助動詞を使った慣用表現の考え方
慣用表現ってなんやねーん!?
英語では、イディオム(idiom)と言います。2語以上の単語が組み合わさって、新しい意味を成す表現のことです。助動詞の慣用表現では、助動詞のほかに1~2語くっついて形を作ります。たとえば動詞の慣用表現の場合、使われている単語の本来の意味からかけ離れた意味を作ることも多いのですが、助動詞の場合はそこまでではありません。なぜならあくまでも動詞に意味を添えるのが助動詞の役割なので、助動詞そのものが理解できていなくても、そこまで困らないのです。動詞とnotさえ読み取れ、聞き取れればとりあえずOK!
一方で意味が大きく変わりがちな動詞でのイディオムについては、第5章で考え方の説明をしています。
そもそも本当に覚える必要があるのか?
慣用表現と言うとTHE受験英語の4択問題ですね!読解に使われることも、もちろんありますが、正しい語順・形を理解することが一番大切です。覚えるには少し時間とコツが必要ですが、一度覚えてしまえばこっちのもの!3秒で解けるようになる、ありがたい設問になります。ちなみに数は全部で19個です。
出てきたらラッキーと思えるようになるか、出てきたら捨てようと思うようにするかどうか、どちらの姿勢で挑むかは、自分の学年や時期と照らし合わせて考えてください。
高校3年生の秋ごろなら、志望大学の赤本と照らし合わせて、文法問題や和訳問題が少ないようであれば捨てても良いと思います。センター試験の4択や並び替えでもあまり使われません。
高校1年生や2年生は、まだまだこれからです!可能なかぎりは理解して、自分のものにしていきたいですね😉
社会人の方は後回しでいいでしょう。慣用表現が分からないから、なにかが分からない、ということはほとんどないと思います。動詞の意味さえ掴めていれば、そこまで大きく意味を捉え間違えることがないからです。TOEICやIELTSの英作文やスピーキングテストにあえて取り入れる必要もありません!一通り学習して基本が定着してからでOKです。
慣用表現の全体図
助動詞の慣用表現の全体図
19種類もの使い方、ひたすら書いたり暗唱したりしてもいいかもしれませんが、頭がこんがらがりそうですね!?文法のイディオムは、分解し、使われているパーツの使い方や意味を理解するほうが、より定着しやすくなります。比較の表現なんか特にそうです!種類が多く、長さもあるんですね。慣用表現の意味や例文のほかに、1つ1つのイディオムの成り立ちにも注目して見ていきましょう。
can/could を使った慣用表現
※すべて過去形could notに書き換え可能
canの場合は、ややこしいのが「Vせざるを得ない」です。これだけで3パターンもあるからです。
#1 cannot help but V
「cannot help but」と来たら、動詞の何形でしょうか?という4択問題が多く出題されます。原形、動名詞形、不定詞形などが選択肢に並ぶんですね。ここで「cannot help Ving」とこんがらがって、動名詞を選んでしまう人も少なくないと思います。がしかし、「but」の使い方さえ覚えていればOK!そんな引っ掛け問題は怖くありません!
「but」は「等位接続詞」というグループの仲間です。このグループにはandやorもあります。「等位接続詞」のルールとして、接続詞の前後に置く要素の形を揃えるというのがあります。
[名詞同士] I play tennis on Saturday and Sunday.
[動名詞同士] I like playing tennis and watching movies.
[動詞同士] I play tennis and have a drink after that.
[文章同士] I played tennis and I had a drink after that.
これと同じで、「cannot help but V」は、butが同じ形のV原形を並列していると考えればいいですね。
#2 cannot but V
「cannot but V」は、「助動詞のうしろは原形の原形!」と言う基本のルールに反する構文です。こういったものが、英語は例外が多くてイヤだ~!と思わせる原因の1つではないでしょうか?ですが英語の考え方は変えられません。あなたの考え方を変えるしかないんですね!
というわけで、これの覚え方としてまず「英語は省略するのが大好き💗」というルールをあなたの心の辞書に加えてください。接続詞にも、仮定法にも、比較にも、省略があります。文法テキストの後半の単元は省略だらけ!どちらかというと日本語のほうが基本的な文法の時点で省略しまくっていますので(主語がなくても良いなど)、この高度なルールは日本人には定着済みなんですよね😉これでハードル下がりましたか?😉
なぜ省略するのか、という深い英語の言語的な歴史は考えずに、とりあえず「あっ、helpを省略しやがったな~!?英語ってほんと省略好きだな~!まったくも~!勘弁してよね~!(けどそんな英語のことが大好き💗)」と思えるのがいいでしょう。
#3 cannot help Ving
下記のリンクによると、この形が大本だと考えていいようです。#1で紹介した「cannot help but V」というのも、もともとはこのingを省略したもののようです。以下のような記述がありました。
I can't help (but) think(ing)
つまり、#1ではingを、#2ではhelpを、#3の表現ではbutを省略しているんです。そしてbutを省略すると、「動詞+動詞の原形」という英文法のなかでもっともキライな語順になってしまうので、2個目の動詞を変化させる必要がでてきます。だから動名詞形になっているんです。
ちなみにこの「help Ving」を正解とする4択問題では、同時に選択肢に不定詞(to V)が並びます。「help to V」は「Vするのに役立つ」という意味を作ってしまうので✕です!みなさんよくご存知の、手伝うという意味のhelpですね。
こちらのリンクはthe University of Michigan(ミシガン大学)のサイトに置かれている、John Lawler教授の「English Grammar FAQ」というページの一部なのですが、こちらの解説では以下のように書いてありました。
(1) 口語では「cannot」ではなく「can't」を使うほうが自然。
(2)「can't but V」という表現は3つの中でもっともstink(劣る)と思う。
(3) つまり「I cannot but V」とするのが一番ダメ。
英会話/英作文ではどれ使えばええねん?と思った社会人のあなた!John教授によれば、cannot but V < can't but V < can't help but V < can't help Ving という順で好まれる、とのことです。作文や会話をするときは「can't help Ving」を使ってくださいね!
