不動産価格は街の年齢を左右する
今回の記事は一応上記に通ずるもの(必ずしも繋がっているとは断言できない)なのでその辺に捨てるほど時間が有り余っている暇な人はあらかじめ見ていただきたい。
東京オリンピック選手村跡の「晴海フラッグ」(が周辺相場より安いので)最高倍率が111倍、とかいうニュースを先日見かけた。確かに「相場」と比べると安いが、何度も言うがそれは真の相場か?今の相場は例えて言うなら「転売ヤー」が買い占めそれを転売し、どうしても欲しい人が転売ヤーから購入している「相場」になんとなく似ている。中で抜いている人間がいるということだ。批判反論ご自由にどうぞ。自由市場なので欲しい人がいれば価格が上がるということは理解しているが、これも何度も言うが価格に根拠がないのだ。周りを見渡すと金を持っている人が家を買い、金を持っていない人が家を借りる(しか方法がない)。あ、金を持っていてあえて家を借りる人はいいですよ、ちゃんとした考えや理由を持っている人なので。あと私は買える人を妬んでいるわけでもない。変な買いものしているなぁとは思うが。
不動産業界に風穴をあけている(と私は勝手に思っている)、オー○ンちょめちょめという会社がある。最近そこの会社が建てている物件情報を見たが、いやはや、尊敬に値するレベルだ。人間どれだけ狭い家に住めるかチャレンジでもしているのか?という区割りの土地と3階建てテンプレート木造建物の組み合わせだ。余談だが建物は、簡単に言うと、出っ張りなどを全く作らずまっすぐな壁4面と片流れの屋根の組み合わせが一番安く建てることができる。しかしそれで3階建てを作るとまあなんとも言えないのっぺりとしたつまらない建物ができあがる(レゴなどで作ってみればすぐにわかる、住んでみたら意外に住みやすかったり気にならなかったりもする)。これでは新築戸建を買おうとしている一般人は感動しない。そのため、ちょめちょめ社はあえて(?)無駄な出っ張りを作り、建物に凹凸を生み出す。外から見たらのっぺりとしていないなんかちょっといいかも、みたいな家ができあがる。いや、すごい狭いんですけどね。
いや、いいんですよ、それに価値を見出して首都圏(のちょっと外れた駅徒歩10分オーバーのところ)に5000万円↑で購入しても。買ってもらえるよう商品開発しているちょめ社がすごいんですから。でもひーこら働きながらやっともらった高くもない賃金をそんな(と言ったら購入者に失礼だが)家に消えていくと考えたら、なんだか悲しくなりませんか?いや、いいんですよ、納得しているなら。
私は趣味で、都心ではないとある地域の年齢別人口動向をチェックしている。その地域はここ数年、「人口」は大きく増減していない。しかし、年齢別で見てみると、大変興味深い。~18歳が減り、~25歳が大幅に減り、40~55歳が大幅に増え、60歳~が増えている。ここの地域は、「真の相場」と比べるとかなり高い戸建、マンションが多く供給されている。もちろん「真の相場」より少し高い(「相場」と比べるとリーズナブルに感じる)戸建も供給されているが、人口増に貢献できるほどの数は供給されていない。「真の相場」よりかなり高い戸建とマンションなので(その分グレードは高いが)、20代が購入するには、親の資金が大量に流入しない限りは購入できないレベルである。必然的に40代、それも45歳~が購入できるレベルである。不動産屋視点のみで見るとおそらくこれがその地域の人口動向に寄与しているのではないかと思う。駅前に大規模マンションが供給されたとて、こういった地域で購入する人は山の上に戸建を買ってしまって不便に感じていたリタイア組か金持っているもうすぐリタイア組がほとんどだ。それを裏付けるかのようにそこの学区内の小学校の生徒数は増えていない。これでは街は若返らない。若いパワーカップルはもっと都心に買う。
戸建やマンションを供給する不動産開発はその街全体の人口動向に影響する。その価格は年齢別の人口動向に影響する。不動産は衣食住の住にあたる部分である。大げさなことを言うと街を作ることも破壊することも不動産屋次第である。ここの部分をよく考えて開発してもらいたいものだが・・・大手であろうが不動産屋はどの人間も組織も自身の儲けしか考えていないのでまあ無理な話である。ここを行政が、例えば敷地最低面積や建物最低面積を設定するなど、規制すればいいのだが・・・おそらく業界団体が入り込んでいるのであろう、そう簡単に規制はできない。地域によっては行政も、若者の転出超過で悩んでいるだろうが・・・規制しない限りは無理だろう。
20代で持ち家欲しい人が気軽に買える世の中であったらなぁと思う次第。
いや、そもそも20代で持ち家という考えが日本国内で見てもグローバルで見てもおかしな考えなのか?「私にはまだ早い」が世間一般の普通なのだろうか。うーん、わからない。