NOガンジス
インドのバラナシに行った時の話。
あなたがもしインドのバラナシに行ったことがないのなら、ぜひ行ってみることをオススメします。
世界広しと言えど、ここまでカオスな国はなかなかない。
大げさではなく今まで自分が常識だと思ってきたこととか、いろんな意味で覆される。
バラナシの見どころといえば、何と言ってもガンジス川。
ヒンドゥー教徒にとってガンジス川は「聖なる川」。
ガンジス川に流すことで、罪を洗い流され悟りの境地に達することができると信じられている。
ヒンドゥー教徒にとって遺骨をガンジス川に葬られることは名誉なことであり、川沿いにはいくつも火葬場がある。
火葬場といっても、焚き火のように燃やされているのだけど。
そのためガンジス川には次々と遺体が運び込まれ、死を待つ人もたくさん訪れる。
遺灰は川に流され、子供や妊婦などは悟りの境地に達することが難しいとされ、火葬されずそのまま川に流される。
そんな川で沐浴する人々。
顔を洗い、身体を洗い、泳いでる人までいる。
その横で立ち小便するこどもがいたり、汚物や下水も流れている。
そして川沿いではせっせと洗濯をする女性たちが目立つ。
インドでは定番のスパイスの効いたチャイも、ガンジス川の水を使っているところもあるとかないとか・・・
とにかくもうなんでもありな世界で、世界広しと言えど、ここまでカオスな国はなかなかない。
なんでも飲み込む巨大なガンジス川。
初めて訪れた日本人はそのあまりにもカオスな光景にただただ呆然と眺めるしかない。
しかし、バラナシは決して死を感じさせる場所ではなく、死の隣で活き活きと生が営まれている場所なのだ。
そんなバラナシのホテルでよく見かけた「NOガンジス」という張り紙。
これはどういう意味か?
アジアなどの途上国では、ホテルのランドリーサービスが1kg100円~と格安でやってもらえるところが多く、私もよく利用していた。
そのランドリーサービスの看板がNOガンジス。
うちのランドリーはガンジス川で洗ってませんよ。ということ。
ここバラナシでしかありえない看板。
なんておもしろいんだろうと思ったけど、やっぱり信用できないから、宿でせっせと自分で手洗いした(笑)