さて次は「いくら形容詞にVしても足りない」の2つの表現です。こちらも「too」と「enough」という言葉の使い方を覚えていれば難なくクリア!
#4 cannot V too 形容詞
品詞には置く順番というものがあります。こんなかんじです!基本は説明を加える相手の直前に、説明的な品詞を置くんです。
(1) 頻度を表す副詞(説明)→動詞
(2) 動詞←程度を表す副詞(説明)
(2) 副詞1語(説明)→形容詞
(3) 形容詞←副詞(説明)のカタマリ2語以上
(4) 形容詞1語(説明)→名詞
(5) 名詞←形容詞(説明)のカタマリ2語以上
(6) 副詞(説明)→形容詞(説明)→名詞
副詞は動詞や形容詞に説明を加え、形容詞は名詞に説明を加えます。ということは、tooの品詞を覚えておけばいいわけです。tooは「副詞」です。副詞だから、形容詞の前に置くんです!
#5 cannot V 形容詞 enough
「じゃあなんで同じ副詞のenoughは形容詞の後ろに置くんだ!?」と反乱が起きそうです。思い出してください、英文法の裏社会で根付いている闇のルールを…。さきほども触れましたね…。そう、省略です。
(3)番と(5)番の語順ルールを見てください。形容詞や副詞が2語以上から成るカタマリのとき、説明する相手(名詞や形容詞)の後に置くというルールなんです。
たとえば「a special menu」(特別なメニュー)だったら語順は「形容詞→名詞」です。specialが1語のみだからです。ところが「special for you」(あなたのための特別な)という3語のカタマリになったら、これはmenuの後ろに置かなければいけません。「a menu special for you」となります。もしmenuの前に置いたら「a special for you menu」となり、言葉の区切りが分からないんですね。「あなたメニューのためのスペシャルな?」と読み違えてしまいそう。
じゃあenoughはいったいなにが省略されているのかというと以下のようなものたちです。
That room is large enough for us.
その部屋は私たちにとって十分広い。
That room is large enough to live.
その部屋は住むには十分広い。
That room is large enough for us to live.
その部屋は私たちが住むには十分広い。
enoughという副詞は、直後にカタマリを取る可能性がおおいにあるんですね!だったら常に後ろに置いときゃええやんけ!という話になった…んじゃないでしょうか?少なくともルールを覚えるには十分な理屈ではないですか?😉
あと(1)番と(2)番に副詞と動詞の順番を書いていますが、動詞に説明を加える場合も、enoughは動詞の直後に置かれます。なぜならばenoughは「程度」を表す副詞の仲間だからです。
you are a big blessing and i can't appreciate enough your kind support to Interiors team
あなたは神の恵みだ。あなたのインテリア・チームに対する心優しい支援には、いくら感謝してもし足りないよ。(検索結果)
I can't appreciate enough what she did for me and my husband.
彼女がわたしとわたしの夫にしてくれたことには、いくら感謝してもしきれない。(検索結果)
副詞のジャンルごとに好ましいポジションというのがあるんですが(頻度を表す副詞alwaysなどは動詞の前!)、ぶっちゃけほとんどの副詞は文頭、文末にも置けます。動詞の前後も合わせて、わりとどこに置いても大丈夫なのが副詞です。だから件数は少ないですが、ぐぐると一応、使用例が出てきます。
they can't enough do their bloody research properly.(検索結果)
やつらはやつらの忌々しい調査をいくらきっちりやっても、やりきれない。(=めちゃくちゃ調査してるんだけどまだ足りない)
整理するとこうなります!
(1) 副詞はふつう形容詞の前に置く。(形容詞はふつう名詞の前に置く)
(2) 副詞が2語以上のカタマリになるときは、形容詞の後ろに置く。(形容詞が2語以上のカタマリになるときは、名詞の後ろに置く)
(3) enoughは1語のみでも、本来あとに続く要素盛りだくさんなので、後ろに置きっぱなしにする。
(4) 動詞に説明を加える場合は、動詞の直後に置くのが一般的。
ちなみにですが、enoughと同じ考え方で覚えるべき表現があります。それが形容詞のworth(価値がある)です。worthはほとんどの場合、後ろに動詞のing形を持ってきて「Vする価値がある名詞」と使います。これもやはりworthが2語以上のカタマリを作るから名詞の後ろに置かれるわけですね。
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would を使った慣用表現
※willへの書き換えはNG
wouldは、can/couldのようなややこしさがないのでハッピーな気持ちで学習できると思います。
#1 would like A
1つ前の記事で「will」とその過去形「would」には、主語の意思を伝える役割があると書きました。「自ら望んでVする(notがあればしない)」という訳し方ができるんです。未来形というのが「未来に行う/行わないと決めたこと」を表すので、その流れにのってるんですね。
willだろうがwouldだろうが「願望」の意味が込められるとおぼえておけば、その後ろに「like A」(Aを好む)がきて、「Aが欲しい」という意味になるのも不自然ではありませんね。Aを好むということは、Aを選んでいることと同じ意味です!would likeは「自らAを好んで選ぶ」イメージなんですね。これを簡単に言うと「欲しい」ってことです。
だけどwill like toにするのは✕なんです!残念なことに存在しない助動詞なんです。would like toのwouldは、ていねいな表現として使われているんですね。英語では、現在形がカジュアルさを出し、過去形がていねいさを表すんです。過去の時間が、現在の自分から離れているというアイディアが根底にあります。時間軸で考えてみてください!
