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監理者とは建て主の代行者であり施工者の代弁者

こういう風にしてつくられているを伝える仕事でもある

監理業務とは

監理業務とは、
建て主の代わりに設計図書通りに施工されているのか確認し、
施工者に対して指導することです。
現場がガチャガチャと殺気立っている中で
なかなか施工者に言いにくいですよね。その代行者です。

それってどういうことか。

工事が終盤になると、いろんな業種が入り乱れます。
設計監理も大変な時期ですが、施工者の管理はそれ以上の混乱。
だからこそ、設計家は冷静に判断できるかどうかが職能になります。
既存壁のタチ(水平・垂直)が悪いからこの家具が納まるかわからん!
など。ほんの数ミリ。心苦しいが指摘せざるを得ない。

このような設計図通りつくっているかのチェックなのですが、
それだけではない気がしています。

監理業務のもうひとつの大切なこと

ある日はクロス施工。毎度、天井貼るのは職人技やなと思います。
依頼主にもきちんと伝える。こういう驚きもきちんと伝えないとね。
一点ものの工事でしか味わえない、依頼した価値ですからね。

天井のクロス貼。職人技です。

またある日は長さ4.2mの造作本棚、搬入組立。
ひとつの本棚に何人が関わっているのか。
この様を見るだけでも値打ちがあります。
図面は引くから何ができるかわかってはいますが、
やはりホンモノの力強さには敵わない。施工者に感謝。

4.2mの造作家具の設置。本棚のある暮らしまであと一歩。

毎度ながらこの時期は痩せる。ホントにでヤツれる。
だから、何件も並行してできない。

けれど、向こう30年の依頼主の未来を考えると、
この一瞬の判断で喜びが得られるのなら、妥協できないですよね。

化粧品の広告で「一瞬も 一生も 美しく」が好きです。
化粧品に限らず、現場での決断のとき、これを唱える。
その一瞬の喧喧諤諤を逃げないよう。現場に向き合う。

この様を含めて依頼主の人生のひとときに刻まれればよいなと思っています。

設計監理はみんなの手でつくられている実感を伝えることでもある

設計図通りになっていることをチェックするだけではなく、こういう風に懸命な人たちの手でつくっていることの代弁者でもなければならないと思っています。

家は大抵の場合、大きな買い物だから
その勝負に挑むデザインで。

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