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インサイドヘッド‐頭の中の感情たち‐

先週の木曜日8月1日にディズニー&ピクサーの最新作『インサイドヘッド2』が公開になりました。楽しみにされていた方も多いのではないでしょうか。

今回は、『インサイドヘッド』シリーズを、さらに楽しめるような感情の大切さについてお伝えしたいと思います。『インサイドヘッド』の概要としては、以下の通りです。

人間の少女の頭の中を舞台に、そこに住む「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」「恐れ」の5つの「感情」を題材としており、擬人化されたそれらのキャラクターを主人公に据え、彼らが少女を幸せにすべく奮闘する様子が描かれている。

インサイド・ヘッド - Wikipedia

『インサイドヘッド』で、登場する主人公である5つの感情(ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ)は心理学ではそれぞれ基本感情と呼ばれ、文化や人種に関係なく人間に備わっているとされています。

物語では、カナシミ(悲しみ)はトラブルメーカーとして描かれています。果たして悲しみは不要な感情でしょうか。また、悲しみに限らず喜び以外の怒りや嫌悪、恐れもネガティブな感情に分類されます。それらの感情も必要のないものでしょうか。

悲しみ(カナシミ)の感情は、気持ちを落ち込ませ元気をなくさせます。しかし、他者と共感し合ったり他者から助けてもらったりなど他者との協力関係を育みます。つらい気持ちを抱えている人に対して、無理やりポジティブにさせようと楽しい話題をしても迷惑がられてしまいます。悲しみを表したり悲しみに寄り添うことがコミュニケーションの上でも大切になります。

怒り(イカリ)の感情は、目標達成の妨げとなっている障壁を除去します。迷惑をかけられている場合は、怒りを表すことで相手にその言動が迷惑であることを伝えることができ、今後迷惑をかけてこないようにできます。

嫌悪(ムカムカ)の感情は、不快や有害な対象の排除に役立ちます。得体のしれないものに対しては、食べたら体に悪いものかもしれないとにおいや見た目などから判断したり、触ったら危ないかもしれないなどと危険を未然に防ぎます。

恐れ(ビビリ)の感情は、脅威に対してそれがどれほどのものか、どのような危険があるかなどを見定めたり、戦うべきかすぐに逃げるべきかなどを判断することに役立っています。狩猟をしていた時代の人間は、動物に襲われて命を落とすなどの脅威がたくさんありました。

どの感情も大切なその人を形づくるものです。『インサイドヘッド』では、それが分かりやすく楽しく実感することができ、メンタルヘルスを学ぶ上でも優れた作品です。『インサイドヘッド2』では、さらにシンパイ(不安)、イイナー(嫉妬)、ハズカシ(羞恥心)、ダリィ(倦怠感)などの感情たちも増えて、思春期を迎える主人公の女の子ライリーの頭の中の複雑な感情模様を描いています。

それぞれの感情の大切さを伝える1作目同様、子どものみでなく以前ライリーと同じように思春期を経た大人の方たちにも楽しめる作品であると思います。

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