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第76回日本選手権競輪(GI)初日 初日特選は浅井康太が勝利! トップクラスの競輪を堪能しました?

第76回日本選手権競輪初日はいかがでしたでしょうか?
流石競輪最高峰のGIです。ゴール前のバトルは一段と激しさが増していました。
そして10レースの脇本雄太の圧巻の逃げ!これは凄かった。
通常レース後に行われる勝利者インタビューが11レース後になったのは、ダウンに時間を要したから。そりゃあれだけ先行したらすぐにインタビューできる方がおかしいですよね。パワーと出し切る力が恐るべしです。

勝利者インタビューの脇本雄太

さて、観客席での出来事。
若い男の子の4人組なんですが、明らかに競輪初心者。その子達が、車券を検討していると良いお年のオヤジが車券について語りだした。まあ本日の10レースについてですが、当然脇本雄太からドカ売れ。で、脇本から買うのはダメなんだよ!オッズを見てみろ。これじゃいくら賭けても儲からないんだ。考えないと!と言うてました。
うーん、脇本を外せってこと? いやそれはいくら何でも…。
ふんふんと頷きながら聞いている男の子たち。
昭和の偉大な作家がたは、博打(ギャンブル)は心を鍛える修行の場所と書いていました。弱い心と戦う自分。それでも痛い目にあって、自分を成長させる。だから偉大な賭博小説が生まれたと思っているのですが、欲にまみれた車券を推奨するのは段階を経ないと競輪を嫌いになってしまう!せっかく若い男の子達が車券を買って楽しんでいるのにと思った次第です。
結果は打鐘先行逃げ切り脇本と番手をキープした三谷竜生。
その男の子達の車券は当たったのでしょうか?気になった出来事でした。

その舞台になっているいわき平競輪場は、大いに盛り上がっています!
いやコロナ禍以前にタイムワープしたみたいないわき平競輪場でした。

初日のお客さんの入りは5000人越え。

レースを振り返ると
7レースの久米康平が大穴を叩き出しました。中団からの捲りで前団捉えて1着。おめでとうございます!

久米康平

7レース、10レースを取り上げてみましたが、どのレースも、さすが日本選手権競輪というレース内容。やっぱり競輪はアグレッシブじゃないと面白くありません。勝つために意地と意地をぶつけ合う競輪。競輪選手ってかっこいいな、凄いなと思うレースでした。
あとテクニック。9レースの成田和也は流石です。松井を出さすために蓋をされていた中部ラインの番手の長尾拳太を捌いて空間を作ったところに松井宏祐を入れる。そして2着で勝ち上がり松井も3着で勝ち上がるのが良いですね。
このようなテクニックがあることを覚えておくだけで、車券の予想範囲がぐんと広がります。

最終バック前。4番をけん制して1番松井の道を作った3番成田。だから信頼される追い込み選手なのです。

さてちょっとびっくりなお話。
どこぞのMCが、ラインの3番手は前の二人を勝たすために、後ろからくる選手をブロックするなど言っておりましたが、3番手の仕事はブロックすることではなく、ラインを先行しやすくアシストする、最終2センターから最終4コーナー過ぎの直線まで、後方からの敵を内外帯線内に侵入させないことが重要なのです。これがどのような意味か分からない方は調べてね!
競輪も含めたトラック自転車競技の基礎を知って欲しいですね。
それと、豆知識的ですが「3番手」というコメントと「3番手から」は全く意味が違います。
また、3番手は3番手を固めるラインが先行しないと機能しません。だから、3人のラインは先行すると考えます。よく選手がラインで決めたいというのは、ラインの先頭、番手、3番手の選手がそれぞれの役割を果たして、結果、3人とも勝ち上がる、もしくは良い着を取るという意味です。決して勝つことを放棄しているわけではありません。「ズブズブ」「交わしの交わし」という競輪用語を知っていたらこのような発言にならないと思うのですが。
4人のライン、5人のラインの場合は? となると多少違った話になることが多いかな。
これはまた機会があれば書きます。
今の競輪は細切れ戦が非常に多いですね。ラインが3人の場合と2人の場合では、やはり考え方が変わってきます。のでご注意を。
ただ、競輪は記憶力のギャンブルです。人間関係の、特にレースにおける関係性を覚えておく必要があります。
簡単な例でいえば、初日1レースの高橋晋也と飯野祐太のレースです。弟子と師匠の関係です。なかなかラインを組むことが師弟で出来なかったということを知っていれば、高橋がどのような戦法を取ってくるのか分かりやすいと思います。また3人のラインだったので高橋は先行はしやすかったはず。結果ラインで上位独占とはいかなかったですが、わかりやすいレースだったと思います。車券の的中とは別で。

第1レース残り2周。被されて引く東北ライン。1番高橋、5番飯野、9番阿部。
5番飯野、3番原田研太朗、1番高橋、9番阿部

とまあ、一つのレースを取ってみても色々とドラマがあります。
そのあたりを是非楽しんでください。
色々な推測をするだけでもかなり楽しいと思います!

