副業すると、余暇がなくなる?オンとオフを分断するか、融合するか
「会社員をしながら副業もすると、忙しくて余暇がなくなるのでは?」
昨日、東京都の創業支援拠点Startup Hub Tokyoで行ったトークイベントの質疑応答で、こんな質問をいただきました。
これに対し、私もゲストの山崎さんも「副業が楽しいので余暇をあまり必要だと感じない」とお答えしました。
山崎さんは、奥様と一緒に、パグなどの「鼻ペチャ犬」専用の洋服屋さんを経営されています。奥様が洋服をつくり、山崎さんがECサイトで販売し、2匹のパグはモデルとして活躍し、一家で力を合わせて仕事をしているそうです。
「時間があると、パグが可愛くて写真をたくさん撮りたくなる。仕事でなくても写真は撮ると思うので、副業の時間の中にリフレッシュの時間があるのと同じ」とのことでした。
私も、元々家でじっとしているのが苦手で、副業解禁前からプロボノを続けてきました。家の外に出て、誰かと協力してプロジェクトを推進したり、新しい知見を増やすのが好きなのです。やっていたのは編集、広報、司会などのプロボノで、現在はそれを事業として行っています。
文章にしても喋りにしても、「伝える」こと自体が楽しくて仕方がないので、仕事としてやっていても、楽しさの度合いとしては「遊び」と同じです。
オンとオフを分けたがる人も多いですが、私自身はオンとオフを融合させた方が調子がいいのです。
オンは我慢してがんばる、オフは自分らしくリラックス、という分け方だと、オンの時間が増えオフの時間が減った時に辛くなってしまいます。
オンもオフも楽しく自然体でいられるのが、私にとってベストな状態です。
もちろん、責任やプレッシャーは増えますが、それもまたいい刺激になるものです。張り合いが出て、さらにやる気が増したりします。
私はこの、副業で元気が出る状態を「アクティブレスト(積極的休養)」と呼んでいます。
もともとは健康、スポーツ関連の用語で、疲れた時に寝たり横になったりして完全に休むのではなく、軽く体を動かすことで効果的に疲労を回復することを指します。
軽い運動により、疲労物質が排出されるのを促進できるそうです。
もちろん、肉体と違って気持ちには物理的な意味での疲労物質は溜まりませんが、楽しくストレス発散になる仕事をすることで「気力」が回復している実感があります。
副業が「ストレスの溜まる辛いもの」ではなく「アクティブレスト」になるように、「楽しめる仕事を獲得できるように頑張る」「関係者といい人間関係をつくる」「攻撃してくる人とは関わらない」などは心がけています。
また、今は「楽しい」と「稼げる」を両立できていますが、最初からできていた訳ではありません。
たとえば、今は仕事として講演やモデレーターを依頼されますが、5年前は全く引き合いがありませんでした。
地道にプロボノで司会を続け、パラレルキャリアに関する知見を貯めるうちに、徐々に声がかかりはじめ、単価も上がっていきました。
何もできないのに、最初から「私、無料ではマイク握りませんから!」なんて態度をとっていたら、誰からも依頼されません。
誰にでもできる単純作業なら、手っ取り早く小銭は稼げたかもしれませんが、その路線だと「好きを仕事に」も「単価を上げる」も実現していないと思います。
無償のプロボノをしているとき「タダ働きするモチベは何?」と周囲から怪訝に思われたこともありましたが、今となってはその下積みをしておいて本当に良かったなと思います。しかも、下積中も楽しかったので、なんだかすごく得した気分です。
オンとオフを融合させるのが誰にとっても必ずよい、という訳ではないですが、「余暇が少なくて辛い」と感じる方は、発想を転換して「仕事と余暇を融合させる」という選択肢を考えてみてはいかがでしょうか?
※なお、もし「寝るのがもったいないほど楽しい」ことでも、睡眠時間を削るのはやめておきましょう!楽しい作業が心の休養にはなっても、体の休養にはなりません。睡眠時間が確保できないと、心身に不調をきたすリスクが増えるので、そこだけはご注意くださいね!帰省したときに心配してくる母のような締めですみません笑。
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