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ブラジルの備忘録 10
備忘録10
ノルミーニャ・ドゥヴァル(本名 Norma Cadaval)、は、ポルトアレグリに生まれ。生まれた年は1930年前後だろうか。お父さんは、ユダヤ系で、かなりのやり手実業家、お母さんは元モデルで、箸より重いものを持ったことがないような麗人だったそうだ。裕福な家庭、床のタイルはフランス製、広間はガラスが四方に張り巡らされているようなアールデコ調のモダンな家に住んでいたような図が目に浮かぶ。両親の寝室、彼女の部屋、広間、ダイニング、客室も6室くらいあったように思う。そして、身の回りの世話をする侍女が3、4人。何しろノルミーニャは豪邸に住んでいた超お嬢様だった。お父さんは、趣味の人でもあったらしく、季節ごとに夕食会を設け、そのたびに壁紙を変えたり、調度品を変えたりして、季節感たっぷりの演出をし、来る客を楽しませていたらしい。ワインにしろ、料理にしろ、贅の限りを尽くしていたと聞いている。お父さんは稼ぐも、かなりの浪費家であり、女性関係も派手だったようだ。彼女は7歳でカバキーニョを初めて、ギターを習い始めたのがいつだったのか覚えていないが、おじさんの友達が弾いているのを見て、ギターを覚えた。若いころはスペインにギター留学していたと聞いている。ところが、父親が何かの事業に失敗し、会社は倒産、家族が露頭に迷うことになる。お母さんは、子どものような人で、家計を助けるような仕事を持つことができなかったため、ノルミーニャがギタリストとして生計を立てていくようになる。ノルミーニャもお母さんに似て美しく、演奏の上手いのも手伝って、ラジオやテレビなどからお呼びがかかったそう。そんな中、エリス・レジーナと会うことになる。