これが対人関係にも応用されているんです。「自分から見て心理的に距離がある人」には「過去形」を、「自分と心理的に距離が近い人」には「現在形」を使います。だから依頼表現は、「Could you~?」だと見知らぬ人や目上の人に対するていねいさを意味し、「Can you~?」だと友達同士のようなカジュアルさを意味します。
#2 would like to V
上の#1と同じ理論です。今度はAのかわりに不定詞「to V」がきています。動詞ですから、動作・状態を表しますね。「Vという動作」や「Vである状態」を「望んで選ぶ」、と考えます。だから「Vしたい」という意味になるんです!これは「want to V」(Vしたい)のていねいバージョンとして覚えましょう。
#3 would often V
「よくVしたものだ」という意味に近い助動詞がありましたね。「かつてVしたものだ」という訳で出てきました。覚えていますか?2単語から成る助動詞です。似た形の紛らわしい表現が複数あるやつです!はい、答えはused toですね。would oftenはused toの、2つある意味のうちの片方「かつて行っていた動作」と同じように使えます。
wouldは「主語の意思」を表す、とさきほどもやりました。「~するという意思がある」ことを意味するんですよね。今回は時制の役割も拾うので、「will」の過去形なので「意思があった」となります。
oftenは「頻度を表す副詞」です。「よく/頻繁に~する」という意味ですね。学校英語で「しばしば」と訳すのは好きじゃないです。日本語の日常会話で実際に使う和訳がいいですよね!
この2つを合体すると「よくVする意思があった」=「よくVしていた」となります。
used toには「かつて~存在していた」という意味もあるのですが、would oftenではこれが作れません。それはoftenのせいですね。日本語でも「よく存在していた」って、なんだかおかしいですよね?え、消えたり出てきたりを繰り返すの?となります。
used toを使うと以下のような、都市開発で変わっていく町の姿を匂わせる文が作れます。
「There used to be a large filed.」
ここにはかつて広い畑があったんだよね。(今はもうないんだけどさ…。)
これが「used to」でなく「would often」だったら、「ここでは頻繁に広い畑が現れたり消えたりしてたんだよなぁ」となってしまいます。箱庭ゲームの住人か!って話ですね😉
#4 would rather V1 than V2
wouldが「意思・願望」に関する助動詞だというのは、もう4個目ともなれば覚えてしまったでしょうか!?じゃああとは残りのキーワード、ratherとthanへの理解を深めるのみですね🌟ここは単純な要素の足し算ですので楽勝ですよ!
ratherは、見た目から推測できなさそうな単語なので、まずは品詞を考えてみましょう!動詞の前にある場合はどれでしたか?
①名詞 ②形容詞 ③動詞 ④副詞
答えは対話文の下にまとめて置いておきます。なにを選んだか覚えておいてくださいね!
意味はシチュエーションで推測するのがいいですね。対話文をみてください!
"Know what? I found the movie you recommended last year on Amazon Prime, so I finally watched it."
"Is that on Amazon Prime already? So how do feel, good or bad?"
"Yeah, for me, it was rather good, except the flying sharks."
"Nothing remains without that, you know."
どうですか?伝わりましたか?英語はなんとなく分かったけど、ちょっと言葉が思いつかないな~という方のために、日本語バージョンの穴埋めもご用意してます!単語の推測は、あなたの日本語力にもかかってるんです!
「あのね、去年オススメしてくれた映画がアマゾンプライムにあったから、やっと観たよ!」
「もうアマゾンプライムにあるんだ?じゃあ、どうだった?よかった?悪かった?」
「まぁわたしとしては、( rather )良かったかな。空飛ぶサメを除けばね」
「それを取ったらなにも残らないじゃん、ねぇ」
これで予想できたでしょうか?答えは「どちらかというと」でした!品詞は④の副詞が正解です。例文ではbe動詞が使われているんですが、be動詞は代名詞の主語と短縮形(I am → I'mなど)を作れるので、いつでも主語の隣にいたいんです💗だから副詞はあいだに割り込みません!
ratherについてはこれで記憶できそうですか?最後はthanです!
thanは比較級の単元で習う「前置詞・接続詞」です。どちらの品詞もOK!つまりthanの後ろには「名詞のカタマリ」もしくは「SVを含む文章」が来ることになります。比較級を使った文章は中学2年生で扱うので、きっと目にしたことがあると思います。
That movie was more interesting than this one.
あの映画はこれよりも、もっとおもしろかったよ。
She explained it to him in more detail than I did.
