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ポテトフライ・バタフライ・キャッチャーインザライ

ティロリ、ティロリ、ティロリ。

ポテトが揚がる。
世界でイチバン有名なあのハンバーガー屋さんのフライドポテトは、揚げる前のカットしたジャガイモを水に浸して、徹底的にイモの栄養素を外に出すことで、あのカリッカリの食感を生み出しているらしい。

食べても、何の栄養にもならないファストフード。
乗っても、どこに辿り着けるわけじゃないジェットコースター。
読む前と読んだ後で人生に何の変化ももたらさない読書。

意味がないことで、むしろ意味を持つようになるもの。
ただひたすらに今を楽しくするためだけの存在。
民衆の阿片。

ホールデンには理解できなかった「スカスカ女」にも存在意義はある。
だって、スカスカなほうがカリッと揚がるし。
文化的で最低限度で、健康的であるための栄養素はカプセルで取ればいい。

いまだに「世の中のことすべてが気に入らない」けど。

それに耐えられないほど、繊細でも無くなってきた気がする。
それが良いことなのか、悪いことなのか。
判断もつかないけれど。

ティロリ、ティロリ、ティロリ。

ポテトが揚がる。
雨はまだ上がらない。
イートインから街を見下ろすウィンドウを、流れ落ちていく雨粒を目で追いながら、リズムに合わせてポテトをかみ砕く。

ここから何かの物語が始まることもなければ、血にも肉にもならずに脂肪になるだけだろうけど、感じている美味しさと幸福感は確かにここにある。
飛んじゃうフライくらいに美味しいけど、それはライ


おわりー、どうぞよろしく、よろしくどうぞー。

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ケイン・池谷
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