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沿ドニエストル共和国紀行


沿ドニエストル共和国について
”沿ドニエストル共和国”
という国名をご存知でしょうか。?
おそらくほとんどの方がこの国名を知らないと思います。
世界に数ある未承認国家(国連が認めてない)のうちの一つでモルドバ 共和国の中にあります。
モルドバ を流れておりますドニエストル川沿いにあるためそのような国名となりました。


また、モルドバって聞いたことありますでしょうか?
よく”モルディブ”と間違われます、、、。

ヨーロッパ最貧国と言われる小国で右にウクライナ、左にルーマニアがある、その間にある小国です。
月の平均月収が2~3万円ぐらいだそうです。
特産品はワインです。味も超絶おいしくイギリス王室御用達のワインもあります。
(何年か前に流行った、恋のマイヤヒーの歌手はモルドバ出身です。)

沿ドニエストル共和国の簡単な歴史
ではなぜそのような国ができたかというと、ソ連崩壊の時代に少し時間を戻します。
ソビエト連邦が崩壊した際、もともとソビエトの一部であったモルドバ も独立しました。
しかし、モルドバ 国内にいたルーマニア系住民に国を統治されることをきらったロシア系住民が、「沿ドニエストル共和国」を勝手に独立宣言。その後1992年からトランスエストニア戦争として内戦が勃発。2ヶ月で休戦になりましたが沿ドニエストルの後ろ盾にロシアがつき、独立を支援。しかし、モルドバ の国内GDPの3割ぐらいがその地域のため、モルドバ も独立を容認できず今に至るという不思議な国です。
独立を伴う国民投票も、多数で独立派が勝利となっておりますが、ロシアの必殺技”不正”をしたともいわれております。
また、沿ドニエストル共和国は大統領も国家も軍隊も法律も通貨もあり国としての機能があります。
言いそびれましたが沿ドニエストル共和国はすべてロシア語です。
個人的な見解ですが、ウクライナを挟み撃ちにできる場所として沿ドニエストルをなんとしてでも保持させたいのではないかと思っています。


そんな国行けるのか?という疑問がわきますが、日帰りであれば行くことが可能です。(地球の歩き方では情勢不安を理由に渡航お勧めしておりません。日本人は泊りでの滞在は不可となっております。)

↓沿ドニエストル共和国市庁にあるレーニン像

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モルドバと沿ドニエストル共和国への行き方
まず、モルドバに行く必要があります。
私はロシアから飛行機で行きました。
行き:サンクトペテルブルク空港→キシナウ空港(モルドバ)
帰り:キシナウ空港→ドモジェドボ空港(モスクワ)です。
他にトルコから飛行機が出ているそうです。
陸路に関してですが、沿ドニエストル共和国がウクライナと接しており、
そこを陸路で通る場合、モルドバの入国スタンプがない状態になり、不法入国で逮捕される可能性がありますので飛行機で行くことをお勧めします。

さて、少し話がそれましたが沿ドニエストルへの行き方です。
モルドバの首都、キシナウ中央バザールに隣接しております、バスターミナルからの出発です。
バスターミナルはかなり広いため、”ティラスポリ”というと案内してくれます。
※ティラスポリとは沿ドニエストルの首都です。
料金は350円ぐらいで約2時間の乗車となります。
といっても、、旧ソ連諸国定番の乗り合いバン(マルシュルートカ)での移動で道も悪いためかなり大変です。
降りる場所は終点のティラスポリ駅で十分です。また、降りたい場所があるときドライバーに言えば途中で降ろしてもらえます。

↓終点のティラスポリ駅

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モルドバの中にありますが、国境というものが存在します。国境についたら降ろされますのでオフィスに行って通行証(レシート)をもらいます。もちろんパスポートは必要です。
※写真禁止
いくつか質問をされます。
”日本人?””日帰りだよね?”という質問のみでした。
悪名高き賄賂国境といわれていたのであっさりでした。。
そのレシートのような通行証は絶対に無くさないでください。
沿ドニエストル共和国出国時にパスポートとチェックがあります。

地図がない?
実はこの国、地図が売ってもなく街中にありません。地図は国家機密と考えているためです。ですので事前に調べていくかWIFIがあるところで見る等の対策が必要になります。
(ティラスポリ駅には唯一の地図がありました)

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ティラスポリについて
終点のティラスポリ駅につきましたら、帰りのバスの時間は必ず確認してください。日帰りで帰らないといけないので。
また、沿ドニエストル共和国は自国の通貨が必要になりますので、そこで両替を行ってください。

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私が行った時が3月にございます、国際女性デーだったためほぼすべての店が閉まっているという始末。。
事前に他の旅人のブログで見たレストランに行ったら空いてはいたものの貸し切り予約で門前払い。
偶然にもその店で昔アメリカの軍隊で働いていた英語が通じるアメリカ人(ティラスポリ在住←よくわからん)に出会い”マフィア”というお店を紹介していただきました。
少し距離があったため、タクシーを手配していただき乗りました。

その後、街探索や市庁等見学し、美容室で髪を切り帰りました。
同じ未承認国家のアブハジア共和国と南オセチア共和国大使館があるところに行きたかったのですが、事前の準備不足と疲労により諦めました。


帰路キシナウへ
バスターミナルのあるティラスポリ駅から再乗車です。
帰りもイミグレーションを通ります。バスに軍人が乗ってきますのでパスポートと滞在登録証を提示して終了となります。
帰りにドライバーから、「空港で降りないのか?」と聞かれたので、もしかしたら空港で降りてそのままモルドバ出国ということが可能だと思います。

最後に。
いろいろカオスな国だと思います。モルドバはルーマニア語の看板や標識ですが、口語はロシア語です。しかし沿ドニエストル共和国に入った瞬間すべてロシア語になりました。
私が泊まったキシナウのホテルフロントは英語が通じず、終始ロシア語でした。
沿ドニエストルの街中と言えば、ロシアの後ろ盾があっての独立でしたので、街の中にはロシアとの関係をアピールモニュメントやお知らせもあり、、
一番は崩壊したはずのソ連を、21世紀で味わうことができるところではないでしょうか。
沿ドニエストル共和国の国旗はモルドバソビエト社会主義共和国時代のものを使っておりますし、市庁の前にはレーニン像が鎮座いております。
その他戦争による殉職者の写真もありました。
一番興味深かったのはティラスポリ市内に住んでいる人に話を聞くと一度もモルドバから出たことが無いとのことでした。

最後に余談ですが、、、
沿ドニエストル共和国に入る際に登録した登録証のに英語とロシア語で個人情報が書かれるのですが、私のロシア語の名前が違っておりました。
それでも出入国問題なくできたので、そういうところ好きです。

長文ではありましたが読んでくださりありがとうございました。
渡航日2018年3月

沿ドニエストル共和国で一番人気のある髪型に頼んだらこうなりました。

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