彼女は、私がしたよりもっと詳しく、彼にそれを説明してくれた。
どちらの文章でもthanの後ろには「比較対象」となる存在が置かれていますね。上の文では「あの映画」の比較対象が「この映画」、下の文では「彼女が説明した事実」の比較対象が「私が説明した事実」というわけです!
それではもとの形に戻ってみましょう。
一見、長い助動詞はやってらんねえな!と思い込みがちですが、1つ1つの意味を理解していけば、案外そんなに高いハードルではないということが見えてきますね。
きっとここで1つの疑問が浮かんだ方がいるかもしれないので、そちらも解消しておこうと思います!「than」という言葉の役割に対し、先ほどどんなふうに説明したか覚えていますか?
「thanは前置詞と接続詞の役割がある」と説明していました。前置詞というのは後ろに名詞をとる品詞で、接続詞はうしろにSVの文章をとるものなんですよね。
えっじゃあ今使われてるthanは動詞の原形をつけちゃってるけど、なんで?と思いませんか!?思いますよね。今回の記事でお伝えした「英語のルール」を思い返してみてください😊
答えは「省略する」というルールです!英語が省略を行いたくなるときは基本的に「なくても意味が伝わるっしょ?」というときです。
cannot but Vは、cannnot help butV からhelpを省略したものでしたよね。「別にhelpなくても、Vさえあればいんだから良いっしょ」ということなんです。cannot help Vingはbutを省略したうえでVを変化させたものでした。これも「別にbutなくても分かるっしょ?」というわけです。
そういうわけで今回もなくてもいいっしょ?というものが消えてしまったんです。それは、接続詞thanのうしろにあるべきだった主語です。
I would rather watch shark movies than ( I ) see sharks in an aquarium.
(わたしは)水族館にいるサメを見るよりも、どちらかというと、わたしはサメ映画を観たい。
なぜ「主語のIはなくてもいい」と考えられるかというと、文頭ですでに「I」が登場しているからです。「同一人物の動作なんだし、わざわざもう1回言わんでいいっしょ?何度も言うの、だるすぎるっしょ?」と思えるんですね。
この「英語の省略への気持ち」がよく理解できていないと、thanを前置詞だと思ってしまい、うしろについつい動名詞(Ving)形を置いてしまうんですよね。助動詞の4択問題で間違えあるあるです!
would rather V1 than V2では、接続詞than以降は必ず主語を省略し、動詞の原形を置いてくださいね。
English grammar would rather leave out the same word than use it again.
英文法は、もう1度同じ単語を使うよりも、どちらかというと、それを省略したい。
🌟leaveは「~のままにする」、outは「外野→離脱→不在」という意味があります。だから「leave out」で「省略する」になるんですね~!
may/might を使った慣用表現
4つありますが1番目はmayのみが使えます。他3つはmayでもmightでもOKです。これらの慣用表現を見る前に、mayの根本となる意味を確認しておきましょう。
You use may to indicate that something will possibly happen or be true in the future, but you cannot be certain.(Collins Dicitonary)
ポイントは太字部分の動詞です。
1.will possibly happen - おそらく起きるであろうこと
2.will be true in the future - 将来事実になるだろうこと
3.cannot be certain - 確信はできないこと
mightに関しては、以下のように書かれています。
used to express the possibility that something will happen or be done, or that something is true although not very likely(Cambrige Dictionaryより引用)
ポイントはこちらです。
1.will happen - 起こるであろうこと
2.will be done - 行われるであろうこと
3.is true although not very likely - そんなに可能性がなさそうではあるけど、事実であること
「起こるだろう」という意味のmayと違って、mightは「起こらなさそうだけど、ありえるかも」という意味なんですね。どちらも可能性を示しますが、mightは「起こらない」前提も含んでいます。
#1 May S V!
だから、この慣用表現ではmightは使わないんです。「May S V!」は「祈願」を表しています。「あ~~!神様!どうか彼氏が近場の大学に受かりますように!!」というのを祈願といいます。お願いやお祈りをするときって「多分無理だろうけど…」なんていうネガティブな前提、ふつうはいれないですよね?だからmightを変わりに使っちゃダメなんですね。
May my boyfriend pass the university in this area!
どうか彼氏が近場の大学に受かりますように!
この慣用表現にはもう1つポイントがあります。それは、疑問文の形になっているクセして、びっくりマークで文章が終わっているという点です。きっとみなさん、「助動詞を文頭に置いたら、それは疑問文!だから最後はハテナで終わる!」って染み込んでいますよね?だけどこれはびっくりマーク。
今回は疑問に思っているわけではない、ということはまず分かりますね。神社に来て「彼氏が県内の大学に受かる可能性はあるかなぁ?」とは言わないですもんね。
じゃあなぜ疑問文の形になっているのかというと、英語では「文章中にある最も大事な要素を文頭に置き、その部分を強調して伝える」ことを好みます。(この形を使う助動詞はmayだけです!文頭に置くのは副詞が多いです。これについてはまた後ほど😉)
というわけで「祈願」のmayが文頭に来るのは「神様神様神様~!!!お願いがあるんです~~!!!!これからお願い事言うのでちゃんと聞いててよね!!」というふうに、祈願であることを強調したいからなんですね。
#2 may(might) well V
wellの意味から確認しましょう。「I can play the piano well.」(ピアノが上手に弾ける)などという中学英語にもあるように、wellは「上手に」という意味があります。だけどこれは一部分的な訳し方なので、また英英辞典で確認します!
