新しい我が家の全館空調
新居の空調=エアコンを使った全館空調
導入の経緯
新しい我が家は、普通のエアコンを2台使った全館空調にしています(予備のエアコンを2台設置しているので、4台設置されています)。
もともと妻の実家が全館空調(ダクト式)を20年前から入れられて、大変快適であるという話を聞いていたので、新居を建てるに当たり導入を検討することになりました。住宅展示場ではダクト式全館空調を大手ハウスメーカーのモデルハウスで体験したりしましたが、問題はコストの高さと将来的に壊れたときのメンテナンスコストの高さと、そもそも製造メーカーが撤退してしまうリスクが有るのでどうかなとおもっていました。いろいろ調べていくと、今どきの新築は、「高気密高断熱」といって、断熱性能を上げて、できるだけ隙間なく建てるのが主流になりつつあり、その性能をあげることで、エアコン一台でも家全体の空調をまかなえるというのを見つけました。更に調べると暖房は、「床下エアコン」といって一階の床下にエアコンを半分埋め込んで床下を暖房する方法があり、冷房については2Fの屋根裏、小屋裏にエアコンを設置する小屋裏エアコンという方法がある事がわかりました。
もう一つ、換気システムにもいくつか方式があり、全館空調にしたいととすると「第1種換気」と呼ばれる、吸気と排気の両方にファンを付けて、熱交換器で熱交換する方法が良いということがわかりました。
床下エアコンと小屋裏エアコンのシステム
そこで、建築士さん、ビルダー(工務店)さんに相談し、第1種換気の導入と、高気密高断熱になるような工法をお願いすることになりました。高気密高断熱になるような工法とは、一つは断熱材なのですが、これは硬質発泡ウレタン断熱という方法にすることにしました。この方法は、家の外壁ができたところで、内側に発泡スチロールのようなものを液体で吹き付けて、隙間をふさぎながら断熱材の層を作る方法です。もう一つは窓です。窓から熱が逃げるのを防ぐために、3重層ガラス、ガス入りの窓(サーモスX)にすることにしました。
第1種換気は、「澄家DC」というものを採用しました。これは熱交換器を床下において、外気を一旦床下にいれ、二階の各部屋やトイレなどからダクトで排気された空気を床下におろして熱交換して排出するシステムです。これを入れるためには、「基礎断熱」と呼ばれる家の基礎を一体空間として外気とふれるところに、硬質発泡ウレタン断熱をするという方法が必要になります。断熱された床下空間にエアコンをいれることで、床下エアコンを導入することができます。
これらの工法で、一応、高気密高断熱住宅と呼べる家となりました。断熱の施工が完了したところで「澄家」のメーカーさんに気密測定をしてもらい、気密性能の確認をしました(C値=約0.6、UA値=約0.5)。Youtubeで高気密高断熱を色々調べているとさらに高性能を追求するメーカーさんの動画もあり、それらによるとこれぐらいの性能ではまだまだでもっといろいろできることがあるようです(うちのやり方が一番!的な主張が多いです)。
暖房については、床下エアコンを利用します。床下エアコンは、冬の間、エアコンを暖房で稼働させることで床下空間を暖めると床下のガラリ(穴)から暖かい空気が換気の流れにのって上に上がっていきます。一階をあっためることができると輻射熱で2階も暖まるようです。エアコンは三菱の霧ヶ峰の普通の14畳用のものです。三菱のエアコンは温度センサーのあるリモコンを分離して設置することができるため、床下エアコンにおすすめのエアコンということで採用しました。2階の小屋裏には、「澄家DC」のオプションのエコエアシステムというファンが設置してあり、小屋裏の暖かい空気をダクトで1階の床下に送り込むことができるようになっています。これによって小屋裏に溜まった暖かい空気を再び床下に循環させることで家全体の温度差をなくすようにできるそうです。