二日目は負け戦と一次予選、初日特別選抜予選が行われます。
色々なドラマを想像しながらお楽しみください。

開会式で敢闘宣言をする佐藤慎太郎

第76回日本選手権競輪初日
《ダッグアウトから》

■1レース
●1着の飯野祐太

1着の飯野と3着の高橋


「地元で1着は素直に嬉しいです。ハラケンがあそこから仕掛けてくると思ってなかったし、見えなかったですね。最後で横を見たらハラケンがいたって感じでした。ラインで決められなかったのは残念」
●2着の原田研太朗
「結果的には風に助けられたような感じです。自分ではバック踏み過ぎてきつかったっす。状態はそんなに悪くはないと思います」
●3着の高橋晋也
「ラインで決めきれなかったのは悔しいですけど、師匠と決められたのは素直に嬉しいです」


■2レース
●1着の東龍之介


「捲り追い込んでくれればラインで決まると思ったんですけど、上にもっていくような動きかと自分はとらえちゃったんで、切り替えて行かせてもらいました。根田(空史)さんがあそこまで展開をもっていってくれたし、番手をまわしてもらえたおかげですね。この調子で二次予選も頑張りたいと思います」
●2着の中本匠栄
「来ていたら出させたけど来なかったし、風が強い中、2車で(伊藤)颯馬が行ってくれました。あれ以上待つと共倒れになるかなと思ったので、最後は踏ませてもらいました」
●3着の木暮安由
「長島(大介)君が最後行き切れるかわかんなくて、踏んでいって、最後ゴール前勝負できたので、伸びは悪くないと思います」


■3レース
●1着の渡邉雄太


「内藤さんのアドバイス通りに走った結果1着でした。車間も切れたし、行けるタイミングで行ったけど、村上(義弘)さんのブロックもあってきつかったです。とりあえず1着でよかったです」
●2着の内藤秀久
「村上さんがブロックきたけど止まってないし、さすがに村上さんも2回は来ないだろうと思っていたのでちょっと油断しましたね。凌いだけど、もらった分、そこ死ぬ気でもがきました。でも、調子がいいからそこで踏み勝てましたね。自分の洞察力がよければ、(田中)晴基まで決まったと思うけど、そこが残念です。晴基は南関ナンバー1くらいの追い込みだと思うので、一緒に勝ち上がれなかったのはちょっと萎えますね。二次予選は晴基の分まで頑張りたいです」
●3着の久木原洋
「上田(尭弥)君の内で躊躇してしまって、あれがもっと踏めていれば2着までいけたと思います」


■4レース
●1着の菊地圭尚


「このまま終わっていくかなと正直思った時もあるけど、立て直せてよかったです。最後は外を踏ませてもらいましたけど、(坂本)貴史もあそこまで攻めてくれたからですね」
●2着の神山拓弥
「森田(優弥)君が苦しかったと思うけど、一生懸命に行ってくれたおかげです」
●3着の柿澤大貴
「苦しい展開でも凌げたので脚は悪くないと思います」


■5レース
●1着の荒井崇博


「あれしか待てなかったけど、風もつよかったし、あれでしかないでしょうね。(松岡)貴久までついてきてくれたらよかったですけどね。500勝も早く達成したいし、狙えるところは狙っていきます」
●2着の門田凌
「島川(将貴)ごめんと思いながら内を踏ませてもらいました。練習の感触はいいけど、レースでは出せてないので、修正していけたらと思います」
●3着の志村太賀
「ラインのおかげですね」


■6レース
●1着の宮本隼輔


「流れにのってという感じで考えてました。調子がいきなりあがることはないとは思うけど、与えられた番組の中でしっかり作戦を考えて、力を出し切れるように走りたいと思います」
●2着の伏見俊昭
「とにかく地元の意地という感じで頑張りました。今日しっかり勝ち上がれたことは大きいと思います。明日しっかり疲れを抜いていきたいと思います」
●3着の神田紘輔
「想定外の並びで、先行も作戦ではあんまり考えてなかったので、もう(野原)雅也に全て任せました。なるべくラインで決めたかったのでギリギリまで待ったんですけどね。自分は調子がいいので自信をもって臨めています」


