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都立高校から私立中高の先生になる 2

2学期が始まる前の学校は会議と校内研修の嵐だ。都立も私立も関係ない。それでも中身が全然違った。

最初に「ビジョンの共有」が図られた。私たちはどこに向かっていくのか、どういう教育活動をしていくべきなのか。ブランドマーケティングさながら、私学校の中における自分たちの学校のポジションを過去・現在・将来(目指す位置)をスタッフ全員で確認する。これは、どの学校にもある教育目標とは違った。「どんな生徒に育てたいか」ではなく、「学校としてどこを目指すのか」という経営目標だった。

次に「方針」について示された。目指している学校の姿にしていくために何をするのか。マネージメント、いわゆる管理職と呼ばれる先生たちから大きな変革を提案される。唐突ではなく、すでに1学期末に布石は投じられていたからなのか驚きも反対意見もない。ここにいる先生たちは既存のやり方を変えることを恐れない。

さらに、育てたい力を育成するための「具体的な方法」を所属学年や担当教科レベルで対話を通して見つけていく。特定の生徒の顔を思い浮かべ、自分たちにできることは何かを話しながら、共通理解を図っていく。もうあまり驚かなくなったが、学年の「色」を尊重し合い、前年度やっていたことをそのまま踏襲するということはほとんどない。各担当者が「意味がある」と思ったことをやっていることが見えた。

実態を見据え授業や教育の中身に関する意見交換をすることは当たり前のようだが滅多にない。事務的な内容で一方的な情報提供で終わらない教員研修だった。都立と私立の違いがここにもあった。

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