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【書評に出た本】2024年7月

7月に書評掲載された本をご紹介します。

■小平麻衣子・井原あや・尾崎名津子・徳永夏子[編]『サンリオ出版大全――教養・メルヘン・SF文庫』

詩とメルヘン、いちご新聞、リリカ、サンリオSF文庫、映画……数々の出版物と〈ギフト〉を世に送り出した、1960年代から1980代までのサンリオの多彩な文化事業に迫る

サンリオ創業者の辻信太郎と、詩人のやなせたかしが出会い、抒情とヒューマニズムの夢をのせた出版事業が走り出す。「かわいい」キャラクター事業のかたわら、数々の出版物を世に送り出した新興企業は、他に類のない多彩な文化事業展開をみせ、多くのファンを獲得していった。大量消費時代に先駆けた1960年代から1980年代までのサンリオ出版を、「女性文化」や出版史のなかに位置づける初めての試み。

『図書新聞』 2024年7月27日(第3649号)(4面)「24年上半期読書アンケート」にて、岡和田晃氏(文芸評論家・作家)の印象に残った3点に選んでいただきました。

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「日本の古本屋」メルマガ(2024.3.25)「自著を語る」に小平麻衣子先生のエッセイが掲載されました。↓

■井伊雅子[著]『地域医療の経済学――医療の質・費用・ヘルスリテラシーの効果』

地域住民の安心感をどう高めるか

世界の最先端を走っているようで実は不備が目立つ日本の医療体制。人々が安心して暮らしていくためにはどんな情報やサービスが必要かを、地域医療の視点から丁寧に解説。診療や医師の「質」の問題、統計・エビデンスの扱いの問題、医療情報の開示、国民の健康に対する理解度など、国際比較を交え斬新な切り口から検討する、新しい医療経済論。

▶『週刊東洋経済』 2024年7月27日号「話題の本」(p. 85)に書評が掲載されました。評者は、河野龍太郎氏(BNPパリバ証券経済調査本部長)です。

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■太田奈名子[著]『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」――支配を生む声、人間を生む肉声』

「人間宣言」をしたのは誰だったのか?

GHQの指導のもと制作されたラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』を分析し、アメリカの占領政策と「ウォー・ギルト」、そして戦後日本の民主化の内実を問いなおす。

▶『朝日新聞』 2024年7月20日読書面(22面)「朝日新聞 書評委員19人の「夏に読みたい3点」」にて、 藤田結子氏(東京大学准教授)に選んでいただきました。

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【YouTube】著者がTBSラジオ「アシタノカレッジ」に出演、武田砂鉄と本についてお話しされました。↓

■稲葉なおと[著]『絹の襷――富岡製糸場に受け継がれた情熱』

150年間紡ぎ続けた“志”
明治の工場建築は、いくたびかの消滅の試練を乗り越え、なぜ世界遺産登録に至ることができたのか。その核心に迫る、渾身のノンフィクション!建築が永遠に残り続けるためには――

明治の富国強兵・殖産興業政策の先陣を切って、1872年の操業から2014年の世界遺産登録、そして今日まで150年あまりの間、誰がどのようにして富岡製糸場存続の襷をつなぎ、いくたびかの取り壊し案を退けながらこの産業・文化遺産を守ってきたのか。世界遺産登録から10周年を迎えるいま、富岡製糸場の「語られざる秘話」の核心に迫る渾身のノンフィクション。

▶『日本経済新聞』 2024年7月20日読書面(30面)に書評が掲載されました。評者は、井上章一氏(国際日本研究センター所長)です。

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■クラウディア・ゴールディン【著】/鹿田昌美【訳】『なぜ男女の賃金に格差があるのか――女性の生き方の経済学』

「男女平等」の先進国アメリカでも、男女の間に残る格差。これは決して人ごとではない――

女性たちはどのように「家族」と「仕事」を選択してきたのか。
ウーマンリブ、「静かな革命」、リリー・レッドベター公平賃金法など、20世紀以降を振り返りながら、各職業のデータを経済分析し、女性の賃金の上昇を阻む原因を抉り出す。アメリカのみならず世界の先進国の男女の「働き方」を見直すきっかけとなる一冊。

▶「日経BOOK PLUS」 前田裕之氏(学習院大学客員研究員・文筆家)による「経済学の本棚」で、「ジェンダー平等の実現を目指す経済学の本」の1冊として紹介されました(2024.7.12掲載)。本文はこちら

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■田中瑛[著]『〈声なき声〉のジャーナリズム――マイノリティの意見をいかに掬い上げるか』

SNS時代のジャーナリズム論

誰もが情報を発信し、フェイクニュースが氾濫するこの時代に、ジャーナリストは「真正性」をいかに担保し、マイノリティの声を掬い上げ、活性化させるべきなのか。

本書は、現代のデジタル化するメディア環境において、言説がより個別に、より自然に、より親密になり、「真正性」(本物らしさ)を追い求めるなかで、ジャーナリズムをどのように再定義すべきかを論ずるものである。
『真相深入り!虎ノ門ニュース』や『ハートネットTV』、『クィア・アイ』といったTV番組の言説構造の分析から、情報の送り手と受け手の関係性を編み直し、ジャーナリズムが〈声なき声〉をいかに掬い上げ、活性化すべきかの方途を探る。そして、ジャーナリズムの担い手が送り手と受け手の垣根を超え、等身大の自分自身として語り、自分たちの居場所としてのメディアについて考える。そうした社会のかたちのイメージを描き出し、もっと幅広い文化的実践をジャーナリズムとして再評価していく。

▶『週刊読書人』 2024年7月21日号(6面) に書評が掲載されました。評者は金井啓子氏(近畿大学総合社会学部教授・ジャーナリズム論)です。

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7月の書評は以上です!

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