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「Vすること」って訳す動詞の変化(不定詞と動名詞)

名詞変化をした動詞の訳し方

今回は名詞を作る動詞の変化についての話です。動詞を名詞形に変化させうと、訳し方はだいたい「Vすること」というふうになります。でも日本語を話すときは、「こと」を付けない場合もあるんですよね。

My hobby is playing tennis.
I like to play tennis.

1つ目の英文は「趣味はテニスをすることだ」となるので、動詞変化通りの訳になります。2つ目の英文は、playがto不定詞に変化しているんですが、訳すときは「テニスをするのが好きだ」になると思います。ただこの訳し方で覚えていこうとすると、「テニスをする」という日本語から、動詞の名詞変化を忘れてしまいがちになるんです。(特に中高生!)だから、以下のような間違い英文が生まれてしまいます。

❌ My hobby is play tennis.
❌ I like play tennis.

動詞の直後に動詞の原形がいきなりポーンと置かれるのは、英語では絶対にNGです!2つ目の動詞は絶対に形を変化させてから置きます。(動詞は動名詞、不定詞、現在分詞、過去分詞に変化します)

わたしはこういうような誤り、特にbe動詞+一般動詞の原形という組み合わせをタラちゃん英語と呼んでご紹介しています。

やや脱線しましたが、なにを言いたいかというと「to V」(不定詞変化)だろうが「Ving」(動名詞変化)だろうが、名詞変化している動詞は統一して「Vすること」と訳すのが一番無難である、ということです!


形は違うけど、意味は同じ。使い方は?

不定詞(の名詞的用法*)と動名詞はどちらも同じく「Vすること」と訳せます。

*不定詞には名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3つがあり、訳し方は6種類くらいあるんです。今回は名詞の単元なので名詞的用法のみ!

訳し方が同じでも、使い方はまったく同じというわけにはいかないのです。そもそも名詞とは、文章中のどこに置くことができるか、覚えていますか?

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上の文章では「主語」「動詞の目的語」「前置詞の目的語」にそれぞれ名詞が置かれていますね。

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こちらの文章では「補語」にも名詞が使われています。このような「主語・動詞・補語(SVC)」の文章や「主語・動詞・目的語・補語(SVOC)」の文章では補語にも名詞を置くことができますね。

まとめると「主語」「動詞にとっての目的語」「前置詞にとっての目的語」「補語」に名詞を置くことができる、と言えます。

1.動名詞・不定詞で長い主語のカタマリを作らない

ただし!英語は基本的に「長過ぎる主語」がキライです。動名詞も不定詞も、そこそこ長いカタマリを作ることができてしまいます。だから長い動名詞・不定詞のカタマリを主語に置かないようにしましょう。

不定詞は名詞的用法以外に、「Vするために」と訳す副詞的用法というものがあります。この副詞的用法は文頭・文末に置かれるものです。文頭に副詞的用法を置く習慣があるので、主語に不定詞を置くことは避けたいのです。副詞だと思って読み進めていたら主語かーい!となったり、その逆も起こるからです。

動名詞は副詞を作りませんが、「Ving」という動詞変化は「現在分詞」という文法にもなります。こちらは形容詞と副詞を作るものです。あっ副詞…!ってなりましたよね。そうなんです。訳し方は5種類ほどあるんですが、現在分詞もまた文頭・文末に置いて、副詞を作るんです。これを現在分詞構文と呼びます。名前なんて今は覚えなくて大丈夫、とにかくVing形もまた副詞を作ることがあるんだということを理解しておいてください!現在分詞構文の場合、接続詞のwhenやifと同じように「,」(カンマ)を使う場合が多いです。カンマはなくてもいいんですが、高校のテキストだと9割くらいはカンマがついています。

なにを言いたいかというと、動名詞・不定詞で長い主語のカタマリを作らないようにしておこう!と言うことです。(文法的に誤りがあるわけではありませんよ😄)

2.SVOC/SVOOの時のOも、長すぎるのはNG

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SVOCというのはこの「主語・動詞・目的語・補語」の語順のことです。

SVOOというのは「主語・動詞・目的語・目的語」の語順のことです。

この語順を使うとき、ふつう目的語を長くするのは読み取りにくくなるので避けます。どこまでが目的語なのかひと目で分かりにくくなっちゃうんですね!たとえばこんなのです。

I make to play tennis twice a week a rule.
わたしは週に2回テニスをすることを(自分のなかで)ルールにしている。

「to play tennis twice a week」が目的語で「a rule」が補語になりますが、一見、「え、ア・ウィーク・ア・ルール」となっちゃいそうじゃないですか?これは単語がかんたんなので意味からすぐに理解することができますが、難しい単語になってくると読みとるのが大変ですよね。だから以下のように「仮のit」を使うのがふつうです。

I make it a rule to play tennis twice a week.

目的語に、不定詞の代わりとしてitを置いておくんです。そして長過ぎる不定詞は、一番最後にあとまわし!

この「仮のit」は主語にも使うことができます!

It is a rule to play tennis twice a week.

長過ぎる主語(不定詞)の代わりにitを置いて、その不定詞は一番最後!この「仮のit」はまだまだ使い方があるので、「長い主語は嫌いという英語の特性(仮主語&仮目的語)」という単元でも説明しますね😄


3.不定詞だけのルール:前置詞のうしろに不定詞はNG!

