーを持続的に増やすためには、量よりも「質」を重視することが必要ではないでしょうか。
質の高いコンテンツを継続的に提供すれば、読者との信頼関係が築け、その結果としてフォロワーが増え続ける可能性が高まると思います。
このアプローチは、短期的な利益を追求するのではなく、長期的な成功を目指す「長期分散型の投資」に似ています。
長期分散型の投資では、リスクを分散し、利益の安定性を重視します。
noteの投稿も同様で、無理にフォロワーを急増させようとするのではなく、コツコツと毎日投稿を続けるのが重要だと考えています。
投稿で小さな価値を積み重ねれば、読者からの信頼が徐々に高まり、その結果、持続可能な成長が得られると期待できるのではないでしょうか。
この「積み重ね」は統計的にも意味があります。
特にポアソン分布の視点から見ると、短期的に高頻度で新しいフォロワーを得ようとするよりも、長期的な安定的なフォロワー増加を目指す方が、リスクの低い成長が期待できます。
急激なフォロワー増加を目指すと、母集団が早期に枯渇し、フォロワー数が停滞するリスクが生じ、ブログを継続する意識が薄れる可能性があります。
結果的に、投稿頻度が下がるため読者が離れていく可能性が高まります。
ゆっくりと質の高い投稿を積み上げれば、読者の関心を持続的に引き付けられ、運営者のモチベーションも維持されやすいと考えます。
よって、noteに限らずブログ運営において長期的な成功を目指すために、以下のポイントが重要と考えます。
読者との対話を大切にする
コメントに丁寧に対応し、フォロワーとの信頼関係を強化する。投稿の質を高める
単に投稿を増やすだけではなく、質の高い情報を提供し、フォロワーが長くコンテンツに興味を持つようにする。一貫性を保つ
継続して投稿を行い、フォロワーが「期待できる発信者」と感じられるようにする。
結論
結論として、急激なフォロワー増加を目指すよりも、質の高い投稿を継続し、長期的な成長を目指す方が、フォロワーの持続的な増加を実現できると思います。
これは統計学的に有効な戦略であり、長期的に無理なく続けることが、運営者にとって最も現実的で効果的な方法です。
長期的な視点を持って、コツコツと質の高い投稿を続けることが、フォロワーを着実に増やす最良の方法であると言えるでしょう。
フォロワー予備軍が枯渇すると、急激な増加を続けることが難しくなり、無理な目標設定が運営者にとってプレッシャーとなることもあります。
一方、持続的に少しずつフォロワーを増やすアプローチは、サイトの成長だけでなく、運営者自身にとっても無理のない成長をもたらすでしょう。
私自身、これまでの200日間の連続投稿を通じて、その重要性を実感してきました。
これからも、できる限り質の高いコンテンツを提供し続け、持続的な成長を目指していきたいと考えています。
また、フォロワー増加のために、無理に急成長を目指すのではなく、長期的な視点でコツコツと努力を積み重ねる方が、自分自身には合っていると思います。
200日間のご支援に感謝し、今後もよろしくお願いします。