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【書評に出た本】2024年5月
5月に書評掲載された本をご紹介します。
■小平麻衣子・井原あや・尾崎名津子・徳永夏子[編]『サンリオ出版大全――教養・メルヘン・SF文庫』
詩とメルヘン、いちご新聞、リリカ、サンリオSF文庫、映画……数々の出版物と〈ギフト〉を世に送り出した、1960年代から1980代までのサンリオの多彩な文化事業に迫る
サンリオ創業者の辻信太郎と、詩人のやなせたかしが出会い、抒情とヒューマニズムの夢をのせた出版事業が走り出す。「かわいい」キャラクター事業のかたわら、数々の出版物を世に送り出した新興企業は、他に類のない多彩な文化事業展開をみせ、多くのファンを獲得していった。大量消費時代に先駆けた1960年代から1980年代までのサンリオ出版を、「女性文化」や出版史のなかに位置づける初めての試み。
▶『週刊読書人』 2024年5月31日号(第3541号)(5面)に書評が掲載されました。評者は、野中モモ氏(翻訳家・ライター)です。
▶『毎日新聞』2024年5月4日読書面(12面)「今週の本棚」に書評が掲載されました。評者は、持田叙子氏(日本近代文学研究者)です。
▶『Pen』2024年6月号「BOOK」(p.128)に書評が掲載されました。評者は、印南敦史氏(作家/書評家)です。
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「日本の古本屋」メルマガ(2024.3.25)「自著を語る」に小平麻衣子先生のエッセイが掲載されました。↓
■土田千愛 [著]/『日本の難民保護――出入国管理政策の戦後史』
日本は、「難民鎖国」なのか。
日本は、難民政策をとりながら、いかにして出入国管理における国家主権を維持してきたのか。
「庇護希望者」に、いかに救いの手を差し伸べるか。
戦後日本の出入国管理政策の政策形成プロセスの検証から明らかにする。
▶『図書新聞』2024年5月4日号(3面)に書評が掲載されました。評者は、山本哲史氏(航空自衛隊幹部学校航空研究センター研究員)です。
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■細谷雄一・板橋拓己 [編著]『民主主義は甦るのか?――歴史から考えるポピュリズム』
歴史は繰り返すのか――。
ポピュリズムは民主主義をどのように崩壊させていくのか。
また衰退した民主主義はどうすれば再生できるのか。
現代の難問を解く上で、歴史からのヒントを与える注目作。。
▶『毎日新聞』 2024年5月8日「BOOK WATCHING」(14面)にて紹介されました。
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■外川昌彦[著]『岡倉天心とインド――「アジアは一つ」が生まれるまで』
オリエンタリズムに抗し、アジア独自の「美術史」を打ち立てようとした、日印共闘のドラマ――。
近代日本美術の父・岡倉天心(1863‒1913)
インド宗教改革運動の旗手・ヴィヴェーカーナンダ(1863‒1902)
近代日本美術の復興運動を指揮した岡倉天心は、道半ばで東京美術学校を非職となり、私生活も破綻をきたした1901年末に、突如、日本を脱して9か月にわたりインドに滞在する。
西洋が「美術」の基準とされた植民地時代のインドで、岡倉は自立したインド社会を構想する気鋭の知識人や芸術家、宗教家と邂逅し、その過程で『東洋の理想』などの代表的な英文著作を執筆する。
1893年のシカゴ宗教会議の活躍で知られる宗教改革者ヴィヴェーカーナンダとは、深い思想体験を共有するが、その改革運動が今日のインド社会に与える意味は、これまで十分には明らかにされてこなかった。
日印の資料を紐解いて、その国境を越えた知的変革の軌跡を描き出す、貴重な一冊。
▶『図書新聞』 2024年5月25日(第3640号)(6面)に書評が掲載されました。評者は、岡本佳子氏(国際基督教大学アジア文化研究所研究員)です。
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■髙柳克弘[著]『隠された芭蕉』
寂びることなく、未踏の旅へ
次代の新しい表現を切りひらく芭蕉論
芭蕉の俳句は、言葉で一つの世界を創り出そうとする強靭な意思に満ちあふれている。
子規・虚子らの近代以降の俳句観によって、実作者や研究者に注目されてこなかった「隠された芭蕉」の表現方法に注目し、次代の新しい表現を切りひらく芭蕉論。
▶『朝日新聞』 2024年5月26日朝日 俳壇・歌壇(9面)の「俳句時評」にて書評が掲載されました。評者は、岸本尚毅氏(俳人)です。
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■井伊雅子[著]『地域医療の経済学——医療の質・費用・ヘルスリテラシーの効果
地域住民の安心感をどう高めるか
世界の最先端を走っているようで実は不備が目立つ日本の医療体制。人々が安心して暮らしていくためにはどんな情報やサービスが必要かを、地域医療の視点から丁寧に解説。診療や医師の「質」の問題、統計・エビデンスの扱いの問題、医療情報の開示、国民の健康に対する理解度など、国際比較を交え斬新な切り口から検討する、新しい医療経済論。
▶『週刊エコノミスト』 2024年5月28日号「Book Review 話題の本」(p.50)に書評が掲載されました。評者は、土居丈朗氏(慶應義塾大学教授)です。
▶『経済セミナー』 2024年6・7月号(No.738)「BOOK ANGLE/新刊書紹介」(p. 113)にてご紹介いただきました。
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