冷房については、物置きとなる小屋裏部屋の外側の小屋裏空間に、床下と同じエアコンが設置してあります。通常は日射により温度上昇する小屋裏空間を冷房し、その冷気を2階の各部屋に落とすことで冷たい空気を行き渡らせる様になっています。いろいろ調べた限りでは、床下エアコンは暖房として比較的普及していて、それほど難易度は高くないようでしたが、小屋裏エアコンによる冷房については、なかなかそのノウハウを持っているところはなく、難しいかもしれないと「澄家DC」の会社さんにも言われました。最悪、一階、二階ともに旧宅から移設する普通の壁掛けエアコンがあるので、それでなんとかなるのではないかと考え、リスクをとることにしました。小屋裏空間から各部屋には、エアパスファンという換気扇が設置してあります。一方で小屋裏空間に温かい空気を送り込む必要があるので、一階からの吹き抜け上部の天井におなじエアパスファンを逆向きに1台とりつけてあります。小屋空間にある床下に空気を送り込むエコエアシステムも冷房時も空気を循環させるために使用する予定です。
理論上は上記のシステムで全館空調が実現できるはずなのですが、建築士さん、工務店さんも未経験のことなのでどうなるか?ということになりました。
HEMS
もう一つ、我が家は太陽光発電と蓄電池を導入しています。また前の家でも照明を一括コントロールしていたので、それも実現したいということで、それらを合わせてHEMSというシステムをいれることになりました。パナソニックのHEMSシステムAisegを入れました。HEMSには、太陽光システム、エコキュート、照明、通気ファン、テレビ、宅配ボックス、玄関ドアの鍵がつながっていて、一つの端末とスマホですべてをコントロールすることができます。これにGoogle Homeを組み合わせてもろもろの制御を音声でできるようにしてあります。これに加えて、Switchbotというスイッチを自動化する製品を導入しました。HEMSですべてがコントロールできればよかったのですが、床下エアコン・小屋裏エアコンのエアコンがそのままではHEMS対応が難しかったということもあり、swichbotのバブミニという赤外リモコンを学習させてネット制御できるようにするものをいれました。これにswichbot の温度計を、リビング、寝室、小屋裏空間、ベランダに設置し、温度、湿度、スケジュールによりエアコンをオン・オフできるようにしました。結果的には、パナソニックのHEMSよりもswichbotのほうが操作性もよく、コストも安いとおもいます。パナソニック製の無線通信のできる照明スイッチを大量に入れていますが、かなりの金額アップになっていると思います。普通のスイッチにして、switchbotをそれぞれ付けて自動化させたほうがコストは安く、管理はしやすいのではないかと思います。
梅雨明けの暑い日
5月1日に引っ越しをして、それほど空調を稼働させる必要もなく過ごしていましたが、梅雨となり湿度が高くなってきたので、switchbotの温度計とにらめっこしながら最適なエアコン運転を探っていきました。詳細は省略しますが、試行錯誤の結果、なんとか快適性を維持できたと思います。
最大の関心は梅雨明けの35度を超えるような日にこのシステムで対応できるか?です。結果的にはうまくいっています!最高気温35度の日でも、2階寝室で27.2度、1階リビングで27.4度でコントロールできています。現在の設定は、床下エアコンを除湿の弱モードにして24時間運転し、小屋裏エアコンを9時30分〜23時30分までの運転とし、小屋裏→2階へのファンを10時〜21時まで運転、吹き抜け→小屋裏へのファンを7時〜24時までの運転にしています。
総括
今の所、小屋裏エアコンによる全館空調は成功!と言えるかと思います。家の中は、ほぼ温度が一定で、トイレもお風呂場もとても快適です。前の家はこの時期、2階は灼熱地獄になっていたので、全くの別世界です。この方法の最大のメリットは、エアコンが壊れてもそれを取り替えるだけでよいということです。かつメーカーも問いません。あと電気代もダクト式の全館空調を入れるのと比べるとかなり安いのではないかとおもいます。今後のさらなる挑戦としては、西日により温度上昇することがわかったので、西側の窓にウインドウシェードを付けることです。これにより現状よりも室内の最大温度が下がるのではないかと考えています。あとは、床下エアコンでの除湿もコンクリートの基礎の水分が今年の冬くらいで抜けてしまえば、来年の夏は使わなくてもいいのではないかと考えています。あとは冬の暖房はまたもろもろ調整にチャレンジしないといけません。