1. in a good way, to a high or satisfactory standard
2. very much, to a great degree, or completely
(Cambrige Dictionaryより引用)
先ほどの「上手に」は1番の意味に当てはまりますね。「高い/満足できる基準まで」と書かれています。2番では「とても」とあります。「とても良い程度まで、もしくは完全に」と続いています。つまりwellの根本的な意味は「レベルMAX!もしくはそれに近い程度」というわけです。
というわけで、意味の足し算をすると、上の画像のようになります。
mightの場合は「起こる可能性はないかもしれないけど…」という前提がそもそもあるので、may wellほど「起こりえる可能性レベル高ッ!」とはなりません。
当然Vするっしょ?よりかは、低めの確信ですので。「えっ?彼氏に浮気されたの?あぁ~、なら男友だちと出かけて慰めてもらうのも分かるわぁ(まぁ自分が自棄酒する可能性はなさそうだけどもしかしたらワンチャンやるかな~)」というかんじですね!
#3 may(might) as well V
「Vするほうがいいだろう」と訳されるこのmayとmightの慣用表現ですが、さきほどの#2の表現と違うのは「as」が加わったというだけです。だから余計に紛らわしい!2つの日本語訳を覚えたとしても、どっちがどっちだっけ~?となってしまいますよね。それを避けるために、asの意味をしっかり理解していきましょう!
asには、前置詞・接続詞どちらの役割もあります!そこでCambridge Dictionaryの2つの共通項として説明されている箇所を見てみましょう。中学2年生でやったことを思い出せば、調べなくとも分かるかもしれません。考えてみてくださいね😉
前置詞(preposition)・接続詞(conjunction)共通した役割
used in expressions that compare two things, persons, groups, or qualities
(Cambdige Dictionaryより引用)
「compare two」とあります。compareは「比較する」という意味ですから、asには「2つのものを比較する」という役割があるんですね。比較級の表現で使われている通りです。今回比較するのものは、助動詞うしろにくっついてくるものから考えると「動詞」ですね。つまりここでのasは「2つの動作を比較している」と考えられます!
というわけで、#2で行った言葉の足し算にこの2つのものを比べる要素を加えます。
may/might as wellは英英辞典だと以下のように説明されています。
used to suggest doing something, often when there is nothing better to do(Cambridge Dictionaryより引用)
「suggest doing」(Vすることを提案)するために使われる。その後ろに「when there is nothing better」(より良い選択肢が他にないとき)という条件付けがされていますね。だから「ほかに具体的な比較対象があるわけではないけど、とにかく今はこうすることが最善だろうな」というざっくりした判断を意味します。例えば以下のような状況で使えます。
2019年12月31日、わたしは友だちのチアキちゃんと、はじめての初日の出登山にチャレンジすることになりました。向かった山は東京都にある日の出山です。わたしは登山経験はあるものの、冬山は初めて!十分に警戒し、しっかりと装備を整えていきました。夏の富士山のご来光登山の経験があったわたしは、初日の出も5時過ぎに見えるものだと思っており、2時頃山頂に到着しました。まだ3グループくらいしかおらず、良い場所をとってゴロゴロするわたしたち。3時間くらいなら待てるだろうと思っていました。だけど、少しずつ人が集まり始めたなかで、絶望的な一言を聞きます。
「日の入りは7時過ぎか~」
えっプラス2時間!?しんど~!
夏と冬で日の入りの時間が違うことをすっかり忘れてたんですよね。徐々に体は冷え切っていき、震えが止まりません。十分だと思っていた装備は、イマイチ物足りていなかったんですね。
そのころチアキちゃんは、ずっと横になって眠っていました。寒くて震える中、いくら声をかけても、グッタリ。あとから分かったのですがインフルエンザを発症していたんです。寒いし、なんか体調やばそうだし、もしかしてこのまま寝かしてたら死ぬ!?と思いながらも、わたしは思いました。
"Well, we may as well sleep untill the sunrise."
「まぁ、日の入りまで眠ったほうがいいよね(他に選択肢もないし…)」
ところが寒すぎて一睡もできませんでした。
ぶじ日の出を拝むことはできましたが、下山するときは疲労と睡魔との戦いです。気を抜いたら滑降すると分かっていたので、緊張を保つために自分のテンポを維持して下山しました。チアキちゃんはインフルエンザとの戦いで、彼女もまた彼女のテンポで時間をかけて下山しました。 THE END
ちなみにこの構文ではmayを使ってもmightを使っても差はありません!英英辞典でも同じページに登場しています。
#4 may/might as well V1 as V2
もっと長くなった~!とゲンナリしてしまいそうですが、#3の表現の最後に新たに「as V2」が加わっただけです。動詞(V)が2つ登場しているので、分かりやすいにように番号を振っています。勘の鋭い方ならこの「as V2」がなにを示しているか、すでに分かってしまいそうですね?😉
「may as well V」では「なにか動作を比べたうえで、Vするほうが最善だと思う」という意味を表すんでしたよね。ですが具体的になにかと比べたわけではありません。じゃあそろそろ、具体的な比較対象、欲しくなっちゃいますね~!?というのが、今回の「as V2」です!
