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行き着いた先はHHKB!? 沼にハマった私のキーボード選び【行動経済学で解説】
もしかすると、最近流行りの「推し」とはアイドルやキャラクターだけではないかもしれません。
私にとっての「推し」は、なんとキーボードでした。はい、パソコンのあのキーボードです。
なぜそこまでハマるのか? と不思議に思われるかもしれませんが、一度ハマってしまうと、その世界は底なしの沼。
2025年の「#ハマった沼を語らせて」投稿コンテストを機に、私が体験したキーボード沼と、なぜ人は沼にハマってしまうのかを行動経済学の視点から考察します。
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HHKBの雪モデル(無刻印)を使用中
キーボード遍歴:6台を渡り歩いて見えてきたもの
1. Apple Magic Keyboard
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Magic Keyboardのシンプルなデザインが好き
当初の「推し」はMacとの相性抜群なApple純正のMagic Keyboard。
シンプルで薄く、見た目もとても美しい。
ただ、今になって思い返せば、デザイン性のみで選択していたのは間違いありません。
様々なブログや動画を見るうちに、心地よい打鍵感を求める欲が芽生え、次第に物足りなく感じるようになったのが約2年前です。
2. Logicool MX Keys
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(筆者私物)
多くの人の「打鍵感がよい」というレビューに惹かれて購入したのがLogicoolのMX Keys。
エルゴノミクスを意識した設計で、タイピング疲労も軽減してくれます。
Bluetooth接続も3台まで登録可能で安定性も問題なし。
ですが、私が想像していた「心地よい打鍵感」ではない気もしていました。
メンブレンとメカニカルの中間的な打鍵感ゆえに、頭の中で思い描いていた「もっとカチッとした感じ」 を求める私の欲求は鎮まりませんでした。
また、後述しますがフルサイズ(テンキーあり)のキーボードは、なんだかデスクのスペースを圧迫している気がし始めました。
3. ARCHISS ProgresTouch RETRO
打鍵感を求めて、ついにメカニカルキーボードへ手を伸ばしたのが、ARCHISS ProgresTouch RETRO。
CHERRY MXスイッチのしっかりした打鍵感に初めて触れ、感動すら覚えました。
上記記事のタイトルにもあるように仕事用のキーボードとして購入。価格が手頃だったのも魅力的でした。
しかし、作業している中で気になり始めたのがキーボードのサイズ。
職場は別に構わないけど、自宅でフルサイズ(テンキーあり)のキーボードは本当に必要か?という疑問…。
そこでテンキーレスの理想のキーボードを探す旅が始まりました。
4. Keychron K2
自宅用の「コンパクトでメカニカル」なキーボードを求め、Keychron K2の購入となりました。
スタイリッシュなデザインとレイアウトがとても魅力的でした。
赤軸を選択しましたが、打鍵感も上々です。
ただ、徐々にキーマップを自分好みにカスタマイズしたい欲求が生まれ、同じKeychronのProモデルに興味が湧きました。
また、ファンクションキーのない、よりコンパクトな製品(60%キーボード)に惹かれ始めました。
5. Keychron K6 Pro
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キーキャップはレトロなMac風に(筆者私物)
カスタマイズ性を重視してKeychron K6 Proを選択。
ここで、初めて茶軸を選択。この打鍵感と打鍵音に病みつきになりました。
キーマップ変更もソフトウェアで柔軟に行える点が素晴らしい。
キーキャップをレトロなMac風に変更し、気分も上がります。
ただ、今度はお気に入りのキーボードをいつ、どんな時でも使いたいという欲求が…。
Keychron K6 Proの筐体はアルミ製のフレームのため、かなりの重量で持ち運びには不向きなため、持ち運び可能なキーボードを探すことに。
6. HHKB Professional HYBRID Type-S
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キーキャップは無刻印に変更(筆者私物)
最終的にたどり着いたのは、HHKB(Happy Hacking Keyboard)。