■7レース
●1着の久米康平

あえて触れずに…


「最近は上手く行かないレースが多かったので、こういう1着は嬉しいですね! 今日はいい感触をつかめたので、これをいいきっかけにしたいですね」
●2着の野田源一
「吉田(敏洋)君が張った時に内にいって、一車でも前にいった方が面白かったかもしれないですね。見た分だけ遅れてしまい、それがなかったら小川(勇介)とワンツー決まったかなと思います。脚の状態はいいですね。いい状態でここに来れたかなと思います」
●3着の山崎芳仁
「しっかり野口(裕史)君も駆けてくれたので、あとはブロックするか出て行くかでしたけど、かかっていたし、久米君がゆっくり捲りに来ていたのは見えたけど、ちょい差しでラインで決まるんじゃないかと思ったけど、外が伸びましたね。ラインのおかげで勝ち上がれたし、その分、ラインで決めたかったですね。久々にお客さんのいる地元で走ってすごい緊張しました。何年たってもこの緊張感はすごいですね」


■8レース
●1着の中川誠一郎


「いいところで(松本)秀之介が仕掛けてくれたんですけど。もうちょっと我慢できたら、秀之介も伸びていけたのかなというのが心残りです。吸い込まれるようにいったんですよね」
●2着の小松崎大地
「スピードがあったところで行こうと思っていたんですけど、3番手が空いていたので、咄嗟の判断で動きました。自分のタイミングでなかたつぃ、竹内(雄作)君もかかっていたので苦しかったです」
●3着の坂口晃輔
「モニターをちらっと見たら9番の姿が見えたので、僕のところに来そうなタイミングだったけど来なかったので、(近藤龍徳が)絡まれたんだろうなって思ってました。僕もきつくて対処はできなかったです。道中きつくて、(竹内)雄作がいいタイミングで行ってくれたので、余裕があれば仕事してラインで決められたけど、余裕はなかったですね」


■9レース
●1着の皿屋豊


「向日町で外並走で落車したので、師匠と一緒に外並走の練習をしたら、今日は気持ち楽にまわれました。それがよかったのかなと思います」
●2着の成田和也
「松井を迎え入れて、行けるだろうなって思っていたんですけど、けっこう合わさってましたね。最後は皿屋君まで抜ければよかったんですけどね。今日は福島勢がずっと勝ち上がっていたので、自分だけ勝ちあげれないのはイヤだなって思ってました」
●3着の松井宏佑
「僕が器用にヨコとかできたらよかったんですけど、やってきてなかったんで、ちょっとどうやってあたればいいかもわからずで、ちょっと空いたところに入って、なんとか3着まで入れました」


■10レース
●1着の脇本雄太


「先行も3月ぶりだったのでちょっとわからないところもあったんですけど、先行でしっかり勝ち上がれたのでよかったと思います」
●2着の三谷竜生
「ワッキーのやることは変わらないと思っていたので。ワッキーが自分のペースで駆けてくれて、今日は抜ける感じはしなかったですけど、色々と試して抜けるようにしたいですね」
●3着の松岡辰泰
「ちょっと後手を踏みましたけど、仕掛けられたのでよかったなと思います。熊本は若い選手が多いので、若い力で頑張りたいですね。でも、エースにはまだまだ届かないですね(笑)」


■11レース 初日特別選抜予選
●1着の浅井康太


「古性(優作)君に全てを任せていました。新山(響平)君が出たタイミングでバック踏んだので、後ろから清水君が来るのは頭にあって、ちょっとだけ踏みながら、内を狙って踏み込みました。厳しいコース取りだったんですけど、なんとか突き抜けたという状態でした」
●2着の清水裕友
「前受けはイヤだったけど、牽制するよりはと思って前に行きました。落ち着いて走ろうと思っていたし、2着まで届いているし、大丈夫でした。自分のGIは初日が全てみたいなところあるので、ゴールデンレーサーに乗れてよかったです。そこまでに今日感じたことを修正する時間にあてたいです」
●3着の諸橋愛
「想定していた内のレースでした。でも、最後に眞杉(匠)が1周半行っているのでタレてきたので、そこでバック踏むなら前に行かせてもらおうという感じで前に踏ませてもらいました。久しぶりのゴールデンレーサーなんで2日ゆっくり休めるのはありがたいです」



番外編
松井宏祐をダンディに撮ってみた


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