こちらも超個人的な具体例と共に使い方をご紹介いたします!みなさんも実体験と結びつけて、例文を作ってみてくださいね🌟
2月中旬に、友だちのチアキちゃん、もう1人の女子会いつメンであるマリコとわたしで週末キャンプをすることになっていました。3ヶ月前からログハウスの予約をし、楽しみに待っていたのですが、天気予報はあいにくの雨&雪!天気予報のスクショをグループトークに送ったら、以下のような反応が返ってきました。
"We may as well go to karaoke as camp in the snow."
「雪のなかでキャンプするよりも、カラオケしに行ったほうがいいよね」
わたしたちは極寒の日の出登山から学んでいたので、装備はさらに厳重に準備していましたが、雨や雪があると焚き火も怪しくなってきます。前日に電話をし、キャンプは延期となりました。当日はカラオケへ行き、日々の憂さ晴らしを満足するまで行いました。その日の天気は曇りでした。THE END
中学高校で「as=同じ」と習っているのもあり、どうしても「同一」の意味が強くなってしまいます。「as」はそれよりもまず「比較対象を表す前置詞」なんだと理解しておいてください!
高校ではさらに「as well as A」(Aと同様に)や「as well」(同様に)という副詞のイディオムがあるので、混乱しないように気をつけましょう!でも慣用表現の成り立ちをここで学んだみなさんは、もうきっと大丈夫です😉
have/had を使った慣用表現
#had better V
手元にあったら「Evergreen」(英文法解説書Forestの後継版)でhad betterの説明を見たところ「[忠告] Vしなさい」と書かれていました。受験対策本なので1語1訳になってしまうんでしょうか。had betterに対する考えがこれだけだと、ちょっと物足りないです!
betterですが、これはgoodとwellの比較級ですね。「good/well - better - best」(良い - もっと良い - 一番良い)という変化をします。「better=もっと良い状態」という理解だけでOKです!
※goodとwellは同じ「良い」という意味ですが、goodは形容詞、wellは副詞という品詞の違いがあります。
hadはなぜhadなのか?と思ったことはありますか?もっと厳密に言うと、なぜhaveではないのか?という疑問です。
これはcould(canの過去形)とwould(willの過去形)のことを思い出してもらうと解決できます。couldとwouldはどちらも過去形で、「仮定法」という表現を作ることができる助動詞です。仮定法というのは「現実には起こりえないことを、たとえ話する」ための表現でしたよね。「あぁ~試験直前だ…。あと3日で単語10000個覚えられたらな~」(まぁ無理だけど…)というものです。
このようにあえて過去形の助動詞を使うことで、「現実には無理なんだけど、願望として言ってるだけですよ~」という雰囲気を英語では作ることができます。(ちなみにですが過去の出来事に対し願望を述べる場合は、過去完了形というものを使います🔥)
had betterの「had」も同じように「仮定法」の仲間なんです。そこで、これを理解するには「had better」が作る意味を適切に理解しておかなければいけませんね!
haveそのものに、もともと「possess as a duty or thing to be done」という意味があります。dutyというのは義務ですね。「義務として有する、もしくは、行われるべきものごと」というふうに書かれています。(Online Etymology Dictionaryより引用)
助動詞の「have to」(Vするべきだ)もまた義務を表しますよね。共通しています。
それはさておき「had better」の言葉の足し算をすると、こうです!
ここで大切なのは「Vしないと悪い結果になる」という前提を含んでいるということです。これは仮定法の考え方なのですが、先ほどの「3日で1万語覚えられたらなぁ」という仮定は常に「3日で覚えるのは無理」という、理想とは真逆の現実とセットなんです。これもそうで「義務としてVすれば良い結果」という仮定をしたら、「Vしなければ悪い結果」という現実がついてくるんです。これをhad betterの幹として覚えてください!
これを踏まえて、had betterの訳の広がり方を考えましょう。Evergreenの訳「Vしなさい」だけだと、まるで主語には「you」しか取らないように聞こえます。でもそんなことはないんです。
今回はLongman Dictionaryが一番分かりやすかったので、こちらの辞書から引用しますね。
1. used to give advice about what someone should do
2. used to say what you should do or need to do
3. used to threaten someone
1つめは「advice」(助言)を与えるためとあります。「逆にVしないっていう判断はオススメしないな」という気持ちのときに使えます。これは自分以外の主語ならなんでもいいですね。たとえばデートに遅刻しそうな妹に対し、
"You had better phone your boyfriend to say you'll be late"
「(義務として)遅れるって電話したほうがいいよ!」
と言えます。この場合、くっついてくる悪い結果は「じゃないと彼氏、怒っちゃうよ」とか「帰られちゃうよ」とかでしょうか。わたしは雪のなか3時間待ったことがありましたが…。
2つめは「say what you should do」(自分がすべきこと言う)です。たとえば上のシチュエーションで、妹は自発的に(もしくはアドバイスを受けてから)
"I had better tell my boyfriend that I'll be late"
「(義務として)彼氏に遅刻するって伝えたほうがいいな」
と言えますね。もし伝えなかったら、怒られるだろう、という悪い結果と表裏一体です。
そして3つめに「threaten」(脅かす)とあります。これがEvergreenに登場している訳に近いものですね。「脅し」って「いいか絶対にVしろよ、Vしないと結果としてお前にも処罰を下すぞ」というときに使う言葉です。物騒ですがドラマなどで「あいつを殺れ」と脅すときは、「殺らなければお前も殺す」が暗に示されてる場合が多いですよね。怖がらせて従わせたいときに使うのが「脅し」です。
もっと身近なたとえで言えば、寝坊したのがデートではなく、ミーティングだった場合です。9時から他社との重要なミーティングがあったのに寝坊しちゃった~というとき、上司はこんなふうに言うかもしれません。
"You had better go to the office and apologize to them."