打鍵方式はメカニカルではなく「静電容量無接点」ですが、そのスムーズで軽やかな打鍵感はまさに別次元。
しかも60%サイズの極限ともいえるコンパクトさは、テンキーレスどころかFnキーを活用する独特の配置で、マウスの操作スペースを格段に増やしてくれます。
そして、何より余計な刻印を排した無刻印キーキャップのスタイリッシュさは、所有欲を強烈に刺激。
もちろんキーマップ変更も自由自在。
HHKBは、私のこだわりを総合的に満たす真の「推し」となりました。
ちなみに、持ち運ぶ目的でたどり着いたHHKBですが、知人から「雪モデル」を譲ってもらい、現在はHHKB2台体制です。
行動経済学で読み解く「キーボード沼」
ここまでキーボードを買い替え続けた背景には、実は行動経済学で説明できる心理トリックが潜んでいます。
以下に、沼にハマる理由を行動経済学の観点から考察します。
選択のパラドックス
市場には膨大なキーボードが存在します。
スイッチの種類、配列、接続方式、デザイン…、一度比較を始めると、その選択肢の多さに圧倒されてしまいます。
人は選択肢が多いほど「本当にこれでいいのか?」と決断を迷い、最適解を再び求めてしまいます。
この状態に陥ると、一度買ったキーボードに満足できず、新しいモデルやより適したスペックを求めてしまいます。
その結果、いつまでもキーボードを買い替え続ける「終わりなき旅」へ突入します。
所有効果
手にした途端、「これこそが最高!」と自分の選択を正当化したくなるのも人間の心理として当たり前の感情でしょう。
特に、長い時間をかけて調査し、自ら選んだキーボードには強い愛着を持つようになります。
それが高じると「他の選択肢も試したい」という欲求が生まれ、より完璧な理想を追い求めてしまいます。
結果として「所有すること」そのものが目的化し、次から次へと新しいキーボードを迎え入れることになります。
一時期の私は、おそらくこの状態だったと思います。
見栄え効果とブランドバイアス
スタイリッシュで人気ブランドのキーボードは、ステータスシンボルにもなります。
「周りに見せたい」「SNSで話題にしたい」という思いから、積極的に手を出してしまいがちです。
私の場合も、Magic KeyboardやHHKBの無刻印を選んだのは、この見栄え効果が大きいと正直に認めざるを得ません。
このような高級な製品は、見た目の洗練さが所有欲を大いに刺激します。
また、ブランドバイアスによって「高価なもの=最高のもの」と考え、冷静な判断ができなくなることもあります。
このように、行動経済学的な心理が複雑に絡み合い、私たちをキーボード沼へと引きずり込んでいくのだと思います。
このまま沼にハマり続けると、最終的にどうなる?
もし、最適解が見つからなければ、あなたも私のように終わりなき旅を続けるかもしれません。
スイッチ音にこだわってカスタムにのめり込み、キーマップ変更で自分専用のレイアウトを追求し、果てにはオリジナル基板を設計して自作キーボードに走る方もいます。
そこまで行くと、もう完全に趣味の域を超えて職人芸と言っていいでしょう。
私の場合、現時点ではHHKBに落ち着きましたが、それはひとつのゴールに過ぎません。
人によっては「無刻印は視認性が低くて不便」「静電容量無接点でも重いスイッチがいい」など、別の理想を求めてさらに沼を深堀りするでしょう。
行動経済学的にいえば、より高次の満足や新しい所有効果を得ようとして、投資を続ける可能性があるでしょう。
まとめ
キーボードは毎日使う道具でありながら、私にとっては日々のモチベーションを上げてくれる「推し」になっています。
スタイリッシュなデザイン、カスタマイズ性、優れた打鍵感に囲まれることで、仕事の生産性はもちろん、タイピングそのものが楽しい時間に変わりました。
これが沼にハマる最大のメリットとも言えます。
最終的にHHKBに行き着いた今でも、別のモデルやカスタムパーツに興味を持ってしまう自分がいます。
これが「沼」の怖さでもあり、楽しさでもあるのだろうと思います。
あなたにとっての「推し」は何でしょうか?人でも、モノでも、コンテンツでも、何でも構わないと思います。
私のように沼にハマったきっかけや、その魅力を「#ハマった沼を語らせて」で思い切り発信してみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたの「推し」を分かち合えば、共感し合える仲間が見つかると思います。
私は今回のキーボード沼の記事が誰かの参考になれば嬉しいですし、あなたの「推し」もきっと誰かが共感し、新たな世界が広がっていくのではないでしょうか。
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