1つ前の記事の繰り返しになりますが、覚えていましたか?前置詞にとっての目的語には、名詞を置きます。しかし、そこには不定詞を100%置くことができません。前置詞の後ろに動詞を置きたいときは、必ず動名詞変化(-ing)をさせてくださいね。


4.動詞のうしろには不定詞・動名詞どっちでも置ける?

結論から言うと

・動名詞しか続けられない場合(V Ving)
・不定詞しか続けられない場合(V to V)
・どっちも置けるけど、意味が変わる場合
・意味が同じだからどっちでもいい場合

この4パターンがあります。高校では、不定詞VS動名詞なんていう単元で取り上げられる「動詞の語法」ですね。

4-1 動名詞しか続けられない場合(V Ving)

「Ving」しか取れない動詞を覚えるために、それぞれの動詞の頭文字を取った語呂合わせがあります。「MEGAFEPS」(※実在しない英単語です)とかです。ですがこれだけじゃ少ないので、新しいアナグラムを作成してみました!

MS. GEM FACED PAPA'S IQ.
ジェムさんは、パパのIQに立ち向かった。

mind Ving Vするのを嫌がる
stop Ving Vするのを止める
give up Ving Vするのを諦める
enjoy Ving Vするのを楽しむ
miss Ving Vしそこなう
finish Ving Vするのが終わる
appreciate Ving Vすることを感謝する
consider Ving Vすることを考える
escape Ving Vすることから逃れる
deny Ving Vするのを否定する
practice Ving Vするのを練習する
avoid Ving Vするのを避ける
postpone Ving / put off Ving Vするのを延期する
admit Ving Vするのを認める
suggest Ving Vするのを提案する
imagine Ving Vするのを想像する
quit Ving Vするのを止める

動詞のイメージとしては基本的に「過去や現在を良くも悪くも意識している」ものが多いです。(suggestやimagineは現在から見て、という現在思考と考えればOK!)そして「未来に関することとなると、逃避傾向にある」(mind、give up、escape、deny、avoid、postpone、put off、quit)と考えていいです。


4-2 不定詞しか続けられない場合(V to V)

反対に、「to V」の形を続ける動詞のほとんどが「未来」のニュアンスを持っているんです。こっちのほうが数が多いので、「したい気持ち」「目的・要望」「消極的な意思」の3グループに分けることができます。(つまり定期テストや入試用に学習するなら、先に動名詞をとる動詞を覚えるよりも!不定詞の3グループの存在を知っているほうが効率的ということです!)

①これからVしたい気持ちがある

want to V Vしたいと思う
hope to V Vしたいと望む
care to V [疑/仮] Vしたいと思う
seek to V Vしようと努力する
aim to V Vするのを目指す
plan to V Vするつもりだ
intend to V Vするつもりだ
yearn to V Vしたがる
appear to V Vするように思われる
would like to V Vしたいと願う
wish to V Vしたいと思う
desire to V Vしたいと切望する
attempt to V Vしようと務める
expect to V Vするつもりだ
promise to V Vする約束をする
decide to V Vすると決意する
seem to V  Vするように思われる

②これからVするのが目的・要求である

help to V Vするのに役立つ
arrange to V Vする手配をする
vow to V Vすることを誓う
ask to V Vするよう求める
claim to V Vすると主張する
afford to V Vする余裕がある
prepare to V Vする準備をする
happen to V たまたまVする
manage to V  なんとかVする
learn to V Vできるようになる
offer to V Vするのを提案する
swear to V Vすることを誓う
demand to V Vするのを要求する
agree to V Vするのに同意する
deserve to V Vするにふさわしい
wait to V Vするのを待つ
tend to V Vする傾向がある

③これからVすることに対し消極的である

cease to V Vするのをやめる
threaten to V Vする恐れがある
refuse to V Vするのを拒む
fail to V Vしそこなう
hesitate to V Vするのをためらう
pretend to V Vするのを装う

うーん、なかなかの数がありますね!でも3グループの大雑把な意味を理解しておけば大丈夫です!


4-3 どっちも置けるけど、意味が変わる場合

この場合でも、動名詞と不定詞の、それぞれのざっくりとしたイメージは同じです。動名詞は「過去・現在の反復動作のイメージ」不定詞は「未来のイメージ」で覚えておきましょう。

forget Ving すでにVしたことを忘れる
forget to V これからVするのを忘れる

remember Ving すでにVしたことを覚えている
remember to V これからVするのを覚えている

regret Ving 過去にVしたことを後悔する
regret to V 残念なことに、これからVする

go on Ving (すでにしていることを)Vし続ける
go on to V 次にVする

stop Ving すでに行っていた習慣・動作を止める
stop to V (これから)Vするために立ち止まる

try Ving 達成するまで実際にVしてみる
try to V これからVしようとする(けどできない)

mean Ving 結果としてVすることを意味する
mean to V これからの計画として、Vするつもりだ

こうして見てみると、意外と統一感があるんです😄✨

4-4 意味が同じだからどっちでもいい場合

今回登場していない動詞の場合は、まぁどっちでもOK!と考えましょう。(本当にその動詞が「~すること」というカタマリを続けても不自然ではない場合ですが!)もっと上位のレベルの単語に関しては、グループに当てはめて予想をつけてみてくださいね。


まとめ

たくさん書きましたが、動名詞と不定詞は、基本的に同じように使えばOKなんです。動詞だけ、ちょっと違いを押し出してくるので、そこだけ…!でもこれを気をつけなきゃいけないのは、受験生と英作文の試験がある資格を受験する人くらいですね。日常生活の会話やメールのやり取りで間違えたって、なんてことはありません。どちらも同じ「Vすること」ですから!

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