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「自傷」2

親にバレてしまったおはなし。

厳密にいうと、他の人にバラされそうになってしまったから自分から暴露(白状?)したっていうのが正しいね。結構生傷もあったし、実は親も知ってたんじゃないかしら?と思ってたんだけど、それは思い違いだった。人は「思いがけないもの」への視力が極端に下がるらしい。確かに知らなければ見ないし意識しないと気付かないかもしれない。私だって自分がそういった行為をしたことがなければ人の腕なんて凝視しないだろうし。

私がいないときに、身内から言ってもらった。他人に聞かされるより、よっぽどマシだろうなって。親になったことないからわからないけど、自分の子供がしていることを他人から聞かされるってのは流石にしんどいんじゃないかしら、なんていう配慮?みたいなものは存在した(じゃあやるなよというお話なんだけど、それとこれとは別。別ったら別。あとまぁ、自分から言いたいよね…どうせバレるなら) 私が不在のときにそうしてもらって、どきどきしながら帰った。

どんな反応されるんだろう。怒られるかな。なにもなかったらいいな、でもそんなこと、ありえない、か。

ただいま。いつも通りより少し明るめのテンションで帰ってきたところ、それはそれはお通夜みたいなリビングが私を迎えてくれた。一体どんな表情をするのが正解なんだろう、とかなんとか考えたけど、全然わからなくて突っ立っていたっけか。

「見せてごらん」

母親の第一声。つらそうな顔してたな。今思い出しても苦しくなるくらいには。黙って差し出した左腕の内側は、薄い切り傷でいっぱいになってて、どうやったって誤魔化せない「リストカット」っていわれる見た目だったと思う。たくさん言われた疑問と、否定。泣いている母親と私、無言の室内、午後21時。

やめてくれ、と懇願された。本当に無理だから、やめて、と。だから数日くらいはやらなかった。でもやめられなかった。辞め方も辞める理由も分からないんだから、辞められるはずなんてなかった。煙草とかと同じで、自分の中で納得できる理由とモチベーションがないとなかなか辞められないんだよ、多分。暫く経った後で気づいた、というか、こういう理由で私は辞められなかったんじゃ?と思ったのが「心配されたかった」けど「それを汲み取れなかったし、伝わらなかった」からじゃないかしら、というやつ。どんな厳しい言葉も愛と叱咤だったと今ならわかるんだけど、昔は否定が強く感じられてしまったんだろうなって思う。当時の自分しかわからないことだから全部推測でしかない。

結局やめられなかった私は、その後どうしたかっていうと……っていうのが次のおはなし。

#自傷行為 #昔のはなし #リスカ

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