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その昔、夏は彩られていた

‪#‬推し短歌

今は昔。
私の地域の七夕祭りはある程度有名だった。

笹は大きく、笹の葉も下まで茂ったものが使われていた。

商店街が軒を連ねていたこの時代。
各商店で笹飾りを作った。
ご多分に漏れず、私が住んでいた祖母の家も商売をしていたので子供の頃は笹飾りを作るのが楽しかった。

少し大きくなると従姉妹たちが遊びに来て、ある程度の大きさになるまで2人で浴衣を着て飾り付けを楽しみながら歩いた。

家にいると必ず神社から聞こえるお化け屋敷の案内の声。
それもまた七夕祭りの風物詩だった。

それが時を経て、露天商が並ぶ、笹の葉は上の方にしかない、七夕飾りも申し訳程度、といった有様になってしまった。

さらにはあの流行病のせいで、時間も短縮された。


昔懐かしきそんな七夕祭りの歌を。

吹き流しくぐりしたびに絡みつく暑きあの日は遠くなりにし

見上げれば届きし笹は青々し輪飾り短冊装いキラリ


そして今。

笹飾り彩る町はセピア色露店連なり主役は何ぞ


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