スキルの言語化には「鳥の目/虫の目」「抽象/具体」の往復を
自分に何のスキルがあるのかわからない、という方がいます。
会社から給料をもらっている以上、何かしらのスキルを使い、アウトプットを提供しているはずです。
でも、日本の会社員は自分のスキルやアウトプットをアピールすることに慣れておらず、多くの人が会社に何を提供しているのか、言語化できていません。
一人で考え込んでいても、言語化の手掛かりはつかみにくいので、今日は言語化のヒントが見つかる「視点の変え方」についてお伝えします。
寄りの「虫の目」、引きの「鳥の目」
まず、普段の仕事内容を細かく洗い出してみましょう。
「電話応対」や「入力作業」など単純と思われる作業も含みます。
その時に、「誰に対して」「誰と一緒に」「どれくらいの精度で」「どれくらいの期間で」などと、付随する情報があれば一緒に思い出してみましょう。
褒められたことやトラブルなど、具体的なエピソードも思い出して、そこで自分がどんな力を発揮したのか考えてみます。
細部を細かく観察する「虫の目」です。
次に、少し視点を引いて、「全体の中の自分」を見てみます。
「部署の中の自分」「会社の中の自部署」「他業界の同じ職種と自部署」「競合他社と比べた自社」「社会の中の自社」と、俯瞰して考えてみます。
そこで、「他と比べたときの自分、自部署」の立ち位置と、その特徴が浮かび上がると思います。
例えば、電話応対ひとつとっても、「秘書」と「カスタマーセンター」と「法人営業の事務」では、関係する人も必要な対応も違うはずです。
不動産営業と生命保険の営業でも、大手老舗企業の採用担当とベンチャー企業の採用担当でも、それぞれ求められるスキルや資質は違うのではないでしょうか。
他との比較や、大きな枠組みの中で自分の立ち位置を考えることで、相対的な強みや特徴が見えやすくなります。
このように空から引いたような視点で俯瞰して観察するのが「鳥の目」です。
何気なくこなしている実務を、「虫の目」と「鳥の目」で、画角や解像度を変えて、よく観察してみてください。
意識していなかった、自分の得意が見つかるかもしれません。
抽象と具体を行ったり来たりする
そして、もうひとつ、「抽象⇔具体」を行ったり来たりする思考も試してみましょう。
作業や職種は、具体的なものです。
まず、そこで何を発揮しているか抽象的な言葉で表現します。
例えば、営業マンは一見「売る」をしているようですが、実はその過程で「ヒアリングして相手のニーズを把握する」という傾聴力や、「相手のニーズを満たす解決策を考える」という課題解決能力などを発揮しています。
一つの職種を因数分解すると、実は様々なスキルを複合的に使っていることに気づくでしょう。
ただし、具体的な自分の作業から、抽象的なスキルを抜き出すのは、簡単ではありません。「何に気付いていないか」に自力で気付くのは大変困難なことです。
そこで「ほかの具体例から、抽象化のヒントを見つける」のがおすすめです。
仕事についてなら、様々な職種の方のインタビュー記事を読んだり、求人情報を見てみるといいと思います。
「あ、自分と同じ職種のこの人のスキル、自分も使ってたな」
「全然ちがう仕事だけど、自分の職種でも使う能力を使うんだ」
などと、気づきが多いと思います。
一人で自分の心をのぞき込んでいても、語彙は増えません。
自分の仕事を鳥の目・虫の目で一通り振り返り、まだ言語化しきれていない余地がありそうなら、他の人の言語化を参考にしましょう。
さまざまな視点で自分を観察しているうちに、気づいていなかった思わぬスキルにピントが合うものです。
パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名
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