アポロシアターのステージに立った日から、10年が経った。
2014年の9月10日、ニューヨークの殿堂アポロシアターのアマチュアナイト一回戦に出演して1位をもらえた日からなんと、丸10年が経ちました。歌ったのは自分の曲「You are my love」。
あまり振り返らなくなりそうだから、久しぶりに書き留めてみます。(最後に近況もあり)
*この記事は2024/9/11のInstagramに書いた文章を加筆したものです。
アマチュアナイトは観客の歓声で評価が決まり、毎回上位3組が勝ち残り進んでいくトーナメント制のオーディションです。ブーイングされるとパフォーマンスの途中でも退場させられます。この日、出番は一番手。静かで張り詰めた空気のなかAメロを歌い切ったところで、わぁっと歓声が上がったあの瞬間は、忘れられない。ものすごく特別な一瞬だった。届いた、と初めて思った。
出演できるだけで嬉しい、とにかく楽しもうと思っていたから、最後の結果発表で一位をもらえたときは本当に驚いて。しかもその後SHOW OFF(2回戦)、そして11月にTOP DOG(準決勝)まで進んで、歴史あるあのステージに3回も立てるなんて夢にも思わなかった。「たまに日本人はでるけど、自分の曲で出た人は初めて見たよ!」とアポロシアターに長年勤めるJoeが声をかけてくれた。2回戦、3回戦のときはハーレムの街をアポロに向かう途中、「前回のあなたのうた好きだった!頑張ってね!」と声かけてくれた女の子、敗退した日は10歳くらいの地元の男の子に「Keep doing!!」と励まされたこと、そんなことをなぜかよく覚えてる。
ニューヨークの友人知人が応援に駆けつけてくれて、日本からも沢山の方が応援してくれました。私は競技や勝負事をあまり経験せずに、もしかしたら無意識に避けて生きてきて、この時が人生で初めてのコンテストでした。こんなに応援してもらったり喜んでもらえる経験も初めて。苦しかったけど、挑戦しなかったら絶対に得られなかったもの。自分の音楽や体験をこうして分かち合って、自分のものだけじゃなくなる、その喜びを知りました。大袈裟だけど、なんだかこの日から今の人生が始まったような気さえします。そんなこの10年間は、すごくすごく愛しい日々でした。すべてのみなさん、ありがとう。
あれから10年後の2024年9月10日は朝からPodcastの収録をしていて、なんの大会にも出てないけど、ちょっとメモリアルな感覚の日でした。また生まれたような気持ちになりました。(誕生日前だけど、すでに)音楽も音楽以外のこともどんどん挑戦していきたい。アウトプットや道は、ひとつじゃなくて、たくさんあればあるほどいいなと思うようになりました。自分という存在は常に社会につながっている。その感覚をもって世界をみて、触れて、社会にいいものが流れ込んで回っていくように、はたらいていきたいなと思います。
そんな最近の気づきを安達茉莉子ちゃんとやってるPodcast、もちよりRadioの今日配信のSeasons 5 の34回目でも話したので、ぜひ聴いてみてください。なにかちょっとでも伝わって、軽やかな気分になってもらえたら嬉しいです。
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