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保険プログラム入札(Bid)のタイミングについて

保険プログラムの更新あるいは新規手配の際に複数の保険会社へ相見積もりを取る入札を行うことを業界ではBidと呼ばれており、保険会社在籍時代は、既存顧客にはどうBidさせないようにするか、新規顧客にはどうBidしてもらうか、という事が重要であると教えられてきました。

確かに、長らく相見積もりを取っていない、特定の保険会社がずっと幹事をやっており見直しもしていない、これまでほとんど事故も起きた事が無い、というような大口企業保険契約であれば、 Bidを通じて支払保険料の削減が見込まれるかもしれません。

しかしながら、昨今のハードマーケットの状況、国内で営業する保険会社各社の企業保険契約に対する収益性改善認識の高まりから、これまでのように大口企業保険契約である事だけで、安い見積りを取れる時代ではなくなり、むしろBidを機にシェアアウトする保険会社も出てくる可能性もあります。

被保険者としては厳しい時代になりましたが、だからこそ保険会社Bidを戦略的に使う時代になったと感じます。闇雲に相見積もりを取るのではなく、大きなリスクの変更(大型投資の実行、M&A、ビジネスモデルの転換など)に合わせて、保険会社もリスクの不連続性を感じる時が望ましいと思います。

この時にも、事前に相見積もりを行うリスクについて、まず自社内で精査を行う事、保険マーケットとのコミュニケーションにより、彼らの引受アペタイトを確認する事といった事前の準備は重要です。リスクを保険料付きで出荷するというイメージで、保険会社を顧客と捉えると分かりやすいかもしれません。

また、一度決めたストラクチャーを毎年見直す事も避けた方が良いと思います。保険会社側のロードだけでなく、被保険者社内にも混乱を及ぼす事になりますので、Bid後数年間は被保険者の中で更なるリスク改善を進めて、来る次回のBidに向けて保険会社にとって魅力的なリスクとなるようデザインしていく事が重要だと思います。

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