「事務所に行って謝罪したほうがいい(そうしないと減給や始末書処分だ。だから行って謝罪してこい)」
そして続けざまにこう言うでしょう。
"You had better never be late."
「二度と寝坊しないほうがいい。(次に寝坊したら処罰を下す。だから寝坊するな)」
暗に示された()の部分があることから、これは直接的ではない命令形だということが分かりますね。
"You had better phone your boyfriend to say you'll be late"
「(義務として)遅れるって電話したほうがいいよ!」
姉/兄であるあなたが心配げに妹にhad better文を言い、妹が万が一それに従わなかったからといって、罰を与えることはないでしょう。反対に、上司が険しい顔でhad better文を言ってきたら、それは助言ではない、と気づくはずです。
had betterを使用する際は、文脈から「義務として、相手がすべきことなのか」「罰を与えてでも、相手にさせたいことなのか」判断できればいいんですね。逆にこのような文脈ではない場合にhad betterを使用すると、混乱してしまいます。
「絶対銀座のこのレストランに行くべきだよ!」というときにhad betterを使ったら
1.行かないと、結果として悪いことが起きるから行くべきだよ
2.行かないと、私はお前に罰を与えるぞ。だから行け。
このどちらかのニュアンスで伝わるということですね。
人になにかをオススメしたいときは「should」を使ってくださいね😉
#2 have only to V
これは慣用表現の意味の足し算のなかでもっとも単純だし、理解しやすいと思います!「have to V」(Vするべきだ)と「only」(唯一/ただ~だけ)がそのままの意味で合体しただけだからです。
いろいろな状況に使えるフレーズですが、わたしの頭のなかではどうしても戦闘シーンで1人がもう1人を後ろにかばい、「あなたはわたしが戦ってるのを黙って見てればいいの!」"Shut up and you have only to watch me fight!"というセリフがチラついてしまいます。セーラームーンはこういうシーンあまりなかった気がするんですが、なんででしょう?
ともかく受験生にとってhave only to Vが重要な理由は、語順です。4択問題や並び替えのときに、onlyの位置を間違えやすいからです。語順ミスを防ぐためにも、なぜonlyをto不定詞の前に置くかを覚えておきましょう。
副詞でも形容詞でも、説明を加えるときは、説明を加えたい対象の直前にふつうは置きます。この慣用表現は、「have to V」のなかにある「Vするということ」を唯一行えばいい、という意味なんですよね。だから「to V」に説明を加えている、となり、その直前にonlyを置くことになるんです。
#3 All S have to do is (to) V
こちらもまた「SはVしさえすればいい」という意味になります。#2の言い換え表現ですね。
カッコ内の部分は通常省略します。特にthatは必ず省略します。このthatは関係代名詞のthatというやつで、まだ関係詞について学習していない方は下の青枠は無視してもいいです。
※that S have to doがAllに対し、後ろからどんなものかの説明を加えています。黄色部分を抜かして読むと「全てのことは、Vすることだ」となりますね。そうすると「え、どんな全てのこと?なにについて?」と疑問がわくとおもいます。その疑問にお答えする役割があるのが関係詞という文法です。説明を加えたい相手の直後に置き、後ろから説明します。今回は「Sがするべき(全てのこと)」となっています。
この表現のポイントもまた、語順です。並び替えによくなりますね。あとは、不定詞のtoが省略されている、という点を覚えているかどうかの問題が4択で出たりします。間違えて動名詞を選ばないように!😉
#4 have got to V
これは口語表現です。口語というのは会話でのみ使っていいですよ、ということです。エッセイには取り入れたらダメですよ😉
和訳を確認する前に、英英辞典で意味を見てみましょう!
if you have to do something, you must do it because it is necessary or because someone makes you do it(Longman Dictionaryより引用)
ポイントは太字ですね。have got to Vはmust、have toの仲間です。そしてhave got to Vを使う場合には2つの条件が提示されています。
1.necessary(必要)だから
2.someone makes you do(誰かがそれをあなたにさせる)から
つまり、必要性を感じるとき、強制されているときに使えるんですね。
dare を使った慣用表現
dareのもともとの意味を最初に理解しておくといいですね。
to be brave enough to do something that is risky or that you are afraid to do – used especially in questions or negative sentences(Cambridge Dictionaryより引用)
risky(危険)であったり、afraid(恐れている状態)になるようなことをするうえでbrave enough(十分に勇敢である)な状態だと書かれています。たいていは「疑問文」と「否定文」で使われますが、もともとは(肯定形では)ポジティブな意味を持つのだと覚えておきましょう!
否定形ですが、「don't dare (to) V」が現在のアメリカでは一般的・「daren't V」は古典的という説がある一方で、イギリスではdaren'tのほうが使われるという説(参考)もあります。ぐぐった結果としては、daren'tのほうがマイナー表記ではあるようです。ちなみにEvergreenでは、daren'tを採用しています。
don't dare - About 9,300,000 results
didn't dare - About 9,080,000 results
wouldn't dare - About 6,870,000 results
won't dare - About 5,060,000 results
daren't - About 658,000 results
今回は否定の形ではなく、慣用表現!ですので、いったん置いておきましょう。次の4択問題に関する記事で掘り下げて書いていきますね。
#1 dare say A
Aというのは名詞のことです。名詞というのは長い動詞変化のカタマリになったり、接続詞のカタマリになるものです。この場合のAは「that S V」になることが多いです。
sayは補足するまでもなく「言う」という意味です。これはこれだけでOK!
