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表でも裏でもない。川村元気+陰陽師÷2になりますという宣言


格安PR職人として闇落ちしたボクは、心を入れかえて高額なギャランティを受け取る『銭ゲバ』となった。

すると、不思議なことに金額を上げれば上げるほどクライアントからの「感謝」も大きくなっていった。

もう、闇の中ではない。

すべてが順風満帆。

このままPR職人のスキルを磨いて、絶対にモテモテ野郎になってやるからな!と、思った。

けれど、仕事の数をこなせばこなすほど、心の中の「穴」が広がっていくのを感じた。

高額なギャランティを受け取っても、どうしても満たされないものがあったのだ。

どうやら、自分の中で眠っていた表現欲が目を覚ましてしまったようだった。


自分を表現したい…!


自分の「名前」を世の中に出して、自分っていうものをアピールしたい!と思うようになった。

だって、どれだけ裏方として活躍しても、やっぱり裏はウラだもん。

ずっと、編集者やプロデューサーはモテモテで羨ましいなって思っていたけど。違った。

PR職人をやってみて気づいたんだけど、あれはモテていたんじゃない。

ただ、寄ってこられていただけだ。

メディアに出たいって言う「魔物」どもは、自分を表に出してくれる人間なら誰でもいい。こっちのパーソナリティなんてどうでもいいんだよ。

だから、お金をもらっても、感謝をされても、どうしても満たされないものがあった。

段々、自分の輪郭もボヤけてくる。

ああ!このまま裏方仕事を続けていたら、いつの日か「自分」っていうものが消えてしまうかもしれない。


こんな気持ちになるんだな…。


ボクは、これまでの人生を振り返った。

思い返せば、小学校の頃から「表舞台」に立ち続けてきた人生だった。学級委員、生徒会、演劇部、芸能界、講師、著者…etc.

いつも誰かが「影」となってサポートしてくれていたけど、一度もちゃんと「ありがとうございます」って言ったことがなかったな…。

もちろん、機械的に社交辞令として言ったことはあった。けど、本当に心の底から感謝をして伝えたことはなかった。

どこかで仕事なんだから、お金を払っているんだから、家族なんだから、やってくれてあたり前でしょ?って思っていた。

もしかしたら、ボクも誰かのことを「闇」に葬っていたことがあるのかもしれない。

あーあ。

こんな調子だったから芸能界でも出版業界でも売れなかったんだろうな…。

売れている人は、みーんな心からの「ありがとう」を言っていたから。少なくとも、ボクがドラマの現場で出逢った俳優陣はそうだった。

なんていうか、自分が浴びているスポットライトの光(エネルギー)をお裾分けしてくれるような人ばっかりだったんだよね。

きっと、ああいうのうを「器が大きい」って言うんだと思う。

気を遣うんじゃなくて、
気を配ってくれる感じ。


器が大きいと、自分自身にエネルギーをいっぱい入れても溢れないじゃない?

だから、いーっぱいエネルギーを集めて周りを照らしたり、プレゼントすることができる。

でも、ボクみたいに器が小さいと自分自身にエネルギーを注ぐだけで精一杯。

つまり、ボクは芸能人のようにバーンと表舞台に立つような仕事はムリ。

そもそも、
俳優の仕事は向いていなかったんだなぁ…。

今更気づいたけど、完全に誰かを「影」にできるほど人間力のあるタイプじゃないんだよね。



とはいえ、さっきも言った通り、このままPR職人を究めて「裏方仕事」に徹するのはマジでムリ。

たぶん、自我が強すぎるんだと思う。

お金じゃない。きっと、1億円を積まれてもゴーストライターにだけはなれない。

ボクにとって、表舞台で味わう「快感」はお金以上。最も価値のある報酬なのだ。

今後は、そのこともちゃんと理解して、自己表現をすることも視野に入れて活動しよう。


理想は、川村元気さんみたいな感じかな?


映画のプロデューサーとして活躍しながら、小説家としても作品を発表している。1人の人間の中に「表と裏」があるってカッコイイよね!

そういえば、以前PR職人の師匠にも「川村元気+陰陽師÷2」みたいな存在になりたい!って言ったことがあったっけ?


あのときは自分で言っていても意味不明だった。でも、今なら分かる。ボクは、昔から表でも裏でもない存在に憧れているのだ。

『サンクチュアリ』に登場する北条彰も同じ!

ボクにとっては、
同じカテゴリーに属する憧れの存在だ。


よーし。

決めた。

なるぞ!表でも裏でもない存在に。

そのためには…まず、PR職人(裏方仕事)を究めよう。で、誰かをプロデュースして、誰かを有名にしながら自分も有名になろう。

最短最速で、川村元気+陰陽師÷2になってやるからなぁぁ!



え?


結局、それってどういう存在なの?って。

あー、ヤダヤダ。ほんと、大人って説明させるのが大大大好きだよね。

そうやってすぐに答えを求めるんじゃなくて、ちょっとは自分のアタマで考えたらいいのに。

と、思ったので、ここにボクの気持ちを代弁してくれている歌詞を置いておこうと思います。

これを読んで、少しは想像するってことを学んでくださいね。では!

みんなが俺にこうなれと言ってくる
みんなが俺の将来を見て話しかけてくる
これをしろ、あれをしろ
でも俺がなりたいのは自分自身だ

年齢なんてただの数字だ
教えてあげるよ

僕が誰だかあなたには伝えない
僕を見てればいずれ分かるよ
言葉では表せられない事が多すぎて
表面より奥を見ていれば
きっと分かるだろう

俺の事を
俺の事を

『MORE TO ME』/YOSHI




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中村慧子|Keiko NAKAMURA
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