戦後民主主義と国立

国立市長選を機に、改めて原武史さんの『空間と政治』(第12章「国立/新宿」、放送大学教育振興会)を読み直しています。
戦後民主主義や住民運動を考える上で、国立市は稀有な存在といえるでしょう。この街はもともと、反共・親米の立場をとっていた堤康次郎が率いる箱根土地開発によって造成されたのですが、朝鮮戦争をきっかけに反基地闘争が起こりました。それは反米、すなわち国家に対する闘争でもあったのです。
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そのような中、1955年に開館した国立町公民館は、住民自治の拠点となり、女性を中心とした学習活動が活発化していきます。「現代教養講座」(現在の市民講座の端緒)などを通じて、女性の住民運動への参加が進み、地域問題への提言も行われました。

国立市の歴史を踏まえると、地域を越えて、戦後民主主義の実践例として評価されてきた国立の意義をもう一度見つめ直し、その価値を未来に繋げていくことが求められるのではないでしょうか。

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