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春学期活動報告 〜インクルーシブワークショップ〜

みなさんこんにちは。ユニタメ4年のダイアです!
今年度も猛暑が続く厳しい日々が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今回のnoteでは、あるワークショップの内容についてお話していこうと思います!

さて、7月6日(土)にPwCコンサルティング合同会社様の合同社内研修に牛島ゼミとして参加させていただきました。本研修は、昨年度から引き続いて開催されており、元ブラインドサッカー日本代表の落合啓士様と神奈川県のブラインドサッカーチームbuen cambio yokohama様も参加され、賑やかな研修になりました。

本題のワークショップレポートの前に落合啓士様(皆さんからはおっちーさんと呼ばれているため、ここでもそのように呼ばせていただきます!)の簡単な紹介をさせていただきます。
おっちーさんは横浜のご出身で幼少期からサッカーをされていましたが、10歳の頃から徐々に視力が落ちる網膜色素変性症にかかり、18歳で視覚障害者に。25歳でブラインドサッカーと出会い、2003年には初の日本代表選出。そして、2013年からは背番号10番を背負い、キャプテンとしてチームを牽引し活躍されました。また2010年には横浜で神奈川県初のブラインドサッカーチームbuen cambio yokohamaを設立。続く2020年には松本山雅B.F.C.の監督に就任し、日本初の全盲監督として指導しながらブラインドサッカーの普及活動や講演等を通して自身の経験を発信されています。
実はおっちーさんとはunispo(ユニタメの前身)時代や昨年度の活動で関わらせていただいており、今後もおっちーさんとの関わりを通して、私たちの理念に向けて活動していきたいと思います。

ではここからはワークショップの内容に触れていきます。
まず初めにアイマスクをつけてのブラインドサッカーワークを行いました。皆さんもぜひ試してもらいたいのですが、目が見えなくなると身体の自由が奪われるだけでなく、それ以上に何も見えない恐怖に襲われます。ボールを蹴るのはもちろん、走ることやまっすぐ歩くことすら難しく、普段自分たちがいかに視覚に頼って生きているかを実感することができました。
視覚以外の五感を研ぎ澄ませて臨んでいたわけですが、そんな環境下で最も頼りになったのが、チームメイトからの声がけでした。ワークを通して徐々に信頼関係が生まれ、指示に対して安心して次の一歩を踏み出すことができるようになりました。
私はこのブラインドサッカーワークから「視覚を奪われることの難しさ」「視覚以外の重要さ」という他者視点を手に入れるとともに、「コミュニケーションを取る時の発信の仕方」や「ブラインドサッカーの楽しさ」という共有視点を得ることができました!

ブラインドサッカーワーク


午後からはおっちーさんのゲストスピーチということでおっちーさんが視覚障害者になられる前後のお話とブラインドサッカーとの出会いをスピーチしていただきました。おっちーさんは前述した通り、後天的に目が見えなくなってしまった方でだんだんと目が見えなくなっていく恐怖感を感じられていたそうです。ですが、おっちーさんは続けられていたサッカーがきっかけでブラインドサッカー界へ挑戦し、日本代表のキャプテンにまで。そんなおっちーさんがおっしゃていたのは、物事をプラスの視点でとらえることでした。「僕は目が見えなくなったおかげで夢見る日本代表になれた、目が見えなくなってよかった。」

例えば、ブラインドサッカーに関しても私が感じたのは目が見えない恐怖心でしたが、視覚障がい者の方々は「コートの中には自由がある」という表現をするそうです。そんなおっちーさんだからこそ、目が見えなくても自分の新たな可能性に果敢に挑戦し、今なお活躍されているのだと思いました。
そして私が、もう一つ印象的だった言葉があります。
「僕は視覚障がいを“やっている”。これは自分が選択したことであってさまざまな選択の上に今の自分がある」
先ほどのお言葉とも共通する部分があるのですが、ここにあったのは究極の自覚意識です。自分の現状を悲観的に捉えたり他人のせいにするのではなく、自分ごととして自分の現状と将来に向き合うことは、すべての人にとって重要であるように感じました。

おっちーさんによる講演


さて最後のワークは午前中のブラインドサッカーワークのグループでのマイノリティの視点を考えるグループワークでした。行った内容は大きく分けて2つありました。1つ目は、今回のワークショップの移動時間の間で、視覚障害者の方がどのような感情を抱く可能性があるかをブレストするというものでした。プラスの感情はピンクの付箋に、マイナスの感情は青の付箋にそれぞれ書き込み、それを感じるであろう時間帯に貼り付けました。このワークだけでも人それぞれ物事の捉え方や感情の違いが分かるのが非常に面白いと感じました。2つ目は、視覚障害者を含む障害者の方だけでなく私たち健常者も十分に恩恵を受けられるサービスを考えるというものでした。先のワークの中で話題になったのが地下通路の存在でした。地下通路は車などの危険が少なく、また暑さ・寒さに強いというポジティブな要素に対し、東京の複雑な駅になると標識が多すぎて結局自分の目的地に繋がる出口がわからないなどのネガティブな要素も存在しました。私たちは既存のマップアプリに地下通路での案内機能を視覚・聴覚ともに搭載することをアイディアとして出しました。こうして新しいサービスが生まれるのだと感じたとともに、そのような時に障がい者や子供・高齢者、外国人など、多様な人からの視点を大切にし、すべての人にとって便利なサービス・商品を作ることが重要であると感じました。

ワークの様子


ここまで読んでいただきありがとうございました。今回のワークショップではおっちーさんだけでなく、buen cambio yokohama様やPwCコンサルティング合同会社様にも大変お世話になりました。普段は学生同士でグループワークを行うことが多い当ゼミですが、社会人の方とのグループワークでは普段とは異なる視点からの意見を聞くことができ大変勉強になりました。今回のワークショップで得た学びをユニタメの活動にしっかりと活かしていきたいと思います!それではまた次回のnoteでお会いしましょう!

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