広島県議会議長 中本隆志裁判の判決文を読んで!

公職選挙法違反起訴猶予損害賠償請求事件の批評文

◎本件の概要
 令和5年10月26日広島県広島市において原告は、被告広島県議会議長中本隆志氏に対して、原告及び広島県民に本件公職選挙法違反事件の回答や説明をせず、憲法15条及び民法1条に基づき保証される「原告の権利」を侵害したとして10万円を請求した。

尚、ここで示す「本件公職選挙法違反事件」とは、令和2年10月5日に中本隆志氏が公職選挙法違反の罪で告発され、起訴猶予となった事件である。

この裁判は最終的に不起訴となった。

◎本件
 私の見解は、本件は人道的に見ると起訴処分になるべきだったが、法的に見ると不起訴処分になるべきだったと思います。

それらを説明するために、まず今回の原告の起訴理由である3つを以下に示します。

  • 本件公職選挙法違反事件において、被告中本隆志氏が起訴猶予により不起訴処分になった。

  • 被告中本隆志氏の事務所の女性が原告に対して、本件公職選挙法違反事件のことについて回答をすると確約をしたにもかかわらず現在まで回答せず、約束を保護した。

  • 被告中本隆志氏が本件公職選挙法違反事件で犯した罪について現在まで回答や説明をせず、憲法15条または民法1条で保障されている原告の権利を侵害した。

今回の裁判の中で、裁判所側より①の訴訟理由は認められていますが、②③の訴訟理由は被告中本隆志氏が不治または否認したため、認められていない。

 まず、この件を法的に見てみます。
①の訴訟理由は裁判所が以前の判決で起訴猶予のため不起訴と認めている為、これだけの罪で被告が有罪になることはないでしょう。

しかし、本件は本件公職選挙法違反事件とは違い、被告は②、③のことも訴訟理由に加えられて訴えられています。

この二つを更に詳しく見ていくと、②は当事者間での「口約束」を不履行したことで、③は、本件公職選挙法違反事件で犯した罪を原告に報告していないため被告への訴訟理由になっていることがわかります。

この二つを見比べて、疑問を覚えた人も多いのではないでしょうか。
なぜなら、どちらの訴訟理由も本質は「するべきことをしなかった」

所謂、裏切られたという感覚によるものだからです。
だから、よく見てみるとこの二つの理由はかぶっているように見えてしまうのです。

しかし、実際は②の訴訟理由は「口約束」を不履行したという責任違反からのものなのに対し、③の訴訟理由は憲法15条または民法1条で保障されている原告の権利(原告になぜ起訴猶予となったかを説明する権利)を果たさなかったという、憲法乃至民法違反による訴えだからです。

②の起訴理由を見て、私は無理矢理すぎるのではないかと思いました。
債務不履行(契約不履行、以下債務不履行と記述)とは契約を交わして、それを破った場合に発生します。

そのため、本件のような口約束で行われた約束では、効力を発揮しません。

もし、原告がこのような形で被告を訴えたかったならば、被告の事務所の女性と「○○日までに本件公職選挙法違反事件のことを原告に説明するという」という契約を交わすべきでした。

もし、この契約があったならば、間接契約となり今回のケースの場合被告は、契約を破ったとして原告に(履行の強制)

第四百十四条

(債務不履行による損害賠償)

第四百十五条

引用元: e-Gov法令検索

(履行の強制)

第四百十四条

(債務不履行による損害賠償)

第四百十五条

引用元: e-Gov法令検索
 問題は③の訴訟理由です。
私はこの訴訟理由を見て、まるで弁護士ドラマかのような常識では考えられないような屁理屈が法の抜け穴を使ってまかり通ってしまっていることに気付きました。

③では、原告は前述したとおり、憲法を犯しているとして被告を訴えました。

私としては、無論その通りだと思います。

政治家が、不起訴になった理由を原告に説明しないなどということは言語道断です。

被告中本隆志氏は、広島市市長という立場です。

私は後述もしますが、被告中本隆志氏は裁判乃至司法を軽視していると思います。

 この件に対しての裁判所の言い分は「被告が原告又は広島県民に対して説明をしなかったという証拠がない」というものです。

正確には別の言い方をしていますが、言いたいことはこういうことです。

証明の世界に於いて、何かを肯定することは簡単です。

しかし、否定することは難しい。

今回の件も、原告側が「被告が我々に説明していない」と否定しましたが、被告側の「被告に説明しているかもしれない」という肯定に主張が負けてしましました。

第十五条

第一条

第十五条

第一条

◎政府と司法の癒着
 今回の件を通して、私は政府の人間に対して司法の人間が忖度しているのではないかと疑わざるをえませんでした。

近年憲法65条の改正の件が騒がれ、政府が司法に対して高圧的な姿勢をとっているのは確かです。

この姿勢を止めない限り、このような人道的にあり得ない判決を裁判所はとどまることを知らずに出し続けるでしょう。

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