今回のdareは肯定形で使用されます。なので、ポジティブな意味ですね。
You can use 'I dare say' or 'I daresay' before or after a statement to indicate that you believe it is probably true.(Collins Dictionaryより引用)
「I dare say」と書いてもいいし、「I daresay」と1語のようにして書いてもOKです。使うタイミングは「自分がおそらく正しいと思っていることを述べる」セリフの前や後!「I think」や「I guess」と同じポジションに置いてね、ということです。I guess that is true.の位置でもいいし、That is true, I guess.の位置でもいい、というわけです。
たとえば、定期的に、すごい勢いで酷評を受ける映画がありますが、わたしはこんなことを思います。
"There are people who criticize a movie without watching it. I dare say that you must watch it before criticizing it."
「世の中には、映画を観る前に批判する人々がいる。わたしは、映画を批判する前に観るべき(で、おそらくこの意見は正しいこと)だと思う。」
dare sayの類義語は「believe」です。I dare say thatを「I believe that」に置き換えて考えると分かりやすいですね!
#2 how dare you?
こちらの表現は口語表現で、「修飾疑問」という疑問文の仲間です。
「修飾疑問」というのは、「確固たる主張であるということを強調するために、わざと疑問文で表現する」ことです。「?」で終わっていたとしても、意味としては「断定形」(ピリオドや!)なんですね。例えば「うちの犬かわいいでしょ?」というのは、実際には「うちの犬ってかわいいよね。」と断定し、相手に念を押しているんですよね。ここに「かわいくないね」と反対の意見を言う余地はないですね。
ですので、例文では「?」(question mark)を使っていますが、代わりに「!」(exclamation point)や「.」(period)になっても大丈夫です。その時々の感情に合わせて変更してくださいね。ぐぐってみたところ、「!?」のほうがしっくりくる、という方もいました。(参考)
You say 'how dare you' when you are very shocked and angry about something that someone has done.(Collins Dictionaryより引用)
なぜならばCollins辞書にもある通り、"How dare you"と言うとき、あなたの心情は「衝撃を受けている」とか「怒っている」状態だからなんです。さきほど#1でお伝えしましたが、dareは否定文・疑問文のとき、ポジティブな意味を持たないんです。dareそのものが「思い切った行動をする」という意味があるので、疑問形にすることで「よくもそんな行動が取れたな!?びっくり!から転じてもはや怒り心頭!!」という意味になるわけです。
またも物騒ですが殺人事件の犯人と対面したとき「貴様ッ、よくも…!」と言いたくなりますよね。小説にありそうな状況ですが、これがまさにhow dare you!です。動詞までいれて文章にするとこのようになります。
"How dare you did this to me!"
「よくもそんなことができたね!(怒)」
how dare youのうしろには、動詞の原形が続きます!あらためて疑問文はつくらないので気をつけてくださいね。
ought to の使い方と使い分け
ought は助動詞のought to以外では使われませんが、2語以上で作られている単語なので、慣用表現のなかに加えました。shouldやhad betterと同じく「Vするべきだ」と訳します!
そうするとまた、三者での使い分けが必要になってきますね。shouldとhad betterの違い、覚えていますか?😉3つまとめてみました!
ただし、この内容のことだから、絶対この助動詞!ということはありません。未成年の喫煙をテーマに4種類のセリフを見比べて考えてみましょう。
「あなたの健康のことを考慮すると、二十歳未満であるうちは喫煙を控えるべきだよ(そのほうがあなたの健康にとって良いことだとわたしは思う)」
二十歳未満の喫煙は法律で禁じられていますが、どうしても憧れちゃう人っていますよね。そういう人に対して物申すときは「わたしとしてはね~、まぁ気持ちはわかるけどさ、健康のことを考えたら、やめたほうがいいと思うよ」というような表現になると思うんです。この場合はshouldでいいと思います。
「法律では、二十歳未満は喫煙をしてはいけないとあるんだし、それを守りなさい(法律に従いなさい)」
自分の気持ちではなく、法律と照らし合わせている、こういう論調だったら、ought toのほうが合っていますよね。
「喫煙は二十歳を超えてからにしたほうがいいよ(じゃないと肺がんのリスクが高まるよ)」
※17歳以下の喫煙開始は20歳以降の喫煙開始と比べて肺がんの罹患率が増加
これは助言のほうのhad betterですね。同年代の子がhad betterを使って物申したら、なにエラそうなこと言ってんだと言い返されるかもしれないです。もっと前後の文脈に違いがないと、shouldとの差が見えにくいのですが、それはカッコの中のセリフで補わさせてください。
「喫煙は二十歳を超えてからにしなさい(じゃないとお小遣い制度をなくすぞ)」
親から子どもに対して言われるような場合はhad betterがよさそうですよね。わたしは未成年のときに喫煙したことがないので、どんなふうに怒られるのかイマイチぴんときていないので、罰をお小遣いにからめてみました。
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