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障がいと子育て
わたしの甥っ子げんちゃんは重度の知的障がい者。
10月14日に20歳になった。
身長は170センチを超えて見上げるほど
大きくなったが
知的な年齢は2歳ぐらいだと思われる。
発語がないので話をすることができないが
非言語的コミュニケーションなので
こちらが彼の言いたいことを代弁をする。
違うときは首降るし、
当たっている時はうなずいてくれるので、
なんとなくコミュニケーションを
取っている感じになる。
どうしてもわからない時は
iPadに彼に必要な単語を入れてあるので
それを使って会話をすることもできる。
ほんとに簡単な単語だよ。
「お腹が空きました」とか
行きたいスーパーやマックや
会いたいひとの名前など。
それでも確実に彼の伝えたいことなのか
どうかは、話をすることができないので
真意はわからない。
わたしはそのレベルだけど
母である姉はさすがげんちゃんの
ことをよくわかってる。
げんちゃんの大事な通訳係だ。
基本、彼は穏やかで優しい性格なのだが
自閉のこだわりが強く出て
時に関わりがとても大変になることも多い。
看護師をしている姉に頼まれて
彼を施設に送り届けたことがあるのだが
「施設に入りたくない」という意思表示で
2時間車から降りてくれなかったこともある。
無理矢理車から降ろすとさらに状況が
悪化することを知っているので
施設の職員さんと
彼から離れたところで見守り、
それでもだめなら
大好きばカップ焼きそばを引き合いに出したり、
手を変え品を変え、試行錯誤。
最終的に諦めたようで
やっと自分から車を降りてくれた。
やっぱ、障がいあってもなくても
自主性は大事よね。
新しい施設に移ったばかりだったから
彼も心の葛藤があった時期だったんだと思う。
わたしの母、つまりげんちゃんのお祖母ちゃん
は、昔から障がいに偏見を持つひとだった。
昭和初期に生まれているので、そんな時代背景
からも影響を受けているのだと思う。
わたしが子どもを生むときも
「障がいがなかったらそれでよし!」と
散々言っていたことをよく覚えている。
わたしが次男の重度のアトピーでくよくよ悩む
「げんやの障がいに比べたらアトピーなんて
いいじゃないか」とよく母に言われたし。
姉は離婚をして実家にげんちゃんを連れて
戻って来たのだが、その時は障がいがある
ことはわからなかった。
だけど、2か月後に生まれた次男が
げんちゃんの成長をどんどん追い越していくし、
ボーっとしているし、おかしいなと思う点は
多々あったんだ。
げんちゃんが重度の知的障がいとはっきり診断
されたのは2歳になった時だった。
そのことはこちらの記事で
げんちゃんに障がいがあると知り、
祖母である母はどんな風に感じたのだろう。
明確に聞いたことはないが母は
シングルで看護師をしている姉を助けるために
げんちゃんを一生懸命お世話をしていた。
特にトイレトレーニング。
これは本当に見事だった。
昨年、障がいのお子さんを預かる放課後デイサービスに
勤めたのだが、げんちゃんより軽い障がいでも
オムツが外れてないお子さんがけっこういたので
排泄の自立ができていることって
すごいことなんだなと改めて思った。
祖母である母はげんちゃんのことを
「〇〇で仕方がない」と言いながらも
彼女なりの愛情を持ってげんちゃんの
お世話をしていたんだと思う。
そう思うと
げんちゃんは母の価値観を変えてくれた
んだよね。
げんちゃんは実家の呪いを解くために
生まれてきたんじゃなかと姉と話した
こともあるのだけど
げんちゃんだけでなく
子どもは何かメッセージを持って
わたしたちのところに
生まれてきてくれたんじゃないかと
常々思っている。
それは漏れなく自分自身にも言える
ことなのだけど。
わたしの子育てもそう。
長男には強さと優しさを教えてもらったし、
次男には自分を優先することの大切さを
教えてもらった。
いや、次男くんはさ、反面教師で
自分優位で来るからムカッとすることが
マジで多いんだ。
でも、なんで次男にムカつくのかと
感じていくと
あんな風に自分のことだけ考えて生きたい
というわたしの願望の現れだったり
するんだよね。
だから、子育ては本当におもしろい。
2人の性格の違う息子がいることで
2人の自分を見せてもらったなと思っている。
どちらも自分なんだよ。
だから子どもを変えなくてもいい。
子どもに特性があるなら
その特性とどう大人が付き合っていくのか
どんな環境を与えてあげた方がいいかを
考えることが大事。
子どもはお母さんをしあわせにするために
生まれてくる。
そういった意味ではげんちゃんに
持って生まれた障がいはあったからこそ
大事なことをわたしも教えてもらったんだよね。
げんちゃんは大変だよ。
でも、げんちゃんは見てるだけで
しあわせな気持ちになるよ。
げんちゃんと姉と話していると
たくさん笑ってしあわせな気持ちに
なるよ。
そりゃ、いい面ばかりではないし、
育てている姉の苦労は計り知れないけど。
障がいあるとか、ないとか関係ないく
子育ては時にイライラしたり、問題を
発生させて困らせてくれるけど
今まで積み上げて苦しかった人生を
大逆転させるチャンスでもあるんだよね!