浮気した話。7

ミクちゃんとは、お互いモヤモヤを抱えながらも、客観的に見れば普通のカップルだった。
一緒に学校に通ったり、たまにショッピングしたり。普通の毎日だった。

あの日が来るまでは。

その日はカノンちゃんに迎えにきてほしいと頼まれていた日だった。
夜遅く、カノンちゃんから連絡。
「T駅前のコンビニに迎えにきて。」

久しぶりに会える、嬉しく思ってしまっている自分がいた。

カノンちゃんを車に乗せる。

「迎えにきてくれてありがとう。これA君の好きなやつ。」

そう言って渡してきたのは私が好きなチョコレートだった。コンビニで買っておいてくれたらしい。

「どこに送ればいい?」

そう聞くとカノンちゃんは黙り込んだ。

たった数秒だったと思う。とても長く感じた。
カノンちゃんの横顔が少し大人びていて、見惚れてしまっていた。

そして、カノンちゃんが口を開いた。

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