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4年生引退ブログ③『糧』佐久間歩行

お世話になっております。
4年生の佐久間です。

このアカウントでは初めましての方が多いことかと思われます。
それもそのはずで、私はこれまでインタビュー企画や部員紹介などの参加は極力しないで来ました。

私自身、この部活では特に積極的に取り組んだり、主体的に働きかけた経験がなく、発信する内容が思い浮かばなかったためです。

そんな私ですが、最後くらいは…とお願いをされましたので引退ブログを書いてみることになりました。

とはいえ私には目立った活躍もなく、これといって主体性に取り組んだ項目もありませんから、部活動の枠を少しはみ出して振り返ろうと思います。もしお時間よろしければ一読なさってみてください。少し、長くなると思います。

『どんな選択をしても結局後悔は残る、だから自分の選択に対して精一杯やるしかない』

これは高校の友人の言葉です。
彼は塾高とsfcに合格し、sfcへ進学しました。その事に後悔はないか?という話になった時に聞いた言葉です。

思えば私がこの部活への入部を決めたのは、些か軽率な判断でした。
高校卒業から程なく、同期の和田から誘いがありました。
和田からは「緩くて楽しいサークル」だと聞いており、高校で運動をしなかった私は興味を持ち入部を決めました。

しかし期待と裏腹にその実態は正しく体育会でした。初日の練習場に「緩くて楽しいサークル」の姿はなく、私は初日にして入部を後悔しました。カルト教団やネズミ講でなかった事だけが救いでした。

それからは苦難の連続でした。遠くまで荷物を運びミスをして怒鳴られ、帰れば熱中症で動けない。高校で楽をした自分への罰だと思いました。

-苦労が報われるとは限らない-
我々は執行代となり部を率いましたが、こう言わざるを得ない終わり方をしました。
インカレ予選では大差で敗退、完全試合を喫します。また、最後のリーグ戦では1部全敗、2部降格となりました。

悔しさから涙するメンバー達、それをベンチから眺める私には涙する余裕もありませんでした。
2年半の苦労の末に見たものがこれか、と。インカレ予選の後は流石に響きました。
その後仮病で2週間休みました。仮病を使ったのは後にも先にもこの時だけです。

ただ、じゃあこの数年間は無駄だったのか、入部は間違いだったのか?
と思えばそれは違う気がします。

勿論、部活が無ければもっと輝かしい大学生活を送ることも出来たはずです。
毎日のように飲み歩き朝までカラオケしたり、インカレサークルで程よい彼女が出来たり、APEXやギャンブルに溺れたり。

ただ、隣の芝生は青く見えるものです。部活に入らなくても、きっと後悔する瞬間はあったと思います。
部活で辛い思いをする時、いつも友人の言葉が刺さります。
結局、自分の選択した事をやりきる事に価値を感じました。途中で辞めるのはよそう、自分で決めた事なんだから、と。

大学生活を振り返る時、結局最初に浮かび上がるのが部活です。
ネガティブなことばかり書きましたが、得られたものも大きいと思っています。

まず人間関係です。
主観になりますが、私は人間関係において特別恵まれている類であると自覚しています。
手前味噌になりますが、特に高校では本当に素晴らしい出会いが沢山できたと思っています。
部活の同期に関しては可もなく不可もなくといった感じでした。特段会いたいとなることも、練習で会ってストレスを感じることも無い。でもストレスが無いってとてもいいことなんだなと実感します。現実社会はといえば、今やハラスメントで満ち溢れているようですから。

また、部活で苦悩した経験というものが自分にとってなにか財産であるような気がしてならないのです。
この先難しい問題に直面したとき、「部活のあの時期あんなに辛い事があっても乗り越えたじゃないか」と背中を押してくれるような気がするわけです。
これは部活の経験に限らないのですが、例えば中学受験をした時も、中学で軟式野球をしていた時も、高校で留年しかけた時も、大学で経済学徒としてアダム・スミスの横顔と睨めっこをしていた日々も、そんな瞬間の一つ一つが今の自分を構成しています。
その中でも、この部活での経験は特に大きいな、と思うのです。

そんなこんなで手に入れた思い出や繋がりが、時には松葉杖となって、時には車椅子となって、向こう半世紀続いていくこれからの人生の支えになってくれるんだと思っているし、そう信じています。
何だかんだ書きましたが、こう考えると部活に入ったのも悪くはなかったなと思います。今後も多分こんな感じで自分の選択を尊重しつつ、自己肯定しつつ生きていくんだなとも思います。

最後に、今まで自分たちを支えてくれたOBの皆様、先輩、後輩、そして同期の皆様、どうもありがとうございました。
特に未だに顔を出してくださるOBの皆様から引退後時間が経っても大事にして貰えることが嬉しいし、そういう部活であることに誇りを感じています。

長くなってしまいましたがこれで終わりになります。自己啓発的にならないよう気をつけていたら、自分に言い聞かすような書き方になってしまいました。

特段文才があるわけでもなく、かといってドラマチックでもないこんな文章を最後まで読んでくださった皆様、ここまでありがとうございました。そんな物好きで暇を持て余した皆様にとって、なにか少しでも得るものがあるような内容になっていたら幸いです。

それでは、

『糧』

4年 